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2023年読書記録

2024年になりました。本年もどうぞよろしくお願いします。
すっかり記事の更新が滞ってしまいましたが、今年は学びの記録も記事などの形で蓄積していきたいです。
記憶が新しいうちに、昨年読んだ本・読み切れなかった本を振り返っておきたいと思います。

①倫理
昨年は、思想系の本に触れる機会が少なかったのが残念です。その中でも、『暇と退屈の倫理学』『野の医者は笑う』『謝罪論』はいずれも読み応えがあり面白かったです。
『暇と退屈の倫理学』は、『スマホ時代の哲学』とセットで読んだことで色んな発見がありました。勤務校におけるスマホの扱いで難儀した一年でもあったため、特に印象に残っています。
『野の医者は笑う』は、沖縄のヒーラーに体当たり取材を行った東畑さんの出世作。個人的には東畑さんの著作の中で一番好みでした。
『謝罪論』は、今や入試国語・現代文の定番となった古田さんが「謝ること」について緻密な探究を行った著作です。きちんと消化できている気はしませんが、『責任の生成』などと共に折に触れて読み返したい一冊です。
『公衆衛生の倫理学』と『予防の倫理学』は読み切れなかったので、次年度以降に倫理の授業を担当するタイミングがあれば読み込んで授業に活かしたいところです。

②地理
2023年度は高1地理総合を急に担当することになり、慌てて地理の勉強を始めました。まだ消化しきれていない内容は多々ありますが、ようやく地理が少しずつ面白いと思えるようになってきました。
地図・GIS分野は、『デジタル社会の地図の読み方』『地図リテラシー』の2冊が授業作りのヒントになりました。
防災分野は、『今こそ学ぼう地理の基本:防災編』が役立ちそう。出版のタイミング的に今年度ほとんど活かせなかったのが悔やまれます。1月1日に能登半島地震が起こりましたし、地理総合の授業内で防災教育をどう扱うかは今後の大きな課題ですね。もう少し練り直しが必要そうです。
宗教分野は、パレスチナ問題から入って一神教(ヘブライズム)をざっと紹介する流れで扱いました。パレスチナ問題は生徒の関心も高く、このタイミングで取り上げる意義があったと思います。『エルサレムの歴史と文化』は地理・世界史どちらにも活かしやすい良書でした。
あとは、昨年末に出版された『大学の先生と学ぶはじめての』シリーズも次年度以降に活かしたいなと思っています。

③世界史
昨年の授業で、高3世界史が最も難儀しました。完全詰め込み型の受験指導からどう脱却するかでかなり苦心しましたが、大学時代の友人から紹介してもらった『世界史との対話』を読み込み、小川先生の授業を長野まで見学に行けたことは大きな収穫でした。
その後は、『世界史とは何か』『検証 ナチスは良いこともしたのか』『移民国家アメリカの歴史』など、読みやすいものから少しずつ手を付けている状況です。世界史の本は慣れておらず読むのに時間がかかるのですが、小川先生の本を糸口としながらさらに学びを進めていきたいと思います。

④その他
①~③以外の分野で印象に残った著作を、雑多に紹介します。
『正解のない教室』は、リベラルアーツについて知る・考えるためのネタを随所にちりばめたヒント集のようで、101のキーワードのうち気になったものを拾い読みするだけでも十分面白いです。
『東大生、教育格差を学ぶ』は、東大前期課程で『現場で使える教育社会学』をテキストにしながら行われたゼミの記録。自分が学生の時にこのゼミが欲しかったなぁとしみじみ思いました。
『ボードゲームで社会が変わる』は、何気なく読み始めたら引き込まれた一冊でした。この本のおかげでボードゲーム熱が再燃したので、今年はボードゲームの活用法についてより探究していきたいです。


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