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That's Life
とりあえずそこへなおれ、五十嵐。
映画村の大部屋でくすぶり、夢をあきらめて半ベソで親元に逃げ帰ったのを忘れたのか。
ひなたからも逃げて。
アメリカでうまくいってどんだけ羽振りが良くなったかは知らんが、ひなたに期待持たせるだけ持たせておいて他の女との結婚話をするたぁなにごとだ。
虚無蔵さんに斬られてしまえ。
だいたい、出戻った自分を受け入れてくれた家業をディスった時から視聴者は違和感を感じていたのだ。
親の会社の仕事が
そんなに大変じゃなかった。
つまらなかった。
だと?
どの口が言うのだ。
思えば、それが今日の展開への布石だったのやもしれぬ。
きさまはひなたの相手には役者不足だ。
デイジーの尻に敷かれて鍛え直してもらうがいい。
それにひきかえ、ひなたの強さよ。
デリカシーゼロの五十嵐から
「誰かいい人いないの?」と聞かれて、
私は今は仕事が楽しい。
にっこり笑ってそう答えるひなた。虚勢をはっているようには見えない。
かっこいいよ、ひなた。
ちゃんと「ひなたの道」を見つけてまっすぐ歩いているひなたは、すごくクールだよ。
たまにはええこと言うやないか、五十嵐。
本当に、いつの間にこんなにクールになっていたのだ。ひなたよ。
そして店を出る五十嵐に
Congratulations!
と祝福し、
ひとりになってカクテルを飲み干し、
That's life
とつぶやく、ひなたの後ろ姿。
かっこいいぞ。