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なかがわ あすか
2018年9月23日 14:33
ふいに目が覚めた。午前4時、夜と朝の境界線。窓の外は、ほんのりと明るい。隣では、彼がこちらに背を向けて寝ている。心地よい微睡みの中、半分手探りのような状態で後ろからそっと抱きついた。小さな寝息と規則正しい心臓の音が、背中越しでわたしの耳に届く。ああ、生きている、と思った。彼は生きている。その事実が、決して当たり前なんかじゃない日常が、この瞬間が、急に愛おしくなって、泣きたくな