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🟨 続・日本人の9割が知らないタイ飯 ⑫〜うどんの尖ったやつ〜 🟨
博多うどんみたいな食感
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タイのクイティアオ屋で選べる麺の種類で普通思い浮かぶのはセンレック(เส้นเล็ก)、センヤイ(เส้นใหญ่)、センミー(เส้นหมี่)、バミー(บะหมี่)、ウンセン(วุ้นเส้น)の5種類くらい。今回ご紹介するのはたまに見かける第6の選択肢ギアムイー(เกี้ยมอี๋)。ちなみにギアムイーもうどんとは違って小麦粉麺じゃなく米粉麺。
特徴としては他のクイティアオと比べてかなり太い、そしてかなり短くて先っぽが尖ってる。食感も独特で日本のうどんにかなり近い。うどんと言っても「讃岐うどん」のようにコシが強いわけじゃなく「博多うどん」的な柔らか食感が特徴。これが日本のうどんのように長かったらまさにタイうどんって呼ばれてたに違いない。
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個人的にギアムイーといえば二日酔いの朝に食べるものって印象が強い。コシのあるセンレックとは違って弱々しい食感が胃腸に優しい感じがするから。ギアムイーがなければやっぱツルッとした食感のセンヤイ。よく考えたらギアムイーもセンヤイも乾麺じゃなくて生麺だった。
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うどんと言えば「クアイジャップユアン(ก๋วยจั๊บญวน)」の時にご紹介したラオスうどんとも呼ばれる「カオピアックセン(ข้าวเปียกเส้น)」を思い出す。こっちは長さもあるしうどんと呼ぶにふさわしいんだけど。あとうっかり忘れてたけどカノムチンハイラム(ขนมจีนไหหลำ)って麺料理もあった。これもかなり太めな米粉麺で食感はやはりコシなしうどん。ただしモチモチ感は希薄。
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ギアムイーの作り方がYouTubeにあったけど材料は米粉とタピオカ粉(スターチ)を半々で熱湯を注いでこねるようだ。センレックやセンヤイと比べてタピオカ粉の割合がかなり多め。
最後は手でつまんでとんがらせてるけど、さすがにお店が仕入れてるような工場生産のものは手作業じゃないと思う。
以前クイティアオ工場に見学に行ったことがあったがギアムイーは作ってなかった。
ギアムイーの起源
ギアムイーも他のクイティアオの米粉麺と同じく中国の潮州が発祥。ギアムイーって名前はタイ語ではなく潮州中国語の「尖米丸」の発音のタイ語化したもの。食べ方はタイのクイティアオと同様にクリアスープにルークチンなどを浮かべて食べることが多いらしい。タイでも同じくクリアスープの汁あり麺しかないけどマレーシアなどでは焼きそばみたいに炒めたギアムイーもある。
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多くの中国発祥の麺料理がそうだったようにギアムイーも東南アジア全体で食べられててそれぞれの国で呼び方も違ってたりする。香港、台湾では銀針粉(Silver needle noodle)、マレーシア、シンガポールでは老鼠粉(Rat noodle)、ベトナムではbánh bột lọc(Rice pin noodle)などなど。(※) この辺りは東南アジアの専門家『アジアトラベルノート』氏がブログに書かれてるので参照されたらいいと思う。
ギアムイーを探せ
冒頭でも書いたようにギアムイーはクイティアオ屋で用意してる麺の種類の1つという扱いなので屋台、食堂、フードコートなどなどのクイティアオ屋に行けば見つかる可能性が高い。ただし、センレックやセンヤイとは違って用意してないお店もけっこうある。ありがちなのはルークチンのクイティアオのお店、特にクイティアオケ(ก๋วยเตี๋ยวแคะ)のお店が高確率。あとヤワラーあたりの中国系タイ人のお店で潮州起源の人がやってるお店に多い。
ほとんどの場合ナムサイ(クリアスープ)のクイティアオ屋にあることが多くて鶏クイティアオやクイティアオルアみたいなナムコン(濃い系のスープ)のお店には用意してない。
🔸ギアムイー ボラン ジェースン
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ร้านเกี้ยมอี๋โบราณเจ๊ชุง
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ギアムイーを「選べる」は数多くあるけどギアムイーが1番目に書いてるクイティアオ屋はここだけ。なにしろ店名に「昔ながらのギアムイー(เกี้ยมอี๋โบราณ)」って謳ってる。
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チャルンクルンのプレンナーム交差点からすぐにある2代続く創業40のお店だけど、最初に訪問した時はあの「バミージャップガン」のある裏路地にあった。2年前に移転してエアコン付きの食堂になった。
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具材は豚モツいろいろ、ひき肉、スルメイカ、など盛りだくさん。スープは豚の風味のクリアスープ。お店特製のラー油をかけて食べるのがポイント。
🔸タンワンジェーン クイッティアオケ
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旧市街にある特大ルークチンケが美味しいクイティアオケ有名店。ルークチンケは客家発祥だけど客家郷党と潮州郷党は親和性があるんだろうか。
🔸クイッティアオケ チュラ ジャオガオ
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チュラ大エリアにあるここもクイティアオケのお店。ヤワラーエリアとホアランポーン駅を挟んで反対側にあるのでこの辺りも中国系タイ人が多いエリア。
🔸Sukta Market
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アソーク通り沿いのフードコートのお店。看板にはイェンタフォーと書いてあるけど、普通にクイティアオもメニューにあってもれなくルークチンケが載ってくる。
🔸Terminal21(Pier 21)
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เพียร์ 21
Terminal21のフードコートのクイティアオ屋のギアムイーでもギアムイーが選べる。お値段なんと27฿。
🔸SWU Canteen
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キャンパスを一般開放する木タラ火タラで駐妻に大人気のシーナカリンウィロート大学のキャンテーンにあるお店。一般開放の日に行っても学生以外は見かけない穴場。