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薬学課程の学生たちの知的好奇心
どのような研究分野も,拡大しつつ複雑化していく傾向があります。学ぶべき範囲はどんどん広がり,更新されていきます。最新の情報にキャッチアップしていくことは簡単ではなく,常に知識のアップデートが必要となります。
こんなところで必要になるのが,知的好奇心ではないでしょうか。
知的好奇心
好奇心はcuriosityですが,好奇心が向かう先にはいろいろなものがあります。その中でも知的な方向へと向かう好奇心は知的好奇心(epistemic curiosity)と呼ばれます。epistemicという単語は馴染みがないかもしれませんが,「知識の」「認識的な」「認識様態的」といった意味です。
知的好奇心の研究もいろいろあるようなのですが,知的好奇心は知的なことに対する興味(I型)と情報の剥奪(II型)という2つの大きな要素があるとする研究もあるようです。これら2つは異なりながらも関連のある2つの知的好奇心となるそうです。
知的興味は,批判的思考をもちつつ新しい発見の喜びを期待する傾向があります。一方で情報剥奪型の知的好奇心は,不確実性や無知という不快な感情を取り除きたいと欲し,新しい情報を探そうとします。これらの知的好奇心は学業成績と関連するという報告もなされるようになっていて,学校や職場で重要な心理特性のひとつだとも考えられています。
薬学教育
大学のカリキュラムにおいても,知的好奇心は重要だとされます。今回紹介する研究は,薬学教育における好奇心の役割を検討したものです。
薬学教育のなかで,知的好奇心は成功を導く一種の「心の習慣」であり,薬学家庭の学資得たちが身につけるべきスキルや態度であると指摘さえることもあるとか。
しかし,薬学課程における学生の知的好奇心については,十分検討されていません。そこで実際に測定するなかで,薬学部の学生の知的好奇心の様相を検討した研究を見ていきましょう。こちらの論文です(An Exploratory Assessment of Epistemic Curiosity in Students at Three Doctor of Pharmacy Programs)。
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