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正しいシャンプー方法

美容室を経営していると様々なヘアケア商品を各メーカーさんからおススメされます。
スタイリング剤やトリートメント、日焼け止めなどなど
正直な感想を言うとそこまで真新しいものはあまりありませんが、各メーカーさんは本当にお客様のニーズを掴んで切磋琢磨してるんだなぁと感心しています。
今日はヘアケア商品の中でも唯一「洗う」という事が出来るシャンプー

シャンプーの重要性についてまた長文を書いてしまいました

特に頭皮の事が気になる方、シャンプーなんて何でも良いじゃん!と「お気に入り」が定まっていない方に読んで頂けると幸いです

オススメシャンプーの記事を見て思う事

「今買うべきお勧めシャンプー10選」とか、「本当に良いシャンプーランキング」とか、「美容師が認めたシャンプー」等の謳い文句でそれはもう星の数ほど、とまでは言いませんが様々なシャンプーが販売されています

そもそもの話なんですけど、この「おススメシャンプー記事」は誰が書いたんでしょうか?
「美容師が認める」って何処の美容師さんがおススメしてるんでしょうか?

「おススメ」だけでは飽き足らず「使ってはいけないシャンプー10選」等の記事まであったりして、逆に興味が湧いちゃって購入してみたけど、別にそんなに悪くない

このようにシャンプーだけでも様々な情報が乱立していますが
まずはその記事を「誰が何の為に書いたのか」から見ていかないと本当に良い商品にはなかなか出逢えません

本当に良い商品って何なんでしょうか?

そもそもの話なのですが、ヘアケア商品を作る各メーカー様方が
「絶対に売れようようが無い商品」を販売すると思いますか?

よーし、このメチャクチャ洗浄力の強いシャンプーで洗ったら
頭皮はカッサカサになるし、髪なんて洗う度に細胞が死滅しちゃって
洗えば洗うほどパサつきが止まらない事間違いなし!
アレルギー成分もタップリ入れておいたから、痒くて痒くて夜中は寝れないぞーイヒヒヒヒヒヒヒヒ!!!

って、逆にこんなメーカーがあったら気になって購入しちゃいます

「シャンプー」という言葉は、古代インドの「押し出す」という言葉を語源にしているといわれていて、髪や頭皮の汚れを落とすことが目的なのですが、あまりに強い洗浄力のシャンプーは確かに頭髪や頭皮を傷める可能性がありますので、最近のシャンプーは、頭皮や頭髪に負担をかけないように洗浄力は少し抑え目にしてありますが

がっ!!

シャンプーが取り除くべき「汚れ」には、汗や皮脂、ふけ、ワックスやヘアオイルなどの毛髪用化粧品の残り、それから空気中のちりやほこりがあります。

これって弱い洗浄力でしっかりと落とせるものなのでしょうか?
落とせない場合頭皮の正常性は保てるのでしょうか?

「市販のシャンプー」と「美容室のシャンプー」の違い

美容室のシャンプーは高級でちょっと手が出ないってよく言われますが
美容室で販売しているシャンプーとはいえ値段もその効能も様々です

僕達美容師は「髪のプロ」なので、プロの人達がおススメしているものは良いモノだろうという発想だと思うのですが、美容師が商品を製造している訳では無いので、使用してみての良し悪しは美容師の「肌感覚」になります

勿論、責任をもってお勧めしたいから商品についてあれやこれやと理論も含めて学んんでいるので、美容室のシャンプーは「信頼できるシャンプーのアドバイザー」が付いて説明をしてもらえて、且つ自分に合ったシャンプーを提案してくれることが一番の利点です

量はこのくらいで、すすぎはこんな感じでやって、その後にこれを付けて
ってまるでソムリエの様に説明出来ます

さて、市販のシャンプーはどうでしょうか?
まず基本的にシャンプーソムリエが横についていないので、その商品の良さをCM等で伝えていくのですが

うわっ!使ってみたい!!

