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ヘボコンで作ったロボットの解説




ヘボコン2023に参加しました。

うっすらと参加してみたいなーという気持ちは以前からあって、なんとなく応募してみたら当選してしまったので大慌てでフォロワーをチームに誘いました。当選してまず考えたのが滑った時の責任の分散だったので。

我々のチーム名は「星を落とすもの」、ロボット名は「メチャワルイマジユルセンロボ」というもので、自らを追放したロボット学会への復讐を目論む悪の組織という設定を引っ提げて出場しました。

公式ライブ配信より引用。左はメンバーのとーにさん

悪の組織のロボということで、とにかく悪逆の限りを尽くすことをコンセプトに製作していきました。
そして産まれたのが、様々な「悪の要素」を搭載しまくったメチャワルイマジユルセンロボなのです。

当日はすごく楽しかったのですが、一つだけ心残りになっていることがあります。
それは、ロボットの設定を本番で説明し切ることができなかったこと!

実際にロボットを見て頂いた方ならお分かりかと思いますが、このロボットはステータスの全てを「設定」に全振りしています。必殺技や特殊な機構などはなんら持ち合わせていません。

これは言い方を変えれば「悪いことの大喜利」がこれでもかと詰め込まれているということです。製作陣のアイデア出しが地獄の工程であったことは想像に難くないでしょう。

そんな血涙を流して放り出した渾身の大喜利の数々を、持ち時間のことを全く考慮していなかったばかりにそのほとんどを闇の中に葬ってしまったことは悔やんでも悔やみきれません…!

そこで今回は、現地で紹介しきれなかったこのロボットの設定を詳しく紹介していきたいと思います。
本当に1ヶ月これだけに打ち込んだんです。紹介つったって初戦敗退の地味ロボットじゃねえかと言わず、温かい目で見ていってくれや……。

▼違法配信

いきなりピリッとする見出しですみません。
まず目を引くのはこの大きな額縁ではないでしょうか?
右下にはスマホが取り付けられていますが、このスマホは録画状態になっています。つまりこいつは本大会をリアルタイムで違法配信しているのです。どうです。悪いでしょう。

しかし額縁の中には"あの画面"を作って著作権を散らし削除されないようにいるので、誰にもこの違法配信を止めることはできないのです。小賢しい部類の悪。

実はこの画面、よく見ると謎のQRコードが貼られているのですが、恐らく会場で気づいた方はいなかったんじゃないかなと思います。

これはとある極悪ページに繋がっているのですが、ややホラー要素を含む内容になっているので自己責任での閲覧をお願いいたします。


ちなみにこちらのページ、本当は架空のソシャゲの架空のアカウント転売サイトを作って、そこに遷移するようにしたかったのですが、流石に準備が間に合わず妥協した形になったので、そこは少し心残りでした。

また、こちらの違法画面(額縁)を固定するためにマスク箱を台座にしているのですが、

このように、転売に失敗した形跡があるのもポイントです。

▼ボディ

機体の前面に100均で購入したゴミ箱のミニチュア(なにそれ)を取り付け、無数の針を生やすことでマッドマックスを彷彿とさせるようなビジュアルにしました。

モチーフの悪さも勿論ですが、ゴミ箱の入れ口がカフェのカップで塞がれているという悪の小ネタにも注目して頂きたいところです。

また、針山については紙ストローの是非が激しく論じられるこのご時世にプラスチックストローをこれでもかと使用しているのも結構悪いですね。(※実際には、全て使用済みのストローを洗浄して再利用しています)

▼コックピット

4匹の捕えられたちいかわは凶悪性の誇示だけでなく、相手の情に訴えて攻撃を躊躇わせる精神攻撃の役割も兼ね備えています。

そしてコックピットに搭乗しているのは、どこかで見たことのあるピンクのウサギです。
私もよく知らないのですが、彼は前職で勤めていた会社が結構悪い会社だったらしく、居場所を失い酒場で酔い潰れていたところを我々が悪のシンボルとしてスカウトしたという訳です。

▼アーム(機体左側面)

武器の説明を。

このロボットにはそれぞれが凶悪な力を持つ6本のアームが取り付けられています。
画像の数字に対応するアームを順を追って説明していきます。


このアームが握っているのは無数の武器(お弁当のピック。最近のお弁当のピックはすごい)です。
こちらはシンプルに暴力を象徴しています。舞台上で他のアームを説明する時、"フリ"になることを期待して、唯一の真正面からの悪として採用しました。まあ実際はそんなことに時間を使う余裕はありませんでしたが。
決して「悪ネタ」の数合わせではありませんよ。


