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日々是好日・心理学ノート

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2024年7月の記事一覧

【新刊紹介】『心理尺度構成の方法:基礎から実践まで』

2024年8月,新しい書籍,『心理尺度構成の方法:基礎から実践まで』が出版されます。今回の記事は,この本を紹介したいと思います。 心理尺度心理尺度の作成は,心理学の研究を進める上でもいまや欠かせないものとなっています。それだけではなく,多くの企業も心理尺度を構成して,人材育成やマーケティングなど,現場で役立てようとしています。心理尺度を構成することは,現代の社会で広く必要とされている手続きなのです。 心理尺度を構成する際には,一定の手続きがあります。しかし,この手順で作成

苦いビールが好きな人の性格

苦い味を好むのは,大人ならではの嗜好性と言えるかもしれません。ダークチョコレートやコーヒーなど,さまざまな食品の中で苦みが広く消費されています。 これまでの研究によると,苦みの近くや苦みのある食品を好む傾向は,苦みに対する敏感さに関連することがわかっています。苦みの知覚は好むアルコールの種類にも関連することもわかっているそうです。 苦いビール基本的に,ビールというのは苦い飲み物ですよね。ビールが苦い理由は,原材料にホップという植物を使用しているからです。 特に,IPA(

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薬学課程の学生たちの知的好奇心

どのような研究分野も,拡大しつつ複雑化していく傾向があります。学ぶべき範囲はどんどん広がり,更新されていきます。最新の情報にキャッチアップしていくことは簡単ではなく,常に知識のアップデートが必要となります。 こんなところで必要になるのが,知的好奇心ではないでしょうか。 知的好奇心好奇心はcuriosityですが,好奇心が向かう先にはいろいろなものがあります。その中でも知的な方向へと向かう好奇心は知的好奇心(epistemic curiosity)と呼ばれます。episte

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ナルシストの学習スタイルの特徴

ナルシシズム(自己愛)は,単に自分に自信がある状態を指すわけではありません。自分自身に対して誇大な感覚を抱き,自分が特別で周囲の人々よりも優れており,特別扱いを受けて当然だと感じる傾向があります。 ナルシシズムと自尊感情との間の相関も全体的にそれほど高いものではなく,ナルシシズムと自尊感情との間の重なりは大きくありません。 教育場面ナルシスティックな学生は,勉強面でも自分が特別だと思い,特別扱いを受けるべきだという学問的な特権意識を持つ傾向があると指摘されます。この意識が

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社会的不安から抑うつにつながる

社会不安障害(Social Anxiety Disorder, SAD)とは,他者から評価されることを過度に恐れる状態をさし,社会的な場面や対人関係場面で強い不安や恐怖を覚える精神疾患の一種です。この障害は,大きな苦痛をもたらし,個人の社会的関係やさまざまな機能に悪影響を及ぼします。 社会不安障害の障害有病率は,すべての年齢層で5%から36%とも推定されています。他の精神疾患とも併発することが多く,約3分の2は他の疾患をもつとされます。 抑うつ不安と抑うつというのは,いず

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ワインの好みと性格の関連

ワインの世界は,ブドウの品種,育つ土地や国,生産者,熟成の仕方,いつ作られたか,などによって複雑な世界を構成します。『世界のワイン図鑑』という高価で 分厚い本も出版されていて,こういう本を読むと世界の広さが理解できます。 性格複雑なワインですが,それだけにどのワインを好むかには,個人の志向性が反映します。消費者のパーソナリティ特性については,これまで数多くの研究が行われてきました。研究の蓄積がある中で,ワインについてはあまりちゃんと研究されていないという現状もありそうです。

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自閉症スペクトラムと感情の認識

自閉症に関して臨床上の重要な目的のひとつは,個々人の社会的機能を改善することです。そのために,自分自身の感情を表現して言語化し,識別することが重要だとも考えられています。 自閉症は感情を認識する能力が低下しており,この困難さが自閉症の困難さをもたらしている可能性があります。 感情認識自閉症の問題は,心の理論(ToM)やアレキシサイミアに焦点を当てられることがあります。 心の理論は,他者が独自の信念,欲求,意図,感情を持つことを理解し,自分のものとは異なる可能性があるとい

