新規2領域のSEO奮闘記
こんにちは!株式会社エイチームライフデザインでコンテンツマーケティング/SEOを担当している豊嶋です。
昨年8月から、暮らしの「まよい」を解決する情報メディア「イーデス」のFX領域・暗号資産(仮想通貨)領域を受け持っています。
新卒入社から4年以上自動車関連事業に携わった後、新規で立ち上げる2領域のSEOで売上を伸ばすというミッションを引き受けて、現在所属するチームに異動しました。
上記をメインで担当するのは私一人という状況で、「記事の順位がなかなか上がらないし、売上が伸びない」「やるべきこと・やりたいことがたくさんあるけど手が回らない」という悩みを抱えながら試行錯誤してきました。
今回は、新規2領域を担当する私が成果を最大化するためにやってきたこと、たくさんの課題と向き合う中で大事にしていることを紹介します。
ミッションを受け持った当時の状況
昨年の8月に今の部署に異動した私は、「イーデス」内に新規で設けるFX領域・暗号資産領域のSEOを担当していくことになりました。
必要に応じて同じチームメンバーの協力は得られるものの、コンテンツマーケティング職で新規2領域に深く関わるのは私一人であり、下記のような状況でした。
一人で2領域を担当
明確な対策方針は決まっていない
まだ全く記事を公開していない
次月から売上予算が課せられている
商材知識はゼロ
(こうして列挙するとなんだかだいぶ無理がある気がしてしまいますが、当時はさほど深刻ではなく「やるしかないっしょ」という気持ちでした)
新規領域立ち上げの計画自体は前々から進んでおり、既存事業の担当者が売上予算の作成や新規記事公開の準備を進めてくれていたので、状況のキャッチアップと引き継ぎから始めました。
とはいえ、もともと工数をあまり割かない方針で準備が進められていたため、腰を据えた調査や分析はされておらず、必要最低限の計画のみが立てられている状態。
一方で、競合サイトをベンチマークして順調に伸びていく予算が引かれており、まだ記事を公開していないにもかかわらず次月から売上をつくる想定になっていました。
SEOは他の集客手法と比べて成長に時間がかかること、一人で2領域を担当することを考えるとなかなかハードな状況です。
さらに、ミッションを引き受けた時点で、FXと暗号資産についての知識はほぼゼロ。商材知識をもっているから任されたというわけではなく、むしろまわりの人からは「FXや仮想通貨をやっていそうなイメージがない」と何度か言われたことを覚えています。
伸びしろだらけの状況にやりがいを感じる一方で、新規領域の担当が初めてということもあり、「自分に務まるのだろうか」という不安な気持ちもありました。
成果最大化のために取り組んできたこと
売上を伸ばすためには、イーデスの記事を検索結果の上位に表示し、より多くの人に見てもらい、記事内で紹介するサービスを使ってもらう必要があります。
前述した状況をふまえると、目先の売上予算を必死に追いかけつつも、今後の事業成長のために改めて戦略を考える必要がありました。
できる限り大きな成果を出すために、下記のことを並行して実施していきました。
戦略策定
新規記事の作成
公開した記事の改善
商材知識の習得
どれも目新しいものではありませんが、具体例を挙げながら紹介します。
戦略策定
新規2領域を引き継いだ当初は、最低限の記事作成計画があるとはいえ、時間をかけて練られた戦略があるわけではありませんでした。
自社サイトの勝ち筋はどこにあるのか、限りあるリソースをどう配分していくべきなのかを改めて考えるために、市場や競合サイトの状況把握を進めました。
検索数が多いキーワードはどれか
競合サイトがどんなキーワードでトラフィックを得ているのか
売上につながりやすそうなキーワードはどれか
ツールを使ったり実際に検索結果を見たりしながら、まずは上記のような観点でキーワードを洗い出しました。
そして洗い出したキーワードをいくつかのカテゴリに分類し、どのサイトがどんなキーワードでトラフィックを多く得ているのか、競合サイトの表示傾向を把握していきました。
