21.11.21 山羊のいる庭で
初めてサイン会というものに参加しました。
あの瞬間を思い出すたび僕の胸は脈打って血液が沸騰し、脳は酸素が欠乏して瞳が滲むのです。
まるで恋のようだ。
いえ、そんな甘く或いはほろ苦いなんてものではい。
月の光しか知らないような、美しい美しい世界を夢想して、そうやって生きている人間が本当に存在していました。
緊張して何も言えなかったけれど、僕はあなたの絵はもとより、言葉、すべての根元の夢想が好きです。
こんな空虚な僕のような子羊ばかりの世界の隣に、山羊のいる庭が、もう一つの世界があるから、僕はこうして生きていられるのです。
Vanitas vanitatum omnia vanitas.