伊豆山日記【4】1歩ずつ。
実家の前に積まれている土砂と向き合いながら、いろいろな気持ちが行ったり来たりする。土砂の中にはたくさんのものが埋まっていて、土砂なんだけど、ゴミじゃないというか、いろいろな複雑な気持ちになる。
この土地に呼ばれて熱海に来たと思うほど、伊豆山が好きで、たまたま仕事を通して、伊豆山出身・在住の夫と出会い、最初のデートは伊豆山神社だった。彼も伊豆山を愛している。
私なんぞには計り知れないくらい、この土地で生まれ育ち生きてきたみなさんの気持ちを考えると言葉が出ない。何が起きたのか、いまだにわからない。神様が何かを啓示しているのであっても、この災害は辛すぎる。
家の中の泥を拭いたり、ヘラで落としたり、拭いても拭いてもどこからともなく泥が出てくる状態の中で、家族と話をしながら胸がじんとする。何度も「ありがとう」と言われるが、「家族だから当然だよ」の言葉すら出ないくらい、胸が震える。
キレイにしていくプロセスはとても尊い時間で、このままここに住めるのか誰もが思いながらも、いつでも住める様にキレイにするのだ。愛おしい時間だった。
お盆あけに、重機で家の前の泥をかきだして、また掃除予定。実家で作業している裏手では、まだまだ行方不明者の捜索が続いていた。早く見つかってほしい。
実家はまだ水がきていないので、ご近所さんにお水をもらってタンクに汲んで活動している。トイレもご近所さんにお借りして。すでに自宅に戻れているご近所さんたちと会話する。みんな興奮状態でもある。そりゃこれからがまだ不安で、帰ってこられない地域の人たちへの思いもあって、何に憤りをぶつけてよいのかわからない憤りの中で、日々生きていくことを考えなければならない。
今年の3月に熱海市市民協働室と開催した地域づくり勉強会でお伝えした「話し合いの進め方」を受講してくださった方もいらして、あれをやりたいというお気持ちも聞く。私にできることが少しずつ出てきそうだと感じている。
試練だらけの人生だけれど、役割があるということを信じてがんばるのみだな。おらに力をくれー!と毎日叫んでいる日々ですが、本当に夫の存在、仕事仲間の存在、熱海仲間の存在に助けられて今のわたしがおります。
本当に日々感謝で胸がいっぱいです。ありがとうございます。
2021.7.3の熱海伊豆山の災害により、コロナ禍であることも含め、熱海で働く若者たちの環境はより悪化していきます。そんな若者の自律支援にいただいたお金は使わせていただきます!いつもサポートありがとうございます!