08:【デザイン】空間をつくる種〜家づくりで家族の関係・子育ての概念までもが変わる〜
3日坊主の天才・天神です。
3日坊主の天才なのに、7日連続投稿チャレンジをクリアしてしまい、10日連続を目指しての8日目を迎えておりますが…
無事「公開」ボタンを押すことができるのでしょうか!
そんな天神が、昨日ふと考えていた
私にとっての空間をつくる元の材料ってなんだろな?を呟いてみることに。
(ようやくこういう建築のお話。笑)
必要な情報は「想い」だけ
…はい。以上!! 終わり! 解散!
て感じなのですが。
例えば、住宅の時。
「車は2台置きたいんです。
子ども部屋は3つ。広さは6畳ずつ欲しい。
あと寝室は10畳と、ウォークインと、小さくて良いから書斎。
それと和室も欲しいです。
キッチンはオープンで、キッチン収納つけてください。
でも他所とは違う、独特なやつ!←たまにいう人いる」
というオーダー。
よくあります。
まぁ、ほぼそうですね。
で、この条件だけクリアすればいいのであれば
建売で探せるんちゃいます?出来上がってるし安心ちゃいます?です。
本当に、自分たち家族にフィットする住処が必要であれば
そんなことは決めなくていいので、丸腰で来てください。
まぁ。。。予算くらいかな。
そんなことよりも
わざわざ高いお金をかけて家をつくるんです。
こんな暮らしがしたい!
を、目をキラキラさせて聞かせてくれるだけで、情報は十分。
紐解くと、本当に欲しい空間は全く違う
いつも、かなり雑談します。
ご家族それぞれのことやどんな暮らしをしてるのか、お話を伺います。
初めてお会いしたときは、きっと、お茶飲んで雑談。
くらいの感じかも知れません。
でもそこにしか、そのご家庭の住処のヒントはないんです。
嬉しそうに話される内容、困っていること、変えたいこと。
子育てや時にはご夫婦や嫁姑関係についても。
結構、深く聞くこともあります。
すると、既成概念で出来上がった間取りとは、全く違う空間が必要なことに、お客様自身が気づいていきます。
そこに答えがあるんやで。
実は家族の関係は間取りで変わる
え?!という方もいらっしゃると思いますが
当然なんです。
間取りは、行動の習慣をつくるから。
例えば、親子の関係は家での過ごしかたで変わります。
何から考えるか。といえば、どんな親子関係でありたいか。
現状に何か問題や不安があるのか?
それとも今の状態をさらに育てていきたいのか。
ここが見えて来ないと、本来、間取りは考えられないのです。
(私の場合は、です)
なのである意味、建売住宅というのはミラクル的な感じですね。
しかし私もモデルハウスなど「住み手のいない家」をつくるときもあります。
そんな時は、しっかりと家族設定からつくります。
ご依頼くださった企業様にも、ご家族の年代設定だけはマーケティング上確認したら、あとはお任せいただくことをお約束していただきます。
これを建築というのか、設計というのか よくわかりません。
だから私はあくまでも、空間デザイナーという立場でいます。
18年前の名刺からこれなのですが
よく「それはどういう感じ?」と聞かれます。笑
幸せになる空間をつくること。ですね。
間取りと空間
時々聞かれますが
チラチラと使い分けている「間取り」と「空間」という言葉。
間取りの連続が空間をつくり上げる。と私は思っています。
実際は、こうして文章でも書かない限り、あまり「間取り」という表現をすることもないなぁ。と今改めて思いました。
常に頭の中は、空間の中を歩いて家族がどんな表情をしているか
どんな会話をしているかを想像しながら
その景色を図面に描き落としている感じです。
景色(空間)を見ている感じ。です。
空間の塊が整ってきて、そこから構造や造りの細部、細かな工夫、インテリアを整えて行くのですが、その際にも大元にある「ご家族の大切なこと」を叶えるものかどうか、を吟味します。
家は家族を守る宝箱。
学生の頃、強烈に心に響いた恩師の言葉があります。
「建築は人の命を奪いもするし、守りもする
家族を壊すこともあるし、幸せにもする」
建築の理念の全てが、ここにあると思ったのと同時に
覚悟を迫られた気もしました。
子どもが孤独になる家
(個室があるから、という事ではありません)
お母さんが孤独になる家
お父さんが帰って来なくなる家
「不吉な家」とか「呪われた家」ではありません。笑
何か不具合を感じている時は、家族が関わり合う空間をうみだす「間取り」を考え直すことで変化が生まれてきます。
その機会に家族で「話し合う」ということや「見つめ直す」という作業も、もちろん大きなきっかけになると思います。
