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【絵本レビュー】 『ジャムつきパンとフランシス』

作者:ラッセル・ホーバン
絵:リリアン・ホーバン
訳:松岡 享子
出版社:好学社
発行日:2011年1月

『ジャムつきパンとフランシス』のあらすじ:


近ごろ「ジャムつきパンしか食べたくない」とわがままを言うフランシス。そんなフランシスに、お母さんはやさしく、かしこい作戦をじっこうすることに!!すると、フランシスは・・・?

『ジャムつきパンとフランシスし』を読んだ感想:

子供へというより、好き嫌いの多い子を持つママやパパへのヒントとなりそうなお話ですね。この本を読みながら、私の頭は自分の幼稚園時代に戻っていました。私の先生はお弁当を残すことに厳しく、食べ終わらない子がいると横に座って、終わるまで席を立たせてもらえませんでした。その時の被害者はお肉屋さんの男の子。彼のお弁当はお肉だらけだったのですが、先生に無理やり(のように見えた)食べさせられているのを見て、私は恐れおののきました。「次は私の番」と思ったら普段は食べられる量でも食べられないような気がして、お弁当の量は減り、ついにはお弁当を持っていかなくなりました。その状況はエスカレートし、とうとう私はある日幼稚園を抜け出して家へ走って帰る、という事件を引き起こしたのです。詳しい話は、また別の機会に。ただ思うのは、食べない子に無理やり食べさせるのは逆効果だし、子供にも親にもストレスにしかならないということです。1日ジャムパンしか食べなくたって虫歯にも病気にもならない、というくらいの肝っ玉を持って子育てにも取り組んでみたいものです。

『ジャムつきパンとフランシス』の作者紹介:

ラッセル・ホーバン(Russell Hoban)
1925年、ペンシルベニア州ランズディル生まれ。米国の児童文学作家。
フィラデルフィアの美術学校で学ぶ。雑誌、テレビのアートディレクター等の仕事の傍ら、創作活動を行い、’67年以降作家業に専念。愛らしいアナグマの少女フランシスを主人公とする絵本のシリーズ「おやすみなさいフランシス」(’60年)、「ジャムつきパンとフランシス」等、子供の心理を生き生きと描き、多くの子供たちの共感を呼ぶ。又空想物語「親子ネズミの冒険」(’67年)は、児童文学の古典の一つとさえいわれるファンタジー。作品のさし絵の多くは、妻リリアンが描いている。’69年英国移住後は、大人向けの小説も手がけ、SF作品「ボアズ・ヤキンのライオン」(’73年)、「リドリー・ウォーカー」等を発表。


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