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ひょうたん
小学生のとき、担任の先生が
「ひょうたんは面白いぞ!」
と話しだした。
50才くらいの男の先生だった。
教科書の
志賀直哉「清兵衛と瓢箪」
を読んでいたときだったと記憶している。
ひょうたんは毎日磨いてやると段々と艶が出てきて、愛着が湧いてくるのだとか。
「育ててみたい人はいるか?」
その先生は自宅でひょうたんを栽培しているそうだ。
毎日ひょうたんを磨いて、ピッカピカに光らせたら気持ち良いだろうな。
気が付けば、何人かの生徒に混じって、ボクは手を上げていた。
翌日、
先生はひょうたんの苗を持ってきて、希望者に配った。
その日から、ボクはアパートのベランダでひょうたんを育てることになった。
肥料をやって、
毎日水やりをして、
それこそ猫可愛がり様に、両親も呆れていた。
はやくおおきくなーれ。
毎日飽きもせず、ひょうたんの鉢の前で長時間を過ごした。
大きくなって、葉が増えてくると、剪定バサミで何本かの葉を切った。
花が咲くと、その花に栄養を集中させたくて、またチョキチョキと。
そんなとき頭の中では、
ひょうたんがピッカピカに光り輝いていた。
チョキチョキ。
チョキチョキしながら、脳裏の映像に気を取られてしまった。
ほんのはずみで、
その蕾の根元を切ってしまった。
ポトン。。。
あと少しで、
実がなる筈だったひょうたんの赤ちゃんを、
切り落としてしまった。
悲しかった。
無性に悲しくて、頬から雫がこぼれ落ちた……
![](https://assets.st-note.com/img/1738924066-bdSJhZuD09vzGmW4xtwOCfUR.jpg?width=1200)
なんで、こんな大昔の、悲しい出来事を思い出したのだろうか?
仕事帰りに夕食を済ませて、コーヒータイム中だ。
noteを開いたら、この思い出がよみがえってきて、スマホの画面上で指が動き出していた。
バカな、間抜けな話ししか書かないつもりが、指が滑ってしまった。
この寒さのせいかな?
去年の暮に、4年ぶりにnoteを再開して、
なかなか使い方も思い出せなくて、
少しづつ、記事を増やしてきた。
最近やっと使い方も身についてきた。
そろそろ方向性を定めなくては。
春が来る前に。