フードディフェンスを考える③ ~犯罪は想定の上を行く!?~
こんにちは! あたたけ です。
引き続き『フードディフェンス』の話です。
前回はフードディフェンスを『食の安全を確保する取り組みの1つ』と捉え
『食の安全を確保する』ための基本的な考え方は
『ルールを決める、決めたことを守る』で、
これはPDCAサイクルで進めるというような話でした。
ということで、今回は『ルールを決める』について考えてみます。
さて、『ルールを決める』には何が大切なのか?
一言でいえば
『目的に対し、妥当性のあるルールを作る&有効性があったか検証する』
となります。
特にルールを決める時点では『妥当性』を考えることが大切です。
と、簡単にまとめてしまいましたが、これが中々に難しいんですよね。
そのための有効な手段が『HACCP』と言えるでしょう。
で、当然、HACCPをフードディフェンスにも応用?しようとするわけです。
これが『TACCP(Threat Assessment Critical Control Point)』ですね。
日本語にすると『脅威の評価と重要管理点の管理』くらいでしょうか。
で、TACCPではどのようにフードディフェンスを進めていくのか。
とてもとても簡潔にまとめると、以下の通りです。
『潜在的な脅威を特定する⇒評価する⇒軽減方法を決める⇒実施する』
HACCPと同じ流れですね。
ちなみに、TACCPが示されたガイドライン?『PAS 96』には
『脅威』としては色々と例示されていますが、
『意図的な汚染』をメインに考えればいいと思います。
『偽装』『粗悪品』はアレルゲンなどの理由から
安全性に関わる可能性もありますが、
『サイバー犯罪』や『スパイ活動』による情報流出、
『強要』による金銭被害はさすがに安全性とは違うような。。。。
そこまでを『食の安全』で考える必要があるのか少し疑問です。
会社として被害が出るのは同じではありますが、
あまりにも性質の違うことを同時に考えるのは
ちょっと難しい気がします。
まぁ、そもそも、フードディフェンスを
『食の安全』担当者が主導するのが間違っていて、
『防犯』担当者が主導した方が良いのかもしれませんね。
さて、そもそもあたたけが疑問に思うのは
『意図的な、悪意をもった行動(≒犯罪)を事前に想定できるのか』
というものです。
まぁ、世の中、似たような犯罪というものは良くあるのでしょうが、
本来、犯罪をする人っていうのは、
『犯罪の結果』はバレてもいい(積極的にバラすこともある)けど、
『犯罪の実行場面』はバレないようにするはずなんですよね。
実行時点でバレたら捕まって終わり、全く意味がなくなりますからね。
ということは、いろいろと防犯体制を整えたところで、
本気で犯罪を起こそうとするのであれば、
防犯体制をかいくぐろうと事前に下調べをするわけですよ。
防ぐ側の対策(フードディフェンスの取り組み)自体は、
多かれ少なかれ相手にはバレてしまいます。
特に、防犯ではなく、食品安全の延長で考えるような対策であれば
そんなに複雑?なことは考えませんので、たぶん。
『手の内が知られている』という時点で、防ぐ側の方が不利なんですよね。
うーん、やっぱり、フードディフェンスを真正面から考えるのであれば、
PAS96の示唆に従い、『防犯』として捉えないと難しいのか。。。。。
このことを言い換えれば、
『いくら潜在的な脅威を特定し対策を立てたところで、
その対策が無意味になるような手段で、意図的な汚染を起こす。』
ということじゃないのかな?と思います。
現状の対策が無意味になるような手段、
つまり『想定外の手段』を延々と想定し続けるって、
苦痛でしかありませんし、無意味にも思えてきます。
たぶん、この程度のこと、多くの方は気づいています。
(どこまで具体的に言葉にしているかは別にして)
なので、フードディフェンスって意味あるの?となり、
いつの間にか話題に上がることが減っていったのかな?と思います。
それでは今回はこの辺りで。
次回は『フードディフェンスってしなくていいの?何をすればいいの?』
ということを考えてみます。
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