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ホーム・アローンを観る

クリスマスイブということで、この時期に相応しい映画を最近は観ていた。みんな大好き「ホーム・アローン」である。ホーム・アローンは3つの作品があるが、最後の作品は、それまでの作品とは全然つながりがないので、ここでは1作目と2作目に焦点を当てる。

1作目「ホーム・アローン」のあらすじは以下の通りだ。

① クリスマス前夜と思しきケビンの家族は、海外旅行に向けた準備に大忙しの状況だ。10人ほどの大家族で、かつ小さな子供も何人かいるため、それは大変な混乱ぶりだ。そんななか、一人で準備の出来ない本作の主人公ケビンは、家族全員から厄介者扱いをされケンカになってしまう。翌朝、家族はそろって寝坊してしまったため、出発前は準備中以上の大混乱となる。そのため、家族のだれもがケビンの存在が意識の外にあり、ケビンは家に置き去りにされてしまう。

② 家に残されたケビンは、一人だけの生活を満喫する。しかし、近所を含めて住人がすっかりいなくなったため、ケビンの家とその周辺の住宅は空き巣に狙われる。ケビンは知恵を絞ってあらゆるトラップを家中に仕掛け、悪党と戦う。同時に、家族に対するわだかまりも溶けていくのであった。

③ ケビンを置き去りにしてきたことに気付き、急いで自宅に戻ってきた家族とケビンは、無事に再会を果たす。そうして、家族そろって自宅でクリスマスを迎えたのである。

以上が、1作目のあらすじだ。

続いて、2作目「ホーム・アローン2」のあらすじだ。

④ 今回のケビンは、家に置き去りにされることなく、無事に空港に行くことに成功する。しかし、大混雑の空港で家族と離れ離れになり、家族とは別の飛行機に乗ってしまう。

⑤ ケビンの乗った飛行機はニューヨークに降り立つ。憧れのニューヨークに辿り着いたケビンは、ホテルで一人豪遊するも途中で改心する。老舗のおもちゃ屋のクリスマスの収益を狙う悪党と再び対決することになる。ケビンは再び勝利をおさめ、家族との再会を果たす。

⑥ 今回はホテルで、家族そろってのクリスマスを祝う。

各作品のあらすじに一続きの番号を振っていることから予想している方もいるように、1作目と2作目は比較してみると、より作品を味わえるのではないかと思う。

まずは①と④を比べてみよう。①では一人では荷物の準備ができなかったケビンだが、④では準備に追われる家族を横目に早々に準備を済ませている。1作目のラストで、僕は良い子になる的なことを言っており、ケビンが有言実行しているのを見てとれた。ケビンの成長を認識できるシーンで、涙なしに見れない場面だ(笑)

次に②と⑤だ。両作品とも、いかにも怪しい、あるいは恐そう風貌の人物が登場する。ネタバレをすると、どちらの人物も作中でのケビンの最大のピンチを救ってくれる人物だ。そこに至るまでの過程の違いにも、ケビンの成長がはっきりと描かれている。②では、ケビンはその人物を長いこと避けている。兄弟などから、あの人は殺人鬼だといったような噂話を吹き込まれていたからだ。そのため、この人物と打ち解けるまでには一定の時間を要している。しかし、⑤では、初見では絶叫するが、すぐに冷静さを取り戻している。また、②では相手から話しかけることでコミュニケーションが始まるが、⑤ではケビンからその人物に対して声を掛けている。②で会った人物が周囲の人物がする噂話とは異なり、実際に話してみると悪くない人物であるとわかったという経験がケビンにはあった。この経験が、⑤で生かされたのかもしれない。

両作品で印象に残ったシーンは以上の点だが、逆に変わらなかった点もある。上述の見た目は怪しい人物に対して、ケビンが印象的な言葉で相手の背中を押していることだ。特に印象的なのは⑤でのやりとりだ。

「…ハートも使わなきゃ持ってる意味がない。僕のスケート靴と同じ。ムダなものになる。使いたい時に役に立たない。勇気を出して使わなきゃ」

このくだり、突然スケート靴が出てきてビックリする。しかし、引用部のように、しっかりと納得いく説明に着地している。素晴らしいセリフだと思った。

余談だが、「ホーム・アローン2」では、ドナルド・トランプが登場する。本作を見ている時、この作品にトランプさんが出演していることは完全に忘れていた。しかし、彼の容姿は覚えているため、彼が登場した瞬間、「あっ、トランプだ!」と認識できた。個人的には不意打ちみたいなタイミングだったが、ふと笑みがこぼれてしまった。

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なおさん
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