![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/107333129/rectangle_large_type_2_043004e7b28f687b1f0d812ccc17b134.jpeg?width=1200)
詩 _ 「ガラクタ」
聞いてもらいたいことを
のみこむことを繰り返していたら
話していいことは何なのか
わからなくなった
そうしたら
聞いてくれる人はいたのだろうか
と考えはじめた
体のなかの隙間に言葉を追いやって
やがてそれはばらばらになり
ガラクタのように山になる
主が分解できないから
そのまま残るしかない
ときにガランと音をたて
体勢を変えるから
忘れられない
抗えず入り込ませてしまった言葉は
細い目と共に落ちていき
心の壁をヒリヒリさせる
もうどれが自分のものだったのか
わからなくなってしまった
本当はどんな感情をもっていたのかすら
思い出せない
ぼくはぼくを忘れてしまった
だけどそのことに気がつけずにいる