ミケランジェロ・コード
フォローさせて頂いている方がnoteに書かれた「バチカン市国」の記事を先日読み、それ以降私の心は彼の地をさまよっています。
ローマはおろかミラノもヴェネツィアも行ったことのない私ですが、昔からバチカン市国にはひときわ憧れています。
そのきっかけとなったのは、高校生の時に読んだ「7つの黄金郷」です。
この漫画の中で、主人公オリビエがイタリア人公爵ロレンツォに連れられてバチカンを訪れるシーンがあります。
これを人間がつくっただなんて!
人間にこんなことができるなんて!
こんなにもすさまじい力を与えられていながら
われわれ人間は…
ついその力をつまらないことに使いはたして
なんと実り少ない人生を過ごしてしまいがちなことでしょう
偉大なるキリストよ!
「7つの黄金郷」文庫版第5巻より
あまりにも壮大な教会堂に、オリビエは圧倒されて声も出ません。
ミケランジェロがシスティーナ礼拝堂に天井画を描いたのが16世紀前半です。
一方この漫画の舞台は16世紀後半。
「アダムの創造」のカットも出てきます。神の右手とアダムの左手が今にも触れようとしている瞬間を描いた天井画の傑作です。
もうひとつこの漫画の中に描かれているのが、「ピエタ」。
同じくミケランジェロ作の、キリストの遺体を抱く聖母マリアの彫刻です。
オリビエはこの像の前に跪き、涙を流して祈ります。
『この犠牲を見よ』
聖母マリア!
どうか力をお与えください
わたしが未熟だからいつも誰かがわたしのために傷つきます!
「7つの黄金郷」文庫版第6巻より
悲哀に満ちた聖母マリアの表情は、見る者の心に様々な思いを呼び起こさせます。
この「ピエタ」と天井いっぱいのフレスコ画を、いつかこの目で見てみたい。
ミケランジェロは天才、いや、もはや神なんじゃないか。
本当にそう感じます。
そして、同じく私の好きな漫画である「エロイカより愛をこめて」にも、何度かバチカンが出てきます。
中でも「スイス衛兵」に触れたエピソードが面白い。
飾り物に見えるスイス・ガードはよく訓練されたプロの軍人だ。
軍用拳銃とガス弾を携帯している。
青銅門の陰には弾薬を装填した軽機関銃がかくしてあり、万一の場合に備えている。
「エロイカより愛をこめて」文庫版第8巻より
変装して「笑う枢機卿」の謎を探っているエーベルバッハ少佐をちらりと見やるスイス衛兵。
ド派手な衣装に身を包み、法王やバチカンを護っています。
この衣装の配色もミケランジェロによるものだという説があるそうです。
この天才は、自身の作品の中にちらほらと暗号を仕込んだのではないか。
数世紀後を生きる我々に、「解けるものなら解いてみろ」と挑発しているのではないか。
そんな気すらします。
そこで思い出すのがこの小説シリーズ。
テンプル騎士団、マグダラのマリア、聖杯、フィボナッチ数列…等々。
キリスト教にまつわる謎や裏話、大好物です。
特に「ダ・ヴィンチ・コード」は大好きで、映画も数回観ました。
(「天使と悪魔」も超面白いのですが怖かった…。冒頭で触れたクリエイターさまも勧められています)
この話は、機会がありましたらいずれまた…。
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