阪神のいちごとチョコフェス2020レポート【戦略とSNS広告と売上】
阪神梅田本店『阪神のいちごとチョコフェス2020』(1/29~2/4)
こんにちは、ハンドメイド作家 astin muhler です。
この度初めて百貨店に出店する機会を頂きました。しかもハンドメイドイベントとは違い期間は1週間!通常のイベントは2日間ですので1週間はとても長いですね。今回は一専業主婦だった私がこの度どのような経緯で阪神百貨店に出店することになったのか、出店してみてどうだったのか、今後百貨店に出店したいと思っている方やどうすれは良いのかをレポートにまとめましたので参考になればと思います。
ことの発端は2019年11月1日のこと
この日、astin muhlerのショップページに一通のメールが届きました。阪神百貨店のバイヤーさんからお問合せで、2019年からやっている若年層をターゲットにした『阪神のいちごとチョコフェス』がとても反響が良く2020年も開催するので出店してほしい、とのお誘いでした。私は普段は百貨店や委託販売などのお誘いは断っていたのですが今回はバイヤーさんの熱い思いに心打たれ、参加することを決めました。ちなみにメールを読むだけで優秀な方だとよくわかりました。
お誘い自体はとても光栄でしたが、気になるのはなぜどのようにしてastin muhlerを知っているのかというところ。バイヤーさん曰く、会議の場で若手社員の一人がastin muhlerのインスタグラムをフォローしててそれを推してくれたから。心からインスタやっててよかったぁ(T_T)と思いました。
出展を決めてから取り組んだこと
今回出店を決めたからには最大限期待に応えたいと思いました(何かをやると決めた時は相手のことを一番に考えた方が燃える性格)。改めて何を期待されているのかを考えると
①お客さんを喜ばせる
②売上を上げる
③若い人を呼ぶ
この3点に尽きると思います。この役割をしっかりと果たし、最終目標は次回も声をかけてもらうこと。そのためにできることをしようと夫婦で決めました。これは打合せの様子。
①お客様を喜ばせるためにブランド力に磨きをかける
astin muhlerとしてできる事は商品でお客様に喜んでもらう事。そのためにはまずクオリティの高いいちごのスマホケースを用意する事は絶対です。さらに若年層をターゲットにしているとはいえまだまだ年齢層の高いお客様も多いので幅広い年齢層に受け入れられるために通常のハードケースとは別に取り外しのしやすいソフトケースも準備。
ケースと箸置きを展示する棚も作り直しました。これまでのイベントでは発泡スチロールのカラーボードの裏に余った木片をガムテープで張り付けたモノを使用していましたが、さすがにこれでは、、、と思いホームセンターで板、木の棒、イーゼル、接着剤を購入し作り直しました。素人でも意外と綺麗にできるもんですね。見比べてみるとBeforeの悲惨さがよくわかります。(表ですら黒い両面テープが少し見えている)
また、イベント期間中は各階毎に品種別いちごが割り当てられているので、その企画に乗っかってそれぞれのいちごの『品種ケース』(あまおうばっかりで作ったケースなど、イチゴの種類によって色や形が違うことを楽しんでいただけるケース)を展示用で用意しました。
②売上を上げるために毎日店頭に立つ(夫が)
とにかく売上を上げるには多くの人に見てもらうこと。そしてショップ内に購入までの導線を作ること。ここの戦略は物凄く練りました。図面が載せれませんので動画をどうぞ。
・最初に目に留まるエリアA~Bで心を掴む
エントランスに近いところに事前に下調べしておいた『利用者が最も多そうなiPhone7/8のケース』を配置。「あ、いちごかわいい。あ、私の機種だ」となる。
・Cの壁の色んな作品を見てもらう。
そしてショップ奥の全方位かみえる壁の高いところに『品種ケース』を配置。「あ、あっちの壁にもたくさん種類ある」となり「え、品種別のケースがある!すごい!」となる。ここで壁の隣にスタンバイしている夫が「気になるケース出すので言ってくださいね、ちなみに機種は何使ってますか?」とヒアリング。
