
私の好きなもの②グレイスワイン
年齢を重ねるごとに、お酒に強くなり、お酒が好きになる。基本的にお酒はなんでも好きだ。「飲めないお酒はない」と言った方が正しいかもしれない。
今でこそ、ワイン1本を1人で飲み干すこともしばしばであるが、30半ばまで、ワイン1杯程度しか飲むことができなかった。ジャンパーニュも一口、二口で大満足という、コスパが良い体質であった。
友人の多くがワイン好きということもあり、食事会や内輪でのパーティーでワインを振舞われる時は、グラス1,2杯までと決めておかないとソファーで爆睡をする羽目になる。ある年の夏、シンガポールの友人の家でケンゾーエステイトの「asuka」をいただいた時のこと。偶然だけど、私の名前と同じ「あすか」であることから、開栓してくれたのだった。異国の地という開放感なのか、ケンゾーを飲めるという嬉しさか、飲みすぎてしまい、そのままソファーで撃沈・・・。思春期の息子さんは、「大人の女性でも酔い潰れてソファーで寝るんだね(笑)」と両親に言っていたらしい。酔い潰れるのに、男女は関係ないよ!男女同じだよ、といいジェンダー教育になったなと、私は思っている。
正直にいうと、ワインの良し悪しは全くわからない。たしかに「好み」はある。「ピノ・ノワールが好き」「ミュスカが好き」にように。勉強をしたいなという気持ちはあるものの、800種類あると言われているワイン用のブドウ種を覚えられる気がしない。
ただ、一度だけ訪れた山梨のワイン畑はあまりにも美しく壮大で、育てられているブドウは宝石のように輝いていた。ワインは奥深いと言われる所以が理解できた。

醸造家の友人にブドウ畑を案内してもらった縁から、彼女が醸造しているワインを定期的に購入している。手土産やプレゼントにワインが喜ばれる際は、ワインショップに置いてあれば「グレイスワイン」を選んでいる。友人曰く、生産量が少ないため、流通量が限られているらしい。新宿の伊勢丹と銀座の三越には置いてあることが多い(私調べ)。ブルゴーニュのワインも大好きだし(特にエシェゾーとか)、新世界のワイン(ニュージーランド産も大好き)もものすごく美味しいけれど、やっぱり日本のワインが私の体に合うような気がする。もはや、勝手な思い込みだけれども。グレイスワイン最高峰の「キュヴェ三澤」も数年前から少しずつコレクションしている。私はいつ、開けられるのだろうか。いつ、飲めるのだろうか。シンガポールの友人のワインセラーには、私が数年前に購入した「キュヴェ三澤」が最高の状態で眠っている。