感情を認識しづらい傾向と物質への依存
感情を認識したり,言語化したりすることができない状態のことを,アレキシサイミア(失感情症)といいます。アレキシサイミアの特徴としては,想像力や空想の貧しさ,ポジティブな感情の欠如,ネガティブな感情の抱きやすさもあります。
アレキシサイミアと物質使用
物質使用障害というのは,有害な結果をもたらすにもかかわらず,アルコールやコカイン,ヘロイン,オピオイド,鎮静剤,覚醒剤などの使用の制御ができなくなってしまうことを指します。
そして,特にアルコールの乱用は,アレキシサイミアとの関連が指摘されています。実際に,アルコール依存と診断された人々では,アレキシサイミア傾向もよく見られることが研究では報告されているようです。また,薬物依存でも同じような傾向が報告されています。
これまでにも依存傾向とアレキシサイミアとの関連は検討されているものの,検討は十分ではない点が指摘されています。そこで,こういう時にはメタ分析で全体の関連を検討するというのも,ひとつの有効な方法となります。では,こちらの研究で,実際に関連を確認してみましょう(Association between alexithymia and substance use: A systematic review and meta-analysis)。
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