・試しに装着をしてもらう(ここが大事)
iPhoneなら対応ケースのところに案内し試着できること説明。試着して通話している姿やスマホをいじってる姿など客観的にどう見えるかを『実際に演出(夫がやってみせたり、鏡でお客様自身に見てもらったり)』スマホケースを買った後のことをより鮮明に具体的にイメージしてもらう。(もう一度言いますがここ大事)
また、Android系なら全機種対応で後日受け取りの予約注文ができることを懇切丁寧に説明。
・ご購入
購入時の注意、褪色(たいしょく)の具合、ケースの外し方を説明、Androidは伝票記入を案内する。お買い上げいただいたお客様にはベリーミックスパンフレット入り手提げ袋をお渡しする。
簡単に言うとこのような流れです。すべてのお客様のこのような対応ができるわけではありませんが、自分の中でお客様を導く道筋を決めておくことが自分のためにも、お客様のためにも、とても重要だと思います。
ディスプレイの配置に関しては定期的に変更したりしてお客様の反応を確認しています。その中で反応の良い配置を導き出せたら今後も色んな事に応用できると思います。
③若い人を呼ぶにはSNS
期間中私のツイッター、インスタでの告知の量にげんなりしたフォロワーさんも多かったと思うくらい告知しまくりました。そして初めてツイッターとインスタで広告も打ちました。
『品種ケース』を広告にした結果、夫が店頭に立っていた各日12時~17時の間だけで(水)5人、(木)2人、(金)3人、(土)5人、(日)4人、(月)2人、(火)2人、実際に広告を見たと言ってくれたお客様が確認できました。(夫が対応したお客様の数なので全時間で考えるともう少し多いのかも)割合で言うと9割インスタ、1割ツイッター。これはとても良い結果だと思っています。SNS広告は実際にネット上で購入してもらうのが目的と思いがちですが実際に足を運んでもらう広告としても有効なんだと感じました。実際にこの中で購入に至った人数は8人(機種がなくネットで買いますと言ってくれた方が+3人)ホントに『品種ケース』が力を発揮してくれたと思っています。『品種ケース』はあまりに欲しいといわれるので販売したら即完売で2回も全種類補充しています。
いざ出展開始!でも大誤算!
・いきなりお迎えコール!
私も店頭に立ってお客さん対応をする予定でしたが、初日の出勤中にまさかの保育園お迎えコール!これにはがっかりしましたが、私も母親ですので子ども優先です。夫を残してすぐ帰りました。(会いに来てくれようとした方申し訳ないです)
・ケースが全然足りない!
初日に私が帰宅して夕方頃に夫から『ケースが100%足りなくなるから明日の分作成して』となり、期間中は嬉しい限りですが毎日徹夜で補充するケースを作成していました。スタートに合わせて作った数が少なかったのが原因ですね。。
・箸置きが売れない!じゃあこうしてみよう。
今回は2個セットにしてオシャレに包装して並べました。
しかし開始してから水木金土とあまり売れず考え直した結果、日曜日になり2個セットだったのを全部出してバラ売りに切り替えました。そうすると『選ぶ』という楽しみができたのか、2個3個5個とまとめて購入する人が増えて、月曜日に箸置きも大量補充することになりました。小物はセットより単品を何個か選ぶ事で購買欲が増える、この法則は結構色んな事に当てはまるのではないかと思います。例えばピアスとかにも。
・スタッフさんと打ち合わせ不足
実際のレジで打つ商品別の金額や伝票に記入する際のデザイン名などのすり合わせができておらず、何度か迷惑をかけてしまいました。次回は作成したデザインの名称一覧を作ります。
・いちごの壁
ブースの裏に撮影スポットいちごの壁を作ったのですが、あまり撮影している様子はありませんでした。でも会いに来ていただいたお客様何人かと撮影したので満足です。
百貨店出展とイベント出展そんなに違う?