見づらいですが、袋詰めにされた黒い粒々を握るアームです。
この粒々はバジルの種で、この機体にダメージが入ったが最後、飛び散った種がたちまち発芽し東京カルチャーカルチャーを永遠のジャングルへと変貌させてしまうという、恐るべきバイオ兵器となっています。まあ実際に入ってるのはただの黒いビーズなのですが。


恐怖の化学薬品を噴射するスプレーが握られたアームです。
一体どんな薬品が使われているのは謎に包まれているのですが……

公式ライブ配信より引用

一説によると、2023年8月26日時点でこの世で最も極悪な液体とチューブの先が繋がっているとかいないとか……。



▼アーム(機体右側面)


これは、その辺の地面で立ち尽くしてたスズメを勝手に保護してきたという悪。
モト冬樹が同じことをしてめちゃくちゃ炎上した、あの伝説の極悪エピソードを参考にさせて頂きました。


謎の家族写真です。
ここに写り込んでいる人物、どこかで見覚えはないでしょうか?

ヘボコン主催者の石川大樹さんとそのご家族(?)


石川さん。
奥さんはお元気ですか?お子さんは来年で小学生らしいじゃないですか。ご子息の晴れ姿が見たいのであれば……分かりますよね?

そういうことなんです。


これはもし決着がつかなくて勝負がじゃんけんに持ち込まれた時、必ず勝てる手を搭載しています。悪っていうかセコいですね。
お気づきかと思いますが、この辺りまで来ると我々の大喜利脳もショート寸前なのです。

ロボットの機能説明としてはこんなところでしょうか。

ちなみに地面に転がってるおにぎりは移動する時に食べ物を踏んだら悪すぎるからという理由で用意したもので、最早ロボットの機能でもなんでもないです。「状況」です。大喜利に困窮した我々は最終的に「状況」を作るに至ってしまいました。

さて、今なら胸を張って言えますね。
全部説明できる訳がないだろ。


試合開始前にデイリーポータルZの林さんがこの作品に興味を持ってくれて、ツイートなんかもしてくれたりしてすごく嬉しかったのですが、そんな林さんさえ「どこまで設定を説明できるかが鍵ですね」と言ってましたし、僕も「そこなんですよ」と頷くしかなかったです。

こんなことをやってる暇がある訳ないんだよ。

▼感想

イベントの参加レポートにつきましては、相方のとーにさんが詳しく書いてくださっていますので、是非読んでください。

この人はレポ記事の面白さに定評があるのでこの手の記事はマジで読みやすいし、今後ヘボコンに参加してみたいなんて方も参考にできる内容になっていると思います。


まあ自分の感想も少し書いておくことにします。

まずは無事完成して舞台に上がることができて良かった!!
今まで配信の画面でしか観たことのなかった大会に自分がプレイヤーとして参加することにはワクワクもありましたし、それ以上にプレッシャーもありました。

「滑りたくねえ…」「ウケてえ…」
あの当日までの不安な気持ちからようやく解放されたことにとにかく胸を撫で下ろしています。

ただ、設定を説明し切れなかったこととは別にもう一つ心残りがあります。それは当日結局ロボットが動かなかったことです。


実は当日の朝、キャタピラの調子が悪いことが発覚して、試合ギリギリまでその修理を続けていたのですが、結局動かず仕舞いでした。


僕たちのチームはなるべく2人で工作を行う時間を捻出してはいましたが、基本的には代表者である自分が自宅での組み立てを主軸に製作を進めていました。

そのため必然的にロボットの管理責任も自分にあるのですが、僕がキャタピラが空転してることに気付いたのは当日だった訳です。

ギリギリまで製作が続いていたとはいえ、動力に不調がないか確認することが全く頭になかったのはアホとしか言いようがないし、本当にとーにさんには申し訳の立たないことをしてしまったなと思ってます。

当日ギリギリまで修理を続けても直らなかった時、自分としては「大会の性質上、まあ最悪動かなくてもそれはそれで味かな〜。披露したい姿まで作りきることはできたし〜」くらいに思っていたのですが、とーにさんが現地入りした後も必死で修理しようと試行錯誤する姿を見ていると、自分の管理不足と思い入れの違いが際立っていくようで、胸が締め付けられる思いでした。本当に申し訳ありませんでした。

そんなとーにさんですが現在は、あれだけ衣装に気合を入れたのにも拘らず、誰からもファンアートを描いてもらえてないことを強く憤っています。いいですか、とーにさんはファンアートをご所望です。

機嫌を直す一助だと思ってファンアートを描いてくださる星屑(星を堕とすもののファンの総称)を広く募っております。我々初戦敗退だけど、ファンがいることを信じてダメ元でお願いしてみます。何卒、何卒!!

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