【絵本レビュー】 『ぐりとぐらのえんそく』
作者:なかがわりえこ
絵:やまわきゆりこ
出版社:福音館書店
発行日:1983年3月
『ぐりとぐらのえんそく』のあらすじ:
のねずみのぐりとぐらは、お弁当の入ったリュックと水筒を持って野原へ出かけます。そこで『毛糸』を見つけた2匹は、
「どこまで続いているのかなあ・・・?」「何につながっているんだろう・・・?」
ぐりとぐらと同じように、子供たちもいろんな想像をしながらお話しの中に入ることができると思います。
横長の絵本の端まで続く、緑色の縮れた毛糸の行く先をわくわくしながら一緒に楽しんでみてください。
『ぐりとぐらのえんそく』を読んだ感想:
こんなにたくさん読んでいるのに「ぐりとぐら」が一度も出てこないなんて、と思っていた方、お待たせしました。ぐりとぐらは読み聞かせを始めた頃に何冊か読んでいます。おそらく最初に読んだ本の一冊ではないでしょうか。というのもこの数冊は最後に実家に行った時に持ってきた絵本だったことと、子供の頃に大好きで何度も読んだものなので、ぜひ息子にも紹介したいと思ったからです。
ところでこのレビューを書いて初めて知ったのですが、作家のなかがわりえこさんとイラストを描いたやまわきゆりこさんは実の姉妹なんですね。
子供の時よく読んだぐりとぐらですが、いつもすごいなと思ったのは、誰とでも友達なんですよね。勝手に人の家に入って行っても誰も怒ったりとがめたちしないし、逆にくまを野原に誘い出してお昼まで一緒に食べる。特別なことをするわけでもなく、ただ自分でいるだけで人や動物が寄って来る。子供の時友達を作るのが難しいと感じていた私には、とても不思議に感じられるとともに、ぐりとぐらみたいになりたいなあという憧れの存在でもありました。
『ぐりとぐらのえんそく』の作者紹介:
なかがわりえこ(中川李枝子)
作家。1935年札幌生まれ。東京都立高等保母学院卒業後、「みどり保育園」の主任保母になる。72年まで17年間勤めた。62年に出版した『いやいやえん』で厚生大臣賞、NHK児童文学奨励賞、サンケイ児童出版文化賞、野間児童文芸賞推奨作品賞を受賞。翌年『ぐりとぐら』刊行。『子犬のロクがやってきた』で毎日出版文化賞受賞。主な著書に絵本『ぐりとぐら』シリーズ、『そらいろのたね』『ももいろのきりん』、童話『かえるのエルタ』、エッセイ『絵本と私』『本・子ども・絵本』。映画「となりのトトロ」の楽曲「さんぽ」の作詞でも知られる。2013年菊池寛賞受賞。『ぐりとぐら』は現在まで10カ国語に翻訳されている。