日英グラフィックレコーディングへの挑戦
2022年1月「のと未来会議」にグラフィッカーとして参加し、チームで日英グラフィックレコーディングに挑戦しました!
「のと未来会議」については、過去の開催内容がまとまっているMiroをご覧ください♪
完成したグラフィックはこちらです!横長の超大作なのでぜひ拡大してご覧ください。(本当はもう1ページある!)
とてもエキサイティングな現場で、得た知見もたくさんありました。似た事例に挑戦したい人のヒントになるように、学びを言語化しておこうと思います。
本題に入るその前に、感謝と言語化する意味について
Miroでの日英グラフィックレコーディングを実現するにあたって、ビジュアルプラクティスの先輩である出村沙代さん・えりさんから本当に多くのことを教えていただきました。今回のnoteでご紹介する内容は、お二人に教えていただいた知見や、チームのれおなさん・ぶんさん含めた5人で出し合ったアイデアで成り立っています。
全員の知見の集合を私のnoteで発信しても良いものか?と悩んだのですが、さよさんからいただいた言葉が背中を押してくれました。
自分に全くない観点だったので、とても心に響きました。同じ体験でも学び取ったことは違う。表現も違う。所属コミュニティも違う。だから、届く人も違う。
自分が言語化する意味を感じることができたので、一緒に挑んだ仲間への感謝とリスペクトを大前提に、みんなで得た知識を私の言葉でまとめます。
さよさんがまとめてくださっているnoteも無料とは思えない重厚な学びが深い内容なので、ぜひご覧ください!
事前準備
今回は、オンラインホワイトボードツールのMiroでチームグラレコをしました。リアルほど意思疎通が取れない分、事前の打ち合わせが非常に重要です。具体的にこんなことを話し合いました。
役割分担を決める
今回の日英グラフィックレコーディングは、5人チームで挑戦しました。
日本語主線担当1名:明日美
色塗り担当2名:えりさん、れおなさん
英語担当1名:さよさん
グループ化担当1名:ぶんさん
※上記はグラレコ本番中の役割分担です。事前準備として、タイトルビジュアル&ベースデザインをれおなさんが描いてくれました。
特にグループ化担当のイメージがつきにくいと思うので補足すると…。Miroでは線画の上からマーカーで色を塗ろうとすると、マーカーが上にかぶさってしまって少し線画が見づらくなってしまいます。こんな感じです↓
そこで、以下のフローでグラフィックレコーディングを完成させていきました!
主線担当が主線を描く
英語担当がグラフィックに英語を書き加えていく
グループ化担当が要素ごとにグループ化する
色塗り担当がマーカーで色塗りする
グループ化した線画をマーカーより手前に持ってくる
手順が多いので、これを一人でやるのは至難の業。5人いたからこそ、見やすさを担保しながら仕上げることができました。
使用する線の太さを決める
複数人で一枚のグラフィックレコーディングを完成させるとき、線の太さがバラバラだとちぐはぐな印象になってしまいます。そこで、あらかじめ使う線の太さ見本を作って、各自ペンの太さを調整しておきました。
使用する色を決める
今回色塗り担当が2名いたこともあり、色の事前打ち合わせを行いました。後から振り返るとこれが非常に重要で!色が揃っていることで全体のトンマナが整い、完成度が高まったと思います。
予備のボードを用意する
Miroでは、一本一本の線が画像化されるらしく、描けば描くほどボードが重くなっていきます。本番中に固まってしまうと一大事なので、あらかじめ予備のボードを用意しておきました。
今回は使わずに済みましたが、不測の事態をあらかじめ洗い出し準備しておくと、本番も心が惑わずいいパフォーマンスが発揮できると思います。
Miroで描く感覚に慣れる
これは個人的な反省ですが、普段Procreateでグラレコしているため、書き始めはMiroでのペンの反応に戸惑いました。思ったスピードで描けない、若干のタイムラグが生じる、文字の書き心地が違う…などなど、ツールによって自分が描ける範囲が変わることを実感。
自分が「Miroで」描ける範囲を理解する
「全部描く」を手放し、こぼさず描くべきことにフォーカスする
このあたりを心に留めておくことで、本番中に「自分、全然描けてない…」と焦らず描くべきことをキャッチできそうです。
本番
自分の役割を全うしつつ助け合う
オンラインチームで描いていると、仲間の状況について様々な想像が浮かんできます。例えば…
主線担当が描けていないけど、大事そうな要素を描き加えて良いものか?
英訳がまだ埋まっていない部分、埋めていいのか、何か考えがあるのか?
Miro上で動きが止まっているのは何か悩んでいるのか?サポートは必要か?
リアルだったら声かけして動けるけど、オンラインだとリアルほどの密な意思疎通は図れません。だからある程度想像しあって助け合うことが必要だなと感じました。
(とはいえ、助けることに夢中になると自分の役割が疎かになってしまったりもするので、まずは自分の役割を全うすることが大前提。)
助け合いの精度を上げるために、事前に助けてほしいことをシェアし合う、グラレコ中の意思疎通の方法を話し合う、など色々工夫はできそうです。
グラフィックの活用法
今回の「のと未来会議」では、完成したグラフィックをMiroに貼り付け、参加者が心が動いた部分にスタンプを押してもらいました。ファシリテーターのゆうこさんがその時の様子をTwitterにあげてくださっています。
これが個人的には、非常に感動的な体験で!世界中から集まる参加者がオンライン上の一枚のボードに集まり、同じものを見てアクションする。イベントに一体感が生まれた瞬間だと私は胸を打たれました。
時間さえあれば一人でも日英グラレコは実現できます。しかし、リアルタイムで完成させ、熱量が高いイベント真っ最中に活用するためには、チームの力が欠かせないと感じました。
いざ実践してみての感想
まず最初の感想は「エキサイティングで楽しかった!」です。自分一人ではチャレンジできない領域に、チームだからこそ踏み出せた楽しさがありました。同時に、初めてだからこそ感じる拙さや改善点も見つかったので、今はもっと実践を積みたいという気持ちに溢れています。
そして、ここまでHOW的なものを書いてきて最後にこんなことを言うのもアレですが…。本番後に全員で振り返りをした際、出てきたのは「パッと5人集めてこのやり方をトレースしても、すんなりうまくはいかないだろう」という言葉でした。
グラレコはその人の価値観や姿勢が如実に現れます。前提のすり合わせがないままノウハウ通り実践しても、価値観や個性がぶつかり合って、ちぐはぐなグラフィックが出来上がってしまうかもしれません。
チームで描くときは、各グラフィッカーの大切にしていることや癖を理解しあい、グラフィックの目的を握って共に進むことが大事だと気づきました。それがあった上で、ここに書いてある事例が参考になるといいなと思っています。
今回集まった5人は「共創型ビジュアルプラクティショナー養成プログラム」で出会った仲間です。講師、運営、生徒…と立場は違えど、数ヶ月のプログラムを共に過ごし、同じ文脈に触れてきました。
この関係性があったからこそ、グラフィックが場に与える影響や、配慮するべきことを握り合い、お互いを思いやりながら描き切ることができたのだと思います。
改めて、一緒に描いてくださったさよさん・えりさん・ぶんさん・れおなさんに感謝です。また、チャレンジの場をくださったファシリテーターのゆうこさんと「のと未来会議」の皆様にも感謝の気持ちでいっぱいです。
オンラインでのチームグラレコ、日英グラレコ、どちらも自分にとって初めてのチャレンジ。まだまだ伸びしろを感じる分野なので、ぜひ今後も機会を作ってトライしていきます!また気づきは言語化していきます。
ここまで読んでいただきありがとうございます😊