あなたは作品でなにを表現したいですか?

何のために創作をするのか

これはクリエイターすべてに共通する問いかけだと思います。

「あなたは何のために作品を作り、何を感じて欲しいですか?」

「あるいは何を表現したいですか?」

答えはクリエイターの数だけあると思います。

もしくは、そんなこと考えたことなかったなぁ。ただ自分が楽しいから作っているだけだよ。みたいな方もいるでしょう。

僕が小説を書き始めた理由は「せめて何かを残して死にたい」という思いからでした。

もちろんその中には「人を感動させたい」とか「心に残る作品を作りたい」みたいな思いも入っています。

ですが、改めて「何のために作るの?」「何を訴えたいの?」と問いかけられたときに、また、それを考えて口に出した時に初めて「あ、自分の中にこういう思いがあったのか」と気付くこともあります。

こころを言葉に

僕がこのことを意識したのは、昨年縁あって出展させて頂いた福井銀行での展示の時でした。

展示

展示が公開されるにあたり、福井新聞社の取材を受けることになりました。

インタビューのなかで記者さんからこんな質問をされました。

「飛鳥さんはどんな思いを込めてこれらの作品を作りましたか?」

一瞬、なんと答えれば良いか悩みました。

創作する際に、そんな大層な思いは持って無かったからです。

その時、自分の口からポロリと出てきた言葉がありました。

「こころを表現したいのかもしれません。名前のないこころ。悲しいときや辛いとき、苦しいとき。この感情はなんだろうと思うときが誰にだってあると思います。そんな時、そのこころを表す言葉があれば、少しはこころが軽くなるかもしれない」

実際はもっとたどたどしく、詰まりながら答えていたような気がします。

ですが、この時に僕は初めて自分の創作の方向性、自分が表現したいことがはっきりと自覚できたと思うのです。

誰もが持っているこころを誰もが知っている言葉で。

この展示をきっかけに、僕はいま毎日一遍の詩を作り、公開しています。

その詩を作るにあたっては上記のことを意識しているような気がします。

そして、小説を書くときも、それはおそらく自覚する前から、僕はこころを表現したいと思い書いているのです。

思えば僕が小説というものを好きな理由に「気付きがある」というのがあります。

いままで考えもしなかった世界の見え方、こころのあり方、それが小説という媒体を通して伝わってくる感覚、視野が広がる体験。それが小説の醍醐味だと思っています。

もちろん音楽には音楽の良さが、絵画には絵画の良さが、アニメにはアニメの良さがあるでしょう。

それでも僕は、文字を通して知らなかったこころを見つける快感がたまらなく好きなのです。

そして自分も、そういうものを目指していたんだなと改めて思えるようになりました。


クリエイターの皆様に今一度問いかけてみます。

「あなたの表現したいことは?」

「あなたが創作で訴えたいことは?」

「あなたは何のために作品を作りますか?」


改めて考えてみたときに、ご自身が本当に表現したいこと、作りたいものが見えてくるかもしれません。




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