VRchatを活用したイベント「VIRTUAL REMIX JAPAN」の開発における、5つのこだわりをご紹介
VIRTUAL REMIX JAPANは、TOPPAN株式会社の運営する”日本文化発信拠点”をテーマにしたリアルイベント連動型のメタバース空間です。
本施策ではイギリス・ロンドンで開催されるHYPER JAPANと連動したイベントを2023年7月21日~9月18日まで開催しています。
今回のVIRTUAL REMIX JAPANではプラットフォームにVRchatを採用している為、世界中から参加することができ、日本ならではの風景、文化を表現したメタバース空間を構築しています。
ワールドの構成は、
日本のお祭り体験、文化に触れる事ができる城下町ワールド
日本が誇る名城で様々なミッションを楽しむことができる彦根城ワールド
アーティストのライブを伝統的かつ幻想的な演出で見ることができるバーチャルライブワールド
の3つのワールドで構成されています。
弊社では城下町ワールド、彦根城ワールド、バーチャルライブワールド(ステージCGのみ)の制作を担当しています。
各ワールド内では、彦根城を散策できたり、ミッションをクリアするとスペシャルアイテムが貰えたり、日本の伝統的なお祭りとして輪投げ、射的など実際に遊べる屋台、カプセルトイを回してスペシャルアイテムを当てたり、神社やおみくじなどの日本文化にも触れることができます。
たくさんのギミックが盛り込まれているので、海外の方はもちろん、日本の方にも楽しんでいただけるメタバース空間になっております。
言語は日英対応、デバイスはPC、Meta Quest2両方でプレイすることができます。
開発における5つのこだわり
今回の開発では、Meta Quest2に対応させる必要があったため、1つのワールドに対して、非常に少ない容量に収める必要がありました。
そのため制作チームとして、クオリティを担保するために様々な点で工夫やこだわりを詰め込みました。
今回はその中から、5つのこだわりポイントをご紹介させていただきます。
他にもたくさんの工夫やこだわりが施された企画となりましたが、そちらはまた別の機会にご紹介できればと思います。
CGデータのポリゴンを削減
TOPPAN様から支給いただいた彦根城のCGデータはクオリティが高くとても精巧なデータでした。
VRchatに移植する際に容量の関係で相当量のポリゴン数を削って対応しつつ、見た目のクオリティは下げないように10GB以上あったデータから32MBに抑えることができました。距離に応じた解像度の表示切替
解像度と容量の両立を図るため、近いところは解像度を高くしたり、あまり見えない遠くのものなどは解像度を下げたり、距離に応じて適切な解像度で表示する工夫をしました。
ワールドの背景に関しても容量の関係でオブジェクトを置けなかったため、天球の画像データに焼き付けて見た目のクオリティは担保したまま、パフォーマンスと容量の課題を改善しました。 ワールド内の同じようなマテリアルを統合して一つのテクスチャにまとめたり、共同で使えるマテリアルに変更したり、ライトのベイクなども併用して、絶望的なフレームレートからの生還に成功しました。非通信での同期
大人数の接続時の通信の負荷を極力減らしたかったため、通信をせずに同期する方法としてサーバータイムを取得して、その時間をベースに同期ができるような仕組みにしました。アニメーションデータの軽量化
城下町の盆踊りにはUnityのタイムライン機能を使用して演出を行いました。
また、NPCのアニメーションを付ける際にアニメーションデータが重くなりすぎないようにするため、一つのアニメーションデータをタイムライン上で組み合わせることでデータ量を削減しました。ループ処理を同スクリプト内に集約
スクリプトがとても重い(インタラクションができるオブジェクトが100を超える)ため、通常通りに組むと負荷が高くパフォーマンスが出ないので、ほとんどのループ処理を可能な限り一つのスクリプト内に集約することでスクリプトコールによるオーバーヘッドを極限まで減らしました。
日本の文化やテクノロジーなど、多様な面から世界中の方に日本のカルチャーを発信するメタバース体験をご用意しておりますので、ぜひお試しください。
メタバースを使ったコンテンツや広告制作のご要望があれば、ぜひお気軽にご相談ください。
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