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魅力ある事業と人を創るHRBP (前編)

この1月より、本業の会社で人材戦略部門を兼務することになりました。
主務は引き続きシステム開発部門の所属ですが、勤務時間の20~30%を人材戦略部門所属のHRBPとして、自身が所属している事業部に対し「魅力ある事業と人を創る」ことを目指していきます。

今回と次回の2回にわたって、兼務に至った経緯やHRBPとしてのビジョンを綴ってみようと思います。


1. 人の育成に関わる仕事への憧れ

新卒入社の会社から何度か転職をしてきたのですが、これまでずっとIT企業の現場部門でシステム開発や企画・営業に携わってきました。
当時はあまり自覚は無かったのですが、社会人5~6年目あたりで「育成」「チーム」「組織」といったテーマに自然と興味を持つようになり、人事系の書籍を読んでは現場で実践するといったことを率先して実施していました。

2008年に現在所属している会社を一度辞めることになったのですが、主な退職理由が「ITから離れて、人の育成に関わる仕事を本格的にやってみたいから」でした。
その時の上司からは「今の会社ではそのようなことはできないのか?」と聞かれ、きっぱりと「できません」と答えたことを覚えています。

2009年に転職をしたのですが、そこでも結果的にはITのお仕事を引き続き行うことになり・・・、色々あって2012年に現在所属している会社に出戻り(再入社)し、そこから約10年はずっとシステム開発の現場の最前線で既存事業の拡大に貢献してきました。
2010年代は、かつて憧れていた「人の育成に関わる仕事」を本業にすることは完全に諦めていました。ただ、現場のマネージャー業務のひとつとしてのメンバー育成にはしっかりと取り組んでいました。

転機となったのは2022年のサービス企画部門への異動でした。ずっとシステム開発の現場部門も兼務はしていたのですが、サービス企画部門で人的資本経営に関わるサービス企画に携わり、そこからまた徐々に「人の育成に関わる仕事」への憧れが強くなっていきました。

2008年に一度今の会社を辞めた時は「人的資本経営」や「戦略人事」や「HRBP」というコトバすら知らなかったので、「人の育成」というワードですべてを語っていました。
振り返ると、その当時は「人の育成」と言っても、やりたいことが不明確なまま会社を辞めていったんだな~と思っています。

2. 手挙げの「野良HRBP」が人材戦略を策定

2023年に所属事業部の中期経営計画を策定する活動があり、その時に誰から言われたわけでもなく、ポジションが用意されていたわけでもないのですが、「人材戦略の策定に関わらせて欲しい!」と当時の事業部長に直訴して承認いただきました。

いわゆる「手挙げ」なのですが、自分のやり方は、募集していないポジションを勝手に作って、勝手に一人だけ手を挙げて、周囲に熱量を振りまいて合意形成をするという、「自作自演式手挙げ」で、これまで何度もやっています(笑)

初めての人材戦略策定でしたが、人材マネジメントや人的資本経営に関する理論知と、現場での実践知をベースに4~5か月くらいかけて事業部内関係者と一緒に策定し、無事に出来上がりました。
この頃から、正式なポジションも無くHRBPのような仕事をしていることから、自分自身のことを「野良HRBP」と呼ぶようになりました(笑)

野良HRBPは正式なポジションも責務も成果目標も無いため、基本的には自分で作業時間を捻出して、できる範囲で取り組むことを続けていました。
ただ、そのような取り組みですと、メインの仕事が忙しくなるとどうしても取り組み優先度を落とさざるを得ず、人材戦略を策定した後は十分な作業時間が捻出できず、活動が停滞してしまいました・・・。

3. Every社のHRBP講座の受講

人材戦略を策定していた頃に、「我流」「過去の知見」に頼るだけではなく、原理原則みたいなものを体系的に学んだ方が良いと思い、Every社のHRBP養成講座を受講することにしました。(受講料は自腹で払いました)

約4か月にわたって、戦略人事の原理原則を学びながら、受講者間の情報交換やディスカッション(越境学習)を通じて、HRBPの理解を深めることができました。
受講をしただけで素晴らしい人材戦略が策定できることにはなりませんが、今後の戦略人事の学び方の道筋や、自分がHRBPになったと仮定したら自社で何をすべきかを明らかにすることができたので、とても満足度の高い講座でした。

以下のインタビューページのどこかにASTROIDがいますので、興味がある方は探してみてください。

4. そしてホンモノのHRBPへ

一度は諦めていた「人の育成に関わる仕事」が色々な学びや経験を経て、2024年の秋頃から自分の理想とする世界観(ビジョン)が描けてきた感じがありました。

主務の仕事も大事であることと、やっぱり現場が大好きなこともあり、「兼務」という形で正式なHRBPの仕事にチャレンジしようと決意しました。
またしても、募集も何もしていない「事業部のHRBP」というポジションを自分で確立するために、事業部長に承認いただき、兼務先の人事部門とも自ら調整をした上で、晴れて2025年1月から正式なHRBPとなりました。
正式なポジションだからこそ、成果目標も責任も発生します。兼務率は20~30%ほどですが、今回は覚悟を表明した決断を採りました。

なお、正式なHRBPの活動を承認いただいた事業部長というのが、2008年に一度会社を辞めた当時の上司であります。
「うちの会社ではそのようなことはできないのか?」と聞かれて「できません」と答えたやりとりが、17年後の2025年に現実になるという、壮大な伏線回収劇(?)となったのであります。

さようなら、野良HRBP!
ポジションも肩書も権限も無い野良HRBPとして、泥んこになりながらがむしゃらに取り組んだ経験は、必ず今後も活きるはずです。

次回はHRBPとしてのビジョンを綴ります。

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