最低賃金の対象となる賃金とは?知っておきたい外国人雇用のポイント
こんにちは。
外国人のビザと雇用の専門家
中国語が話せる行政書士・社労士の大西祐子です。
2024年10月からの新しい最低賃金が各都道府県で引き上げられることが決まりましたね。
企業様の負担は大きくなるところですが、最低賃金を守ることは、コンプライアンスの観点からも基本中の基本です。
しかし、その「最低賃金の対象となる賃金」が具体的に何を指すのか、正確に理解していないケースもあるようです。
特に外国人労働者を雇用する際には、これを正しく理解し適用することが求められます。
今回は、最低賃金の対象となる賃金について紹介し、ミスを防ぐためのポイントをお伝えします。
〇最低賃金の対象となる賃金とは?
最低賃金の対象となる賃金とは、毎月支払われる基本的な賃金を指します。
原則として、「基本給」と「諸手当」が対象となります。
すべての支払っている賃金が最低賃金の対象となるわけではなく、特定の賃金は除外されることが法律で決まっています。
具体的には、次のような賃金が最低賃金の計算から除外されます。
①臨時に支払われる賃金
例えば結婚手当などの慶弔手当などです
②1箇月を超える期間ごとに支払われる賃金
例えば賞与などです
③所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金
例えば時間外割増賃金などです
④所定労働日以外の日の労働に対して支払われる賃金
例えば休日割増賃金などです
⑤午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分
例えば深夜割増賃金などです
⑥精皆勤手当、通勤手当、家族手当
〇手当の取り扱いに関する注意点
特に注意が必要なのは、これらの手当の中には、内容によっては除外されてしまう手当があります。
精皆勤手当や無遅刻手当などのように、毎月払われない可能性がある手当ては除外されます。
また、通勤手当や家族手当といった実費を支払うような手当も除外されます。
これらの手当を除いて、最低賃金を満たす必要があるのです。
〇外国人雇用をご検討の企業様
外国人雇用を検討される場合、今では知られるところとなっていますが、労働法は外国人の方にも適用されます。
賃金に関しては、入管法上では「日本人と同等以上」と決まっています。
また、特定技能外国人、特に建設業では、最低賃金の遵守どころか、同等の仕事をする日本人と同等かについては非常に厳しく審査されます。
特定技能外国人そしてこれから始まっていく育成就労の受け入れにおいては、賃金の支払いについてはシビアになっていくでしょう。
適正な賃金の支払いは企業の信頼性を高め、安定した労働環境を提供するためにも欠かせません。
給与計算が正しく行われているのか、労働法・入管法を守れているのか、その他ご不明な点がございましたらお気軽にお問い合わせください。
最後までご覧いただきありがとうございます。
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