DR(ドメインレーティング)や指名検索数などとも照らすことで、どのサイトがどういう強みを持っているかが見えてきて興味深かったです。
自社サイトと似たような特徴をもつ競合サイトの表示傾向を確認しつつ、自社サイトの立場や強みを活かして上位を狙っていけそうなカテゴリはどこなのかを見極めながら、記事作成計画に落とし込んでいきました。
新規記事の作成
2領域それぞれの戦略策定を進めている最中にも、達成すべき売上予算が立ちはだかります。戦略が見えていないからといって、記事を公開しないわけにはいきませんでした。
どういう記事を作っていくべきなのかの見通しが不透明な中でしたが、今後必要になるテーマの見通しやその時点で得られていた情報から対策キーワードを決め、新規記事作成も進めていきました。
また、前任者が作成を進めてくれていた記事がいくつかあったため、それらの公開準備も進めました。
闇雲に記事を作っても売上を得られるとは限らないため、最初は「うまくいくのだろうか」という不安がありましたが、確からしい戦略が見えてきてからは迷いなく記事を作っていけるようになりました。
公開した記事の改善
着実に記事を増やす一方で、公開した記事の改善も実施しました。
ただ記事を公開しただけで売上につながることはほとんどなく、より多くの人に見てもらい、満足してもらうためには改善を重ねることが必要です。
長い時間をかける余裕はないため、工数対効果が高そうな施策に絞って対応しました。
Google Search Consoleで記事公開後の流入キーワードを確認し、タイトル・ディスクリプションをチューニング
Microsoft Clarityでヒートマップや動画を確認し、構成を変更(よく見られているコンテンツを上に配置)
検索結果や競合サイトをよく観察し、リッチな視覚コンテンツのニーズが大きそうな記事に画像や動画を挿入
上記は一部の例ですが、積み重ねることで多くの記事の検索順位を上げていくことができました。
ただ、たくさんのタスクがある中で施策実施の時間をとることは簡単ではありません。他のことに追われて後回しにならないよう、日々小さな施策でも世に出すことを決めて、毎日30分の時間をあらかじめ確保(カレンダーに登録)することにしました。
予定を設けておくことで、コンスタントに施策を行えるようになりました。小さな変更でもすぐに効果が現れるケースが多く、モチベーション向上にも有効だと感じています。
施策の効果が目に見えるのが楽しくて、朝起きてすぐに「そろそろクロールされたかな?昨日の施策どうだったかな!?」と検索してしまうこともありました😉
商材知識の習得
ここまでで紹介した取り組みを行うためには、商材知識の習得ももちろん必要です。
もともとFXや仮想通貨についての知識が全くない状態だったため、知らないことが多いと一つ一つの仕事のスピードが落ちてしまうこと、最新の情報を取りにいかなければ市場の変化に追いつくことができないことを痛感しました。
自分自身がFXや暗号資産について詳しくなるために、下記のようなことに取り組んでいます。
Google アラート・SNSを活用
記事内で紹介するサービスを実際に利用
経験者や有識者に体験談をヒアリング
世の中にある記事や動画を見漁る
Google アラートで「ビットコイン」「仮想通貨」等のキーワードを登録したり、X(Twitter)などのSNSで有識者をフォローしたりして、能動的に検索をしなくても自動で情報が手に入る仕組みをつくっています。
また、自ら実際にサービスを体験してみることも大切です。担当領域によっては難しい場合もあると思いますが、当事者になることでユーザーの疑問やニーズへの理解が深まると思っています。
さらに、身の回りにいる経験者や有識者の話を見聞きすると、自分にないさまざまな観点に触れられます。
上記のことをおこなって知識がついていくとともに、以前よりもユーザーのニーズが見えてくるようになりました。良いコンテンツを作るためには、自分自身が扱う商材について詳しくなることが欠かせないと改めて感じています。
以上が、この半年間で実施してきた主な取り組みです。次は、新規領域を担当して多くの課題に向き合う中で得た気づきや、日々大事にしていることを紹介します!
