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収穫日前日の悲劇
3か月かけて育てる極ほうれん草。
特に今年は播種時に雨が降らず毎日動噴を使って散水の日々でした。
朝晩500Lタンクに水を満タンにして圃場に散水。乾くと土が固くなるので手で起こす日々を経て喜びの収穫が始まる時でした。
前日に端が少しヒヨドリに食べられており嫌な予感はしましたが、まぁすぐに収穫するからいいだろうと放置しておりました。
明後日にあるマルシェに出そうとSNSを使って出荷案内を出して準備を整える。
翌日は朝から枝豆の定植もありバタバタと過ごして14時に畑を見に行きました。軽トラで農道を颯爽と走り圃場近くになった時でした。
100羽以上のムクドリが私の圃場からバサバサと飛び立ちます。
『これはヤバい…』
心の中でつぶやく。
ヒヨドリは群れをなさないが、ムクドリは群れで動く。
急いで圃場を見に行くと…
完全にムクドリの攻撃を受けた後でした。
葉先の甘い部分は全てかじられており、畑一枚全滅。1週間分の出荷予定だったほうれん草は全て無惨な姿になっていた。
言葉を無くし呆然と畑に立ちすくむ。
もちろん腹も立った。
しんどかった土作り、播種、散水、中起こしなど走馬灯のように脳裏をめぐった。
マルシェ案内SNSは全て削除。
予約が入っていた飲食店さん、お客さまに急いで連絡をした。
師匠に報告したら、今年は寒いから餌がないんだろうな…と。
怒りの矛先はどこにもない。
イライラは収まらないがもう済んでしまったこと。腹に収めるしかないのだ。
これが露地栽培なのだ。
バカボンのパパも筋肉少女隊も言っていた。
『これでいいのだ』
そう
『これでいいのだ!』
お腹空かした鳥たちを救ったのは紛れもない私だ。そう思うことにした。
そう思った矢先に事件を知った友人らから連絡があり
『ムクドリほうれん草w買うから準備しといて』と。
翌日から3日間、友人ら30人ほどか遠くから買いに来てくれた。ワンコインで良いよ!と言っても『義援金じゃ』と余分に皆がお金を置いていく。昼飯まだやろ?と弁当🍱を持ってきてくれたり。もうね、マジで泣きそうだった。
せっかくの機会だからと
『子ども食堂に持ってくよ!』
『ボーイスカウトのミーティングあるから子どもらに配るよ!』
など嬉しい言葉をたくさん浴びた。
確かに悲惨な出来事ではあったが、カッコいい大人たちをたくさん見させて頂けた。
ムクドリに感謝せねば🥲
とはいえ、少しまだ腹は立っているw