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好きなゲームの特徴と性格の関連

皆さんは,日常的にゲームを楽しんでいるでしょうか。 ビデオゲームは,世界の多くの地域で非常に人気のあるレクリエーション活動だと言われます。アメリカ合衆国では50%近くの家庭が少なくとも1台のビデオゲーム機を持っていると報告されているそうです。 ゲームの研究心理学でも,ゲームを研究対象にしたりゲームプライヤーをフィールドにした研究が数多く行われています。 しかし,時代とともにゲームが複雑化していて,研究の方もつねにアップデートが必要に思えます。ゲームが家庭の中に入ってくる

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職場で逸脱した行為をする人の性格

職場での逸脱行為は,近年多くの文献で取りあげられ,また研究論文も数多く発表されているトピックです。これは,非生産的職務行動という名称でも知られています。重要な組織の規範に違反し,組織や構成員に害を及ぼす従業員による自発的な行為のことです。 逸脱行為典型的な職場における逸脱行為には,次のようなものがあります。 ◎遅刻 ◎雇用主や同僚からの窃盗 ◎同僚の侮辱 このような行為は,あらゆるレベルの組織上の機能に有害な結果をもたらすと考えられますので,組織にとっては広汎な問題を引

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ダークな性格と認知的共感性の関連は

マキャベリアニズム,ナルシシズム,サイコパシーの3つのパーソナリティ特性は,まとめてダーク・トライアドと呼ばれています。 ダークサイドこれらのパーソナリティ特性は,悪意に満ちた性質を含むことから「ダーク」と表現されます。これらの特性はしばしば,倫理的,道徳的,社会的に逸脱した行動に関連することが報告されます。 ダーク・トライアドはいずれも他者を搾取するような態度をとりがちで,目的を重視した他者の感情的な操作を行う傾向もあるとされます。他者から自分の利益になるようなことを搾

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台湾の博士課程の学生たちにみられる問題

世界的に,博士号を取得しようとする博士課程の学生たちの間で,退学率が問題視されているようです。平均的な博士課程の退学率は,世界中で30%から50%にもなるそうです。 理由博士課程の退学の理由はさまざまです。仕事の忙しさ,論文執筆,子育ての負担,怪我や病気,学業成績の低迷,経済的な困窮などが挙げられます。博士課程の学生たちは,実質的な大学における研究の中心を担っています。ところが,博士課程の学生たちの問題については,あまり研究されていないかもしれません。 博士課程に在学する

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日常生活の中で見られるサディズム行為とサイコパシー傾向

サディズムというのは,他の人々の感情的または身体的な苦痛から楽しみを得ることを指し,特にその苦痛を引き起こすことによって楽しみを得ることを指します。 過去の文献では,サディズムというのはかなりまれな現象だというスタンスで話がされていましたが,近年では日常的な場面の中でもサディズム的な傾向が見られるということが指摘されています。 日常的サディズム普段の生活の中で,暴力的な映画を観ること,暴力的なビデオゲームを楽しむこと,残虐なスポーツの観戦を楽しむことなど,残虐さに対する関

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ナイジェリアのフェイクニュース

世界中で,インターネットの利用はまだまだ増加しています。もはや世界中にインターネットは普及しているとも言えるかもしれませんが,特にアフリカ地域ではまだこれからという部分もありそうです。 ナイジェリア今回紹介する研究は,アフリカのナイジェリアで行われたものです。 ナイジェリアでは,インターネットの利用がまだまだ増加中です。人口は2億人以上ですが,約半数の1億人超のナイジェリア人がインターネットにアクセスしており,インターネット普及率は半分を超えるくらいとされているそうです。

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認知バイアスにつきものの3つの誤解

今回は,『賢い人がなぜ決断を誤るのか?』(オリヴィエ・シボニー(著),野中 香方子(翻訳))の中に書かれていた一節から,認知バイアスについて少し考えてみましょう。 認知バイアス私たちは物事の判断をする時に,事実をさまざまな方向に歪めて認識してしまうことがあります。と,このような認知的なバイアスがかかった判断をすることは多くの人に知られています。

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