家に帰るのが億劫になっていたお父さんが、ウキウキと帰ってくることも
お母さんが家族の中心になって、みんなで家を整えるようになることも
イライラしていた子どもが、明るく素直になることもあります。
家は、いろんな意味で家族を守る宝箱なのです。
そして、何よりもどこよりも、安心できる場所。
家族の未来を考えるのは、お客様たち。
それを整えて、カタチ・空間として提案するのは私たちの仕事。
一緒につくりあげるもの。
本音でぶつかり合うことの大切さ
まだ、私が新築住宅デザインをお請けし始めた駆け出しの頃。
とてもいい経験をしました。
詳しくはまた機会があれば書きますが
もともとなかなか打ち解けられないお客様で
常にご主人がピリピリされていました。
ある日
全身から血が引いていくような事があり(ささやかな誤解から)
いよいよ私の中で
「どんな結果になっても死ぬことはない」と思って、本気で真っ直ぐに
ドーーーーン💥とお客様に向き合った事があります。
信頼関係が、崩れるか。深く分かり合えるかの境目だったと思います。
何も飾る必要も、言葉を選ぶ必要もなくなった瞬間でした。
お互いの本音がわかって
私は安堵で崩れ落ちて涙が洪水。
ご主人もボロボロ涙を流されて、申し訳なかった。と繰り返して
お互い涙涙で、ありがとう。ありがとう。しか言葉が出てこない。
しまいめには
「なんでこんなんなってんの?」とぐじゃぐじゃの顔で笑い合ってました。
「通じる」ということを全身で感じた一件でしたし
私の中であの経験がなかったら、ここまで続けてこられなかったと思います。
でもそれくらい「家づくり」というのは本気の方がおもしろい。
まさに、「死ぬこと以外かすり傷」😆
家づくりで子育ての概念がまでもが変わる
そのお客様には当初
土に触れて子どもが育つ。という環境をご提案して
庭に砂場とその隣には小さな家庭菜園をご提案していました。
奥様は気に入って下さっていたのですが
外構最終打ち合わせで、ご主人から
そんなの雑草がたまらんわ。土の部分を全部無くして、モルタルでいい!
というオーダーとなりました。
そしてその、グジャグジャ大事件😭のあと
数日後に外構工事を控えた頃、ご主人から
「昨日、娘の保育園の芋掘りに行ったら、どろんこになって芋を一生懸命掘って、全身土だらけですごく楽しそうにしている姿を見ていて…
天神さんの提案してくれてたこと、思い出しました。
すみませんがまだ、外構変更できますか?
砂場と家庭菜園、作りたいです」というMailが。
またまた号泣したまま速攻電話して
「何がなんでも変更してもらいますぅ〜!!!」とお伝えしました。
もはや暑苦しい関係ですね。笑
そんなこんなで、業者さんにもことの成り行きを説明して
無事、お庭の変更もできました。
ご入居後しばらくしてから
庭、つくってよかったよ。
娘も毎日楽しそうに庭で遊んでるし、
嫁と野菜作って、いろんなことを覚えて教えてくれる。
野菜を食べるようにもなった。
僕も休日には草抜きを手伝って
家族でこんなふうに過ごすとは思ってなかった。
ありがとう。
というご連絡が。
この上ない幸せなご報告でした。
お打ち合わせのたびに見ていた、お子様への声かけも
なるべく手足を汚さないように、散らかさないように(手がかかるから)
遊びに制限をかけておられる事が多かったので、確かにこんな暮らしは想像できないお客様でした。
この時、恩師の言葉をまた思い出していました。
こんなにも暮らしを変えてしまう。
子育てに対する概念までひっくり返してしまう。
豊かな時間を過ごされていることへの嬉しさと
体験するはずのなかった時間を体験していただけていること
環境の持つチカラに感動すると同時に
それを生み出していく責任の重さも感じました
想いを込めれば空間は答えてくれる
だからこそ、お互いに本音でぶつかり合うことが大切だと思うのです。
別に揉める必要はないけど😆
必ず「想い」を込めれば込めるほど、空間は答えてくれる
ことを
その後もいくつも経験してきたので
きっとそうなんだろうな。って思います。
たまにはちゃんと
ケンチクのウンチクも書こうと思います。
建築ネタは溢れてくるので、最後までたどり着けるが心配やったけど。
たどり着けた!
8日目!
長いのに気長にお付き合い、ありがとうございました〜❤︎
目にしてくれた人の心に
ちょこっとした小さな灯りにでもなれば
これ幸い
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