すぐに使えるツボ6選
今回は知っておくと日常のちょっとした不調のときに役立つツボを6つご紹介します。
ツボとは?
ツボとは、全身を巡る氣血の通り道(経絡)にある大事なポイントのことです。
電車に例えると、氣血の通り道が線路、ツボが駅のようなものです。
東京駅、新宿駅などの大きな駅があるように、ツボにも全身に大きな影響を与えるものがあります。
今回はそのような、体調を整えるためにとても役にたつツボを6つご紹介します。
ツボ療法のやり方
薬局で売られている台座灸をすえるか、親指でゆっくりおします。
指でおす時は、息を吐きながらゆっくり親指で5秒間おします。
そして、息を吸いながらゆっくり力を抜きます。
これを2〜3回繰り返します。
台座灸のやり方は、お灸を買ったときについてくる説明書を参照していただければ、と思います。
お灸は、熱いイメージがありますが、お家でやるお灸は気持ちいい程度の熱さにとどめ、熱くなったら外します。
ツボを刺激する頻度ですが、症状が出ているときは1日2〜3回行うといいです。
日頃の養生を目的として行うのであれば1日1〜2回、朝起きたときと寝る前、というように決めて行うといいです。
ツボはたくさん刺激を与えるほど効くというものではありません。
1度刺激を与えたら、最低でも1時間くらいは時間をあけて行いましょう。
足三里(あしさんり)〜胃腸を元気にするツボ〜
膝のお皿の下にできる二つのくぼみのうち、外側のくぼみから指四本分下におりたところにあるツボ。
膝をたてて、スネの骨の前縁を指でなであげていき、指が止まったところの外側のへこんだところにとります。
胃腸を元気にするほか、足の疲れにも効果があります。
松尾芭蕉が旅の途中でこのツボにお灸をしたという有名なエピソードがあります。
ここにお灸をするともう三里歩けるということから「足三里」という名前になったそうです。
日頃の養生にもオススメのツボです。
ツボの位置がわかりにくかったらだいたいで大丈夫なので、日頃からツボおししてみてください。
三陰交(さんいんこう)〜婦人科系の不調に〜
内くるぶしから指4本分上にあがったところにあるツボ。
脾経、腎経、肝経という大事な経絡(氣の流れる道)が交わるところです。
生理痛、月経不順、更年期障害、冷え性…といった、女性の悩みに効くツボです。
生理がきそうなときや、生理痛があるときにお灸をすえると、生理が楽になります。
刺激に敏感な場所なので、1回にするお灸は1個か2個、指でおす場合も優しくおします。
妊娠中の女性は注意が必要なツボです。
特に妊娠初期の方は刺激しないほうが無難です。
でも一方で安産のツボでもあるので、安定期に入ったら鍼灸師に相談しながらここにお灸をするといいです。
失眠(しつみん)〜不眠・むくみに〜
かかとの中央にあるツボ。
その名の通り、不眠症に効きます。
さらに、むくみや上半身に熱がこもっているのを巡らせたいときにも効果があります。
熱さに強いところなので、お灸を多めにすえても大丈夫です。
熱さを感じるまでやるといいです。
百会(ひゃくえ)〜鼻づまり・のぼせに〜
両耳のてっぺんをつないだ中点、つむじのあたりにあるツボ。
鼻づまりに効果がある他、不眠、頭痛、のぼせ、めまい、言語障害など様々な症状に効きます。
指もしくはつまようじの尖っていない方で、気持ちいいくらいの力で押してみてください。
ここはお灸をすると髪が燃えてしまいますし、のぼせの症状を強めてしまう可能性があるので、お灸はせずツボおしにしてください。
太衝(たいしょう)〜イライラ・二日酔い・目の疲れに〜
足の甲で、第1指と第2指の骨が交わるところにある、くぼみの中にあるツボです。
足の親指と人差し指の間を指でさすり上げたときに、指が止まるところです。
ここは肝機能を整えるツボなので、イライラや二日酔い、目の疲れにききます。
二日酔いと肝機能はわかるけど、イライラと目の疲れが肝機能と関わることは不思議に思いますよね。
東洋医学の世界では五行という分類があって、何についても5つのグループに分けて考えます。
そのグループ分けをしたときに、肝とイライラ(怒り)、目は同じグループになるのです。
だから、肝機能を整えると、怒りや目の疲れも和らぐと考えます。
大椎(だいつい)〜風邪のひきはじめに〜
首と背中のつけ根にあるツボ。
首を前に曲げたとき、1番とびだす骨のすぐ下にあります。
風邪ひきはじめにお灸をするといいです。
鼻水が出るときにも効果があります。
風邪予防にもなりますので、普段からお風呂上がりにドライヤーで温めるのがオススメです。
温風をあて、熱くなったら離すのを2~3回くりかえします。
ツボ療法のコツ
ツボは体の一点ですが、そこを刺激しながら全身の氣血が巡るのをイメージすると効果倍増です。
全身をイメージするのは漠然としていて難しい場合は、効かせたい臓器を意識します。
例えば、足三里をやるときは胃、三陰交をやるときは子宮というように、特定の臓器を意識しながら刺激します。
そうすると意識している場所が温かくなってきたりします。
足を刺激しているのにお腹に効果があるなんて、不思議ですよね。
そんな不思議で楽しい東洋医学の世界にふれてもらえたら嬉しいです。
あすか鍼灸院↓