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【読書感想文】『亜美ちゃんは美人』がかなり刺さりました

こんにちは、小谷りなです。
本日は初の読書感想文となります。

先日、「綿矢りささんの作品良いですよ~」と勧められ、お話が2篇入った『かわいそうだね?』を購入。『亜美ちゃんは美人』はここに入った2つ目のお話だった。

とにかく、刺さった。

きっと女性なら、刺さった人が多かったのではないか。

大きなネタバレは伏せつつ、今日は自分の実際の体験談も交えて綴ります。


いつも「二番」の主人公


亜美ちゃんという飛びっきり美人の女の子の友達が主人公。

主人公は亜美ちゃんとはタイプが違うが、一般的にはとても美人な方だった。しかし、亜美ちゃんが常に隣にいたため、みんなが亜美ちゃんに注目し、主人公はいつも蚊帳の外状態。苦い思いをしているのだった。

まずこの設定。

本当、他人事とは思えない程リアルですよね。笑

主人公は亜美ちゃんを疎ましく思う時期もあったが、なんだかんだで亜美ちゃんの方は主人公にべったりだったのです。

常に亜美ちゃんの引き立て役だった主人公。亜美ちゃん目当ての男子たちにひどくいじられ傷つく描写があったり、とても心が痛かった。

しかしきっと男の人が思うほど、女同士のなかに”役割”があるわけじゃない。

この一文が私には重かった。


私も、主人公のような思いをずっと持ち続けていた。
私は主人公のように二番手になれるような美人ではないが、友達は小中高大学までそれぞれ、いつも美人な子が隣にいたのだ。


友達と二人でいると必ずと言っていいほど声をかけられたが、みんな私のことは見ていなかった。

友達との写真をSNSにあげると、男友達から「その子紹介して!」と連絡がきた。

話したことのない先輩から連絡がきたと思ったら、友達は最近何してるのかという確認だった。


いつもおまけだった。
私が声を発するのは、あいさつ程度だ。

別にモテたいわけじゃない。
私は友人の連絡係でもマネージャーでもない。
私に興味がある人なんていないと、いつも思っていた。


そんな苦い思いはしつつも、友達のことは大好きだった。

可愛くて、愛嬌があって、明るくて、おしゃれで、おもしろくて、私が勝てるところなどなにひとつない。私自身、彼女たちと一緒にいて楽しかった。友人は好かれるのも当然だと思う気持ちと、みんな自分には興味がないと悲しむ気持ちが、常に入り混じっていた。


なんでいつも友達美人やねん

なんで環境変わっても毎回友達は美人やねんと、本当、毎回ツッコミを入れたくなるが、これもこの本を読んですっきりした。

私は、美人を、美人扱いしないのだ。笑

顔立ちが良いことはわかっているが、彼女らの魅力は別に顔ではない。私からすれば、彼女らは内面の方が顔よりとっても魅力的だった。一人の大事な友人だった。顔なんて正直どうでもよかった。

いつも自分ばかり注目される中、「媚びない」「容赦ない」私の姿勢が、彼女らにとったら居心地が良かったんだろう。



今の私

そんな私も、長い学生生活を終え、少し気持ちが落ち着いてきたようだ。
今では、私のことを誰よりも可愛いといってくれる彼氏だっている。というか、両親は生まれた時から私を可愛がってくれていた。


それでも、年頃の女の子が負った傷は深かったのだろう(笑)

隣にいた友人が枝のように細かったおかげで、未だに自分は太っていると勘違いしていた

体重は(身長-110~111)キロだし、右手薬指のサイズは6号だ。モデル体型ではないかもしれないが、太ってはいない。


また、ずっと自分は目立たない存在で、地味だと思っていた

自分は可愛くない
自分は目立たない
自分には華がない
自分はダサい

というマイナス思考がずっとずっと渦巻いていた。
だからパーソナルカラー診断も行ったし、顔タイプ診断にも行ったのだ。笑

でも思い返してみれば、私のこれまでの人生、老若男女問わず、「かわいい」「華がある」「おしゃれ」と、たくさん言われた人生だった。まあ中にはお世辞もあっただろうが、美人な私の友人たちは、みんな口を揃えるかのように「小谷りなはかわいい」と褒めてくれていた。自分は目立たないという意識から自分磨きは始まったように感じるが、その成果が出ていたのだろうか。

そう考えると、原宿系ファッションなどの攻撃的な服を着ていた頃の私は、どうにかして誰かに振り向いてほしいという承認欲求だったのかもしれない。まあ確かに服装やヘアースタイルのお陰で、声をかけられたり、覚えてもらったりすることは増えた。もちろん、モテはしなかったけど。。。

可愛さで注目されないなら、もっと積極的になって行動で注目させる!!みたいな発想にも至らなかった。さすがにそれをすると、女友達は離れていきそうやし、やりすぎると敵を作ることにもなりそうなので、努力の方向がそっちに走らなくてよかったとは思っている。




でも、「可愛くない」と思っていた自分とも、そろそろさよならしようと思う。

せっかく彼氏だっているし、幸いなことに色んな舞台にも立たせてもらっている。自分を褒めてあげないなんてもったいないって、今なら思える。


亜美ちゃんみたいにちやほやされる人生は歩めなかったけど、私には私の「幸せ」があるし、私には私の「可愛い」があるはずだ




・・・そんな学生時代の小さな傷に向き合えた作品だった。

興味のある方、是非『亜美ちゃんは美人』を読んでみてください。

もう一篇の『かわいそうだね?』も、かなりおもろいです。


おわり。

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