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映画「シェイプ・オブ・ウォーター」ティールに魅せられる
映画「シェイプ・オブ・ウォーター」の感想です。
あらすじは省略しますが、この映画で印象的だったのが「ティール」。
ティールとは日本語では鴨の羽色と呼ばれ、青緑色の一種です。
映画の色調が全体的にこのティール色になっていて、ところどころに「赤」のキーカラーが入ります。
この映画の悪役であるストリックランドが購入した車、キャデラックもティール色でした。職場で「あの緑色の車が素敵です」と言われた時に「ティールだ」と訂正していましたが、それほどストリックランドがティールにこだわっているのが分かります。
私の勝手な解釈ですが、この映画の中でティールが意味するのは「抑圧、不自由さ」ではないかなと思いました。
主人公のイライザは言葉を発する事ができず、手話でしか会話ができません。
またイライザの友人も黒人差別を受けたり、同性愛者だったりと不自由を感じて生きています。
悪役のストリックランドも上官の抑圧に押し潰されそうになるシーンがありました。
こうした不自由を感じる登場人物の誰もがティール色を身につけていたり、口にしたりしています。
イライザや同僚の黒人女性は清掃員の制服として。同性愛者の親友は不味いケーキを無理矢理食べる。ストリックランドはキャデラックを。
一方で、キーカラーとなる赤には「解放、自由」の意味を持つのではないかなと思っています。
半魚人と心を交わすイライザの毎日が輝きだし、ヘアバンドや靴に赤色を使います。
ありのままの自分を受け入れてくれる彼(半魚人)と出会い、自分の心と体を解放させています。
ラストシーンでは赤いコートを着て、半魚人の彼を命懸けで守り、最後には真の姿となってハッピーエンドで終わります。
過激なシーンもあって最後の方は画面を直視できず字幕に集中していましたが(笑)、ティール色の映像はとても美しかったです。
映画を見終わって早速、ティール色のワンピースやピアスがないか検索しました。
ティール色の美しさにすっかり魅了されてしまいました。