Vol.11 育成年代に多いケガ 〜腰椎分離症編〜

育成年代に多いケガの中の一つとして腰のケガは外せないだろう。
更に腰のケガにもいくつか種類がある。
大まかに分けて3つにまとめてみた。

・腰椎椎間板ヘルニア(略称:ヘルニア)
・腰椎分離症(略称:分離症)
・筋筋膜性腰痛(原因不明の腰の痛み)

今回はこの中の一つ、分離症について解説していこう。


腰椎とは

いわゆる背骨の中の一つ。
背骨は上から順に頸椎(7コ)、胸椎(12コ)、腰椎(5コ)計24コの骨からなる。

画像2

腰椎の役割

主に3つの役割がある。
1.身体を支える(支持機能)
2.身体を動かす(運動機能)
3.神経の保護(保護機能)

分離症とはこの3つのうちの支持機能が破綻した状態なのである。

分離症の病態

先ほども言ったが、分離症とは支持機能が破綻した状態である。
図で説明しよう。

画像2

正常な腰椎と分離症の場合では一目見れば異常な箇所が分かるだろう。
そう、これは一言で言えば骨折なのだ。
何故骨折してしまうのか。
折れている箇所に目を向けて欲しい。

画像3

折れているのはこの部分。
これは骨同士がぶつかり合う圧縮ストレスにより起こるものである。

画像4

図に表すとこのような状態だ。
このようなストレスが繰り返すことにより、骨折してしまうのである。
過去の記事でも書いたが、いわゆる疲労骨折の状態だ。

分離症となる原因

これには大きく分けて2つの理由がある。
1.腹筋の筋力<背筋の筋力になっている。
2.腰への負担が多い動作(運動、スポーツ)をしている。
順に解説していこう。

腹筋と背筋は筋肉のバランス的に元々背筋の方が強い傾向にある。
これは筋肉の数の問題でもある。
下の写真を見て欲しい。

画像5

画像6

それぞれ身体の背面、前面の筋肉を切り取ったものである。
本当は背面の方にはもっと細かい筋肉がたくさんあるのだが、載せきれないので大まかなところだけを載せた。

これだけを見ても、背中の筋肉の数がいかに前面よりも多いかが見て分かるだろう。
筋肉の数が多いということはそれだけ収縮力が強い、つまり腰で言うと"反り腰になりやすい"ということだ。
元々反り腰になりやすいので、そのままの状態で運動、スポーツをしてしまえば腰椎への負担が増え、骨折してしまう。

予防法

いわゆる体幹トレーニングをする事が極めて重要である。
前にも書いた通り元々反り腰になりやすいので、それを予防するものとして腹筋のトレーニングは有効だろう。
しかし、これだけで100%改善するとは言えない。

なぜならば人それぞれ身体の特徴、姿勢が違うからだ。
病院だけで分離症が改善しない場合、個別でトレーナーや専門の病院へ行きみてもらうのが1番良い。

これをやれば100%改善する、というトレーニングや予防法は有り得ない。
その人それぞれの身体の特徴などを知るためにも専門の人間に見てもらい、自分の身体を更に知り、知識を深めていくことこそがアスリートにとっての最重要事項だと考える。

鈴木 翔

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