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ダーク・テトラッドは4因子よりも5因子?
PaulhusとWilliamsが2002年にダーク・トライアド(Dark Triad)を提唱してから,マキャベリアニズム,ナルシシズム,サイコパシーの3つのパーソナリティ特性は多くの研究として展開してきました。
ダーク・トライアド
ダーク・トライアドは,3つのパーソナリティ特性のまとまりです。
◎マキャベリズム:自己利益のために他人を操る傾向であり,「目的のためには手段を選ばない」という道徳観をもつ
◎ナルシシズム:自分の評価を誇張する感覚や,過剰な自己評価を高め維持する動機づけをもつ
◎サイコパシー:衝動的で冷淡な抑制の欠如を特徴とする
さらに近年では,他者の苦痛を快楽と感じる日常的なサディズムが4つ目の要素として加わり,ダーク・テトラッドと呼ばれるようになっています。
問題
心理学的な測定には,ジングルージャングルの誤謬という問題が伴うことがあります。
◎ジングルの問題:同じ内容を測定するという目的で作成された尺度が,異なる結果を生み出すという問題
◎ジャングルの問題:異なるものを測定する目的で作成された尺度の測定内容が重複するという問題
これらの問題は,ダーク・テトラッドを測定する際にも生じます。ダーク・テトラッドとして何が共通しており,何が独自の要素であるのかを明確にして,測定上の検討を行うことが重要となります。
共通点と相違点
これまでの研究のなかでも,ダーク・テトラッドの相互の共通点や相違点について検討されてきています。たとえば,マキャベリアニズムとサイコパシーは,測定された結果として非常に類似するケースが見られることがあります。このようなケースは,ジャングルの問題に関連します。
ダーク・テトラッドを測定する尺度にSD4と呼ばれるものがあります。マキャベリアニズム,サイコパシー,ナルシシズム,サディズムの4つの特性が反映した4つの因子が構成されているのですが,さらに詳細な検討が必要です。
ダーク・テトラッドの因子についてさらに検討した研究があります。どのような結果が得られているのでしょうか。こちらの論文を見てみましょう(The Dark Five: A reconsideration of the Short Dark Tetrad (SD4))。
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