話し合い(協調学習)盛り上がらない問題をAIとゲーミフィケーションで解決できそう
おはこんばんにちは!現在Lv.18のゲーミフィケーションくんです。
ゲームの可能性を大きく感じている毎日なのですが、最近「ゲームは学習にどんな貢献ができるか」ということを考えていました。
「ゲームを活用する目的」を整理する必要があるな、と。
そこで、AIは「協調学習における話し合いを文脈に沿ってゲーミフィケーションする」というめちゃめちゃ良い機能をもたらしてくれそうなことに気づいたので、そのことを書いてみます。
ただのゲームにならないように
まず、ゲーミフィケーションを考える中で、やはりゲームを目的とするか手段とするかが重要で・・・。
・目的とするなら、いわゆるゲーム
・手段とするなら、ゲーミフィケーション
という整理を意識しなきゃなあと思います。これを無視すると、ただ盛り上がるだけの授業になったり、ただ楽しいだけで、結局何を学んだんだっけ?という事になってしまいます。
「楽しい」というだけで、「従業員ロイヤリティ」という「従業員が満足してるのが大事」という話があるように、子どもへの貢献欲求の充実度が上がることで、教員のモチベーションが高まってかなりの成果は上がってくるはずなのですが、その流れでただのゲームになるにつれて本末転倒になります。
ゲーミフィケーションするのはいいけど、その目的をしっかり考えなきゃいけないよね、ということです。
協調学習の話し合いへの課題感
そこで、ゲームがどのように手段として活躍できるか、ということを考えている中、研究室の先生から紹介して頂いた論文を読んでみると、良い感じのことが書いてありました。
書いてあった内容としては、、
・協調的な学習の良いところは、話し合っているうちに「新しい知識」が生まれるところ
・その過程をより良くするために、AIって役に立ちそう!
そこで、論文の中にあった「AIに期待すること(役に立つこと)」は、たとえば、、
・AIを話し合いのメンバーに入れる
・AIがグループをうまく編成してくれる
・協調学習の評価
というような感じの内容でした。
ただ、たしかになあと思いながらも、AIが協調的な学習をよりよくする方法にはもっと別のものを期待していて・・・。
「協調学習における問題ってそこだっけ?」ということです。
まず、実際に協調学習にあたるだろうなっていう場面からの経験上、一番最初に手を付けないといけないなと感じているのは、「話し合い盛り上がらない問題」です。
大学の講義でグループセッションしようみたいなことでグループ分けされて話し合うことがあるのですが、盛り上がらないことには協調学習の目的である「新しい知識創出」も何もないのですよね。
世に言われる意味のないミーティング状態です。
具体的に大学であった状況としては、
・誰かが自身で調べてきた文献を棒読みする
・「質問ありますか?」「・・・。」
・それっぽいコメントをする
・次の人が棒読みを始める
という感じで、とにかくテンションが低いのですよね。
でも、司会をがんばって、冗談を言って温めてみたり、互いの知識をつなげて、おおげさに「つながった!おもしろい!」とか言って「新しい知識創出」をうまくやると、みんな成果が出ている感を感じてきて、前のめりになって議論に参加してくれます。
でもこのあいだ議論が始まる前にトイレに行きたくなって、トイレを済ませた後司会なしの議論の様子を見ると、先ほどの「棒読み」して「誰も聞いていない」、「早く終わらせたい雰囲気が漂っている」という状況が広がっていて、「これは協調学習とか言ってる場合ではないのでは?」と思ったという事です。
個々人の司会能力に頼っているようでは、あまりに属人的で、グループを作って放置しても何も生まれないです。班机にしたら協調学習が始まるなんてことはありません。
というので、僕がAIに期待しているのは、議論を盛り上げること、つまり、話し合いをゲーミフィケーションして、神ゲー化してくれることです。
つまり、教育においてゲームがうまく手段として機能してくれるポイントは、「協調学習盛り上がらない問題」「ゲーミフィケーション」「AI」が交差するこの場面なのではないかと。
論文を見ていると難しいことが書いてあって、とても納得感はあり、すごい先生の実践とかが書いてあるんですけど・・・。そんな盛り上げ上手な先生を各クラスに用意するのはキツイのでは!?と思います。
魔王を倒す方法を議論するより、まず「盛り上がらない問題」というスライムを倒していきたいな、と思っていたりします。
協調学習において重要なのは、まず前提として盛り上がることなので、そこをAIがんばって!ということです。
具体的に考えてみる
まず、ゲームで実際に話し合いの場面があるものといえば、
・「Among us(人狼ゲームみたいなもの)」の投票前会議
・人狼ゲームなどのリアル上で行う会議
