市田良彦「フーコーの<哲学>」岩波書店2023

専門書であるが引用、注釈まで細やかに書き込まれた筋の通ったことや引用の内容の関係について議論した素晴らしい本!
 何よりフーコーの講義のサマリーが非常に上手くまとめてある。ドゥルーズやカンギレーム、ハイデッガーなどの引用やフーコへの反対意見の紹介も具体的に紹介してあり嬉しい。性の歴史2、3の歴史学者の当惑などの紹介は時々出るのだが誰がどのように、というのは専門文献を見れない大学外の私にはできないことであった。
 肉の告白の刊行以降であるので性の歴史の全体のフォローもしてある。
 ぜひ、キュニコスについて別記事をまとめていただけたらと思う。自己への配慮を考慮した性の歴史4巻はどうあるべきだったかの再構築はいかがでしょうか。生存の美学へのフォローはいかがでしょうか、と先生には尋ねてみたいことがいっぱいある。そういったこともちゃんと書いてあるかもしれない。今は図書館で借りて最後の第5章を読み耽って土曜日の午後が充実できた。これは買わねば。

いいなと思ったら応援しよう!