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【絵本レビュー】 『ぐりとぐらとすみれちゃん』

作者:なかがわりえこ
絵:やまわきゆりこ
出版社:福音館書店
発行日:2003年10月

『ぐりとぐらとすみれちゃん』のあらすじ:

野ねずみのぐりとぐらのところにすみれちゃんが持ってきたのは、とびきり大きくてとっても固いかぼちゃ。すみれちゃんのお母さん秘伝のダイナミックな方法で見事に割ると、かぼちゃのお料理のはじまりです…。

絵本を作ってこられた中川さんと山脇さんが、19年ぶりに子どもたちのためにかかれた本作品は、「ことものとも」2000年4月号として発行されるや、たいへんな反響を呼びました。 「お料理すること、食べること」が大好きなぐりとぐらに、新しい友だち、すみれちゃんも加わって、子どもたちにさらに身近になった、「ぐりとぐら」

『ぐりとぐらとすみれちゃん』を読んだ感想:

子供の時読んだ時には気づかなかったことの一つ。ぐりとぐらは両方男の子だということ。読み聞かせでも読むのでちょっと声を変えなきゃと先にひと通り読むと、あれっ、二匹ともオスだ。子供の時はそんなこと全く考えていなかったですね。新たな発見で、また読むのが楽しくなります。

いいなと思ったのは、ぐりとぐらの家にすみれちゃんが突然現れること。前から知っている友達でもなさそうなのに、お土産のカボチャを持って玄関先に登場。それも全く不思議でなくて、じゃあ一緒にカボチャ料理を作ろうって、森の動物たちも参加してみんなで料理。こういうことって子供の時はよくあったのに、大人になったらみんなカレンダーを開いて、この日はダメとか、あの日はちょっととか。予期せぬことがあるから楽しみも倍増するのに予定して遊ぶのを決めるなんて、なんだか「さあ、今日は遊びの日です。きちんと楽しんでください!」って言われているようで、100%楽しめない気がします。

それにしてもカボチャ料理、とても美味しそう。日本のカボチャはとてもホクホクで、コロッケだってビスケットだってできますよね。ヨーロッパではカボチャの種類はあるのに、どれもこれも水っぽくって煮物にもできません。日本のカボチャ、食べたいなあ。

『ぐりとぐらとすみれちゃん』の作者紹介:

なかがわりえこ
作家。1935年札幌生まれ。東京都立高等保母学院卒業後、「みどり保育園」の主任保母になる。72年まで17年間勤めた。62年に出版した『いやいやえん』で厚生大臣賞、NHK児童文学奨励賞、サンケイ児童出版文化賞、野間児童文芸賞推奨作品賞を受賞。翌年『ぐりとぐら』刊行。『子犬のロクがやってきた』で毎日出版文化賞受賞。主な著書に絵本『ぐりとぐら』シリーズ、『そらいろのたね』『ももいろのきりん』、童話『かえるのエルタ』、エッセイ『絵本と私』『本・子ども・絵本』。映画「となりのトトロ」の楽曲「さんぽ」の作詞でも知られる。2013年菊池寛賞受賞。『ぐりとぐら』は現在まで10カ国語に翻訳されている。


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