新規領域に挑戦するうえで大事だと思うこと
この半年間を振り返り、特に大事だと感じることは下記の2つです。
短期視点と中長期視点のバランスをとり、柔軟な判断をすること
まわりの人を頼ること
短期視点と中長期視点のバランスをとり、柔軟な判断をすること
短期視点と中長期視点のバランスをとることは、常々意識しています。
今回の私の担当領域では、新規領域でありながらも早くから一定の売上予算が定められており、短期的な数字をしっかりと追いかけながら長期的な戦略を考える必要がありました。目先の数字を追いながら、腰を据えて先の見通しを立てる時間をとらなければいけない…という状況です。
それぞれの領域の予算達成状況によっても適切な動き方が変わるので、長期視点も含めて「トータルでの成果を最大化するために今何をすべきか」を常に自分に問いかけて行動しました。もちろん、下記のように悩むことも多々あります。
予算達成のためにまずはどんどん記事を作りたいけれど、見通しが足りない‥‥闇雲に作るのもよくないし‥‥
ガッツリ時間をとって調査や分析をしたいけれど、外部ライターさんが作ってくれた記事の確認もしないと‥‥
一人じゃ手が足りない‥‥分身したい‥‥!!!
新規領域のSEOでは特に、実際に記事を出してみないとわからないことも多々あります。想定以上に上位表示ができるケースもあれば、なかなか順位がつかないケースも珍しくありません。検討工数ばかり膨らむことを避ける意味でも、時に「まずはやってみる!」という勢いも大切だと思います。
実行して見えてきたこともふまえながら、その後の対応方針やリソース配分を柔軟に判断するように常々意識していました。一つのやり方に固執せずに必要に応じて見直しを行うのは、新規領域に限らず、すべての仕事をするうえで大事なことだとも思っています。
まわりの人を頼ること
新規2領域をほぼ一人で担当して改めて感じたのは、まわりの人を頼ることの大切さです。やるべきことややりたいことが山積みの状況にもどかしさを感じる中で、たくさんの方々に助けてもらいました。
チームメンバーの手を借りる
外部パートナーに協力してもらう
スキルや知識が足りない部分を上司や先輩に相談する
他職能と協力してさらに高い成果を追う
チームメンバーの状況を聞きつつ一部の仕事を巻き取ってもらったり、外部パートナーの方に依頼の範囲を広げられないか相談したりと、自分が価値発揮をすべきところに力を注げるように考えて動くようにしています。
また、私自身、新規領域の戦略策定は初めてで不安を感じることもありました。少しでも効果的な方法をとるために、社内にある資料・ノウハウを探したり、高いスキルを持つ先輩方に相談したりしながら進めていきました。フィードバックをもらう中で学ぶことが多く、自身の成長にもつながったと感じます。
他職能のメンバーとの協力も必要不可欠です。みんなで成果を大きくするために、相手がプロである部分を頼ること・遠慮なくリクエストを出すことを意識しています。その際、相手の前提知識への配慮や共通言語で話すことを大事にしていました。
最初は自分でなんとかしたい気持ちもありましたが、仲間の力を借りるからこそスムーズに進むことがたくさんあります。
何事も無理に自分の力でやろうとせず、事業やチームを主語に置いたうえで、適切な分担や進め方を考えることが大切だと実感しています。
おわりに
改めて振り返ると、戦略策定と一定量の記事作成・改善をほぼ一人で並行して行うのはやはり難しかったと感じますし、最適な進め方ができているかは今でもわかりません。
反省点はたくさんあるものの、時にはまわりのメンバーに助けてもらいながら、なんとか少しずつ売上を伸ばしていくことができています。
まだまだ伸びしろだらけの現状に力不足やもどかしさを感じる場面もありますが、やりたいことがたくさんあってワクワクする日々です。
似たような立場にいる方の参考になっていれば幸いですし、「あるある」「わかる~」と読んでいただけていたら嬉しく思います!
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最後までお読みいただきありがとうございました!