おかえりモネ。おかえり菅波先生。
NHK朝ドラ「おかえりモネ」が本日最終回を迎えました。
5月から始まったこのドラマ。とても楽しませてもらいました。
感想を全部書こうとしたらキリがないので、最終週を中心に振り返ってみます。
最終回まであと2話というところになって、みーちゃんの爆弾が投下されました。予想だにつかなかった展開でした。
いつも深い闇を抱えているように見えていたみーちゃん。彼女が許せなかったのは、津波を見ていない姉ではなく祖母をおいて逃げた自分だったのか。
海辺で、みーちゃんに話しかけるモネ。
みーちゃんがどうしても自分を許せないなら 私が言い続ける。
みーちゃんは悪くないって。
みーちゃんは、そんなの言われたって無理だよ、と泣きます。
みーちゃんが何度も何度も自分を許せなくなるなら、そのたんびにわたしが言う。みーちゃんは悪くない。
みーちゃんは悪くない。
絶対に悪くない。
優しくみーちゃんを抱きしめるモネは、慈愛に満ちた表情をしています。
まるで聖母マリアのような。悲母観音のような。自分を殺そうとしたオリゲルドを赦すアルディスのような。
半年に渡ってゆっくりと人々の心の痛みを描いてきたこの脚本家が一番描きたかったのは、このシーンなのかも。そう感じました。
そして私は菅波沼の住人なので、モネと菅波先生の行く末も気になります。
モネの先生に対する愛情がちょっとクールなのではないか。ネットでよくそう囁かれていましたし、私も少しそう感じていました。
それに対するアンサーを、先生自身がモネの母親に告げるシーンがありました。
先生がモネの実家に挨拶に行った時のことです。
百音さんは時々大切な人と離れるのをとても怖がります。
でも僕のことは離れていても大丈夫だと思っているようです。割と最初の頃から。
だから百音さんがこれからの人生を共に生きるのは、僕のような人間が最適なんじゃないかと思います。
さすが俺たちの菅波。
さすが私たちの安達奈緒子さん。
泣くしかない。
2020年と2021年を、このドラマはどのスタンスで描くのかが気になっていましたが、避けないことにしたようです。
感染症の発生が示唆され、モネと先生は会えなくなりました。
2022年7月。近未来です。
モネは長い髪に少しウェーブがかかっているように見えます。一層大人っぽくなりました。
久しぶりに太陽を見たという先生と、モネは海岸で2年半ぶりに再会します。
青い太平洋をバックに手をつないで歩くふたりの姿で、このドラマは終わりました。
とても美しく、私たちの未来にもほのかな希望が見えるラストでした。
このドラマ、衝撃的な事件が起こるわけでもなく主人公が一旗あげるわけでもなく、比較的淡々と話が進んでいきました。
でもキラリと光るセリフや後から明かされる心情が脚本家や俳優たちによって丁寧に紡がれた、心地よいドラマだったように思います。
ありがとう、「おかえりモネ」。
で、スピンオフの「呼吸器外科病棟24時」(主演:菅波光太朗)は、いつ放送ですかね?