・『モンスターハンター』や戦場バトル形のゲームなどの戦闘ゲームでのプレーヤー間のチャット
などです。
これらはどれも、解決すべき課題が明確なコンテンツとして存在するのに対して、それを話題にコミュニケーションをとっている形です。
で、これらのゲームの実況などを見ていると、やっぱり誰か司会が上手い人がいないと話し合いがうまくいっていなかったり、気まずい感じになっているのですよね・・・。
つまり、ゲームの技術をもってしても、議論を盛り上げるというところはうまくいっていないということです。
ということは、ここがAIの頑張りどころなのではないかと思っています。
一言でいえば、「上手く司会をしてくれることをAIに期待している」ということです。
どんな感じになるんだろう(今までやってきたことの代替編)
自分が司会をしている時に担っている機能をそのまま再現してもらおうと考えると、、
まず人狼とかのアプリ版とかでは、「今何を話し合う時間か」を明確に示してくれたりします。これは司会をすると「目標の明確化」としてとても重要な役割を担ってくれています。これはAIでなくてもできます。
で、話しやすさというのはとても重要で、、これは冗談を飛ばすとかでもいいのですが、最近はホワイトボードに変な落書きするといったことで代用しています。というので、会議ソフトをポップなUIにできるとかでいけます。実際に話し合う目的によってポップな会議室でラフに話すというのは行われています。
やはり問題になってくるのは、文脈にそったものです。たとえば、「次に何を話し合うかを決める」とか、「結論を決める」とかです。
このへんは、AIが介入すると意見をねじまげてしまうのでは?と思ってしまいます。
ただ、現状機械学習では文意を理解していない一方で、よくあるテーマに関する話し合いではかなりパターン認識できます。
つまり、話し合う人が自身の考えには主権をもちながら、AIに議論を進めてもらうことできるということです。
簡単な仕組みで、「そろそろ意見は出尽くしたかな?」というタイミングを発言の音量や発言数で判断し、そろそろ「やることリストの作成に入りますか?」ということを自動で表示してくれる、ということならできそうです。
これはif文とかの条件分岐ではありますが、司会をしてくれるシステムとしてほしいです。
他にも、司会がよくやっている、
・参加者の意見の要約
・ホワイトボードに議題を書く
・図解の作成
を自動化してくれると、一気に道筋が見えてきてゲーミフィケーションしてくれるはずです。
「今までやってきたことの代替」の部分は、AIが音声認識などをしっかりやってっくれれば、大部分代替できそうです。
どんな感じになるんだろう(今までできなかったことの実現編)
ゲーミフィケーションといえば、やはり代表になってくるのは
・バッジシステム
・称賛の演出
・クイズ
などです。
たとえば、
・よく発言した人を音声解析してバッジを付与する
・会議が終了したときに、「おつかれさまでした!この会議はよりよい発想を生み、プロジェクトを前に進めました!」といった表記がクラッカーを鳴らしたような演出で出てくる
・ざっくりとした会議の要約やキーワード、それぞれの段階で費やした時間や、音声解析による白熱度が表示される。
・「ネプリーグ」でやっているような、みんなで構成員の学習履歴に合わせてレコメンドされたクイズに答えていくゲームみたいにする(話し合いアリ)
こんな感じで、一部AIでなくても実現できそうなものもありますが、殺風景な話し合いも、文脈に沿った内容を反映したゲーミフィケーションという新しい可能性で楽しいものになり、「協調学習盛り上がらない問題」も解決できそうだなあ、と。
これらは司会をやっていても、なかなか実現が難しいものでした。
あと、車が急発進したら「急発進は危険です!」と声が出てくるナビがあったりしますが、AIが会話の内容を分析して、「その言葉遣いは人を傷つけている可能性があります」とか言ってくれたら、上司に注意できないという話し合いのジレンマを解決してくれそう・・・。
「同じ話題が1時間続いています、次の話題へ入りましょう」とかの機能もほしいです。
「通常より早い時間で話し合いを進めることができています」とか言ってバッジをくれたら嬉しい、、!
「今までできなかったことの実現」に関しては、AI特有の文章解析と、そこにゲーミフィケーションを掛け算することを通して、話し合いを活性化してくれそうです。
ということで
AIに期待することは、「話し合いを文脈に沿ってゲーミフィケーションする」という感じでした。
こんなことを考えていると、AIによってゲームはどんなふうになっていくんだろうか、ということが非常に楽しみになってきました。
AIで議論を活発化させようとか考えると、必ずゲームっぽくなる方向に進むはずなので、ゲーミフィケーションは注目されそうで嬉しいです!
では!