【期 間】
まず出展期間が違いますので頑張り方が少し変わってきます。もちろん二日間のイベントより7日百貨店の方が長い分準備する作品数も多くなりますし、店頭に立つなら体調管理も大切ですよね。
【スタッフ】
基本スタッフさんにお会計などはお任せできますのでお客様の対応・接客に専念できます。店頭には立たなくてもよいのですが、ハンドメイド作家であれば絶対に自ら店頭にたって想いを伝える熱い接客でファンを増やすのがいいと思います。分析もできますしね。
【スペース】
今回は広めでしたがイベントと違ってブース内にもお客様が入ってこれるので導線をしっかり見極めた方が良いと思います。ディスプレイなどもワンランク上げる必要があります。
【お客さま】
ハンドメイドイベントにご来店されるお客様は入場料を払ってくるのである程度ハンドメイドが好きという方が多いと思います。ただ百貨店の場合、ハンドメイド関係なく『良い品』を求める人が多いと思います。もしお客様の心を動かす作品が提供できれば若い方、年配の方、どっちも喜んで購入してくれます。そして、自分の作品がハンドメイド界の枠を出ても支持されるのかどうかの目安が分かります。
単独で百貨店に呼ばれるにはどうすれば良い?
百貨店に出展するのも常設と期間限定とがあります。常設となると私の規模では期待に添えないと思うのでお断りになると思います。(そもそも声がかからないと思いますが)よって出店はまず期間限定から。ポイントは
①お客さんに喜んでもらえるか
バイヤーさんは本当にここに使命感を感じています。百貨店もお客様に喜んでもらえるかどうかをとても大切にしています。喜んで笑顔で商品を買っていく姿を見ることができるのはとても嬉しいことだと思います。そんな作品をもっていれば強いです。またブランドや作家の成り立ち、目指すところなどに素敵なストーリーがあると上司を説得しやすいと言ってました笑
②催し物のテーマにそった作品があるかどうか
年間を通して様々なイベントがある百貨店ですがそのテーマに沿った作品があればその期間だけ声がかかることがある。今回はいちごのフェアでしたので本物のいちごのスマホケースを扱っているastin muhlerに声がかかりました。
③ある程度の実績があるかどうか
やはり商品力、生産力、販売力、SNSなど一定期間活動できるかどうかは物凄く大切な要素となります。minne,Creema,Instageram,Twitterなどのフォロワー数は実績が分からない作家のブランド力を図る指標になるのだと思います。となるとフォロワー多い方が可能性は高くなると思います。
しかし今後出たいと思う方が1点注意しなければいけないのが、既になんらかの形で商品が百貨店に並んでいた場合(例えばセレクトショップなど)百貨店と卸の関係もあるので単独で声がかかりづらくなる可能性も十分にあります。もし私はどこかに委託販売をしていて、その作品が阪神百貨店に並んでいた場合は直々に声はかかってなかったと思います。
百貨店に出展する時の注意点3つ
【立地】
まずは立地を十分に確認するべきだと思います。同じ百貨店内でも人の動きの多いエリアと少ないエリアがあるので提案されている立地を実際に現地に出向いて確認するとよいと思います。
【出展料】
百貨店の中でも手数料方式、出展料方式がありジャンルごとに大きく変わります。中には手数料50%といったところもあるので十分考えて、しっかり交渉しましょう。今回夫がすべて数字を出して原価率、ロス率、損益分岐点など明確にして交渉してくれました。そしてバイヤーさんそれも踏まて提案してくれました。なんとなくではなく明確なラインを自分の中で理解して挑みましょう。売れたけど赤字…ということにならないように。
【エリア】
今回の阪神百貨店は、astin muhlerの工房がある大阪と同じ都道府県の店舗でしたので、納品、店頭での販売、追納、分析、店じまいまで全てに携わることができました。しかし声がかかるのが近場の百貨店とは限りません。遠方であれば宿泊費や交通費などの都合でかなり制限されます。今回は大阪でしたので私としては出展を決意しやすかったです。
百貨店の売上がどんなものか気になる方へ
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