ってインパクトが大事なのでどうしてもキャッチコピーが必要になります

それで「何が自分に合ったシャンプーなのか??」の判断基準は、その商品に書いてある「世界が嫉妬する髪へ」や「日本の女性は、美しい」や「ずっとずっと香る髪」などなど言葉のプロの方々が考え出したキャッチコピーで商品を判断せざるを得ないのです

重要なのは商品のキャッチコピー

そして、決して批判している訳ではありませんが、市販の商品はその特性上、使用して数日以内に

あっこれ良いかも!

って思われるように作らなければなりません
勿論誰も説明してくれないので判断するのは商品購入をする方の判断のみ
どうしても手っ取り早く結果が出るような商品を作らざるを得ません

だって、すぐにサラサラになりたいでしょ
すぐにかゆみを抑えて欲しいでしょ
すぐにシットリとした髪が欲しいでしょ

だから、大手メーカーさんはその期待に応えているだけなんです
その為に不本意な材料だって入れちゃいます
仕方ないもん、売れなきゃダメなんだから

それからキャッチコピーやボトルデザインやCMに起用する女優さんを決定したら、販売ルートを確保するための営業、販促の為のチラシやポップ制作

そこに十分な費用をかけているのに¥500くらいで購入できるって凄くないですか?

そこまで色んな人が努力しているのに
「使用しない方が良いシャンプー10選」に選ばれたら最悪でしょ
そこまで努力をしているので本当に市販のシャンプーって素晴らしい仕事をしていると思います

美容室のシャンプーは美容師と言うシャンプーソムリエがついている事が利点
市販のシャンプーは大手企業が才能ある人達を雇って普通の商品を安価で提供出来る事が利点

どっちも悪くないんです

結局僕が言いたいのは「自分の髪や頭皮の事をシャンプーだけのせいにするな!」って事

そして「シャンプーをすると言う行為を甘く見るな!」って事なんです

櫛通りが良くなるもの

って偉そうに言ってますけど
髪って皆さんが知らない間に色んなものが付着しています
何も付けていなくてもシャンプーやトリートメントに色んな成分が入っているからです

洗うだけでサラサラになるって洗濯物だとあり得ますか?
そういう事です

そこで、子供の髪を思い出してみて下さい
子供の髪ってメッチャ綺麗でサラサラしてませんか?
なのに、濡れるとビックリするくらい櫛が通らない
カラーやパーマ等、何もしていないのに何でこんな事になるのか?
それは、髪のpHに対して水のpHが高いからなんです

髪のpHは4.5~5.5に対して水のpHは7になるのですが
ここに対して膨潤作用と言うものが働きます

ペーハーって高くなるとヒロガル
ペーハーって低くなるとチジム

水に触れた髪は表面(キューティクル)がふやけちゃって、お互いにマジックテープみたいになっちゃって絡み合うから櫛が通らなくなる
でも、何も付けてなくても子供の髪は乾くとメチャクチャ綺麗です

それが髪
それが髪なんですよ

なのに濡れても櫛通りが良い方が良いとか
乾いてもしっとりしていたいとか
色んな事を言うから「櫛通りが良くなるもの」をシャンプーに入れなきゃいけなくなるし、大人になると更にオイルやクリームを付けたがる

本当の髪は濡れたら絡まるんです
水のペーハーがそうしますからダメージではありません
それよりもこの「櫛通りが良くなるもの」が頭皮に残留し続ける事の方が怖いんです

シャンプーは重要な生活行為

トイレに行った後にお尻を拭きますか?
ご飯を食べた後に歯を磨きますか?
シャンプー後のすすぎをしっかりとしていますか?

頭皮は体の中でも強く、トラブルがあったとしても頭皮湿疹程度で
殆どの人があまり注目していませんが頭皮には「毛母細胞」と言われる髪の毛を作る細胞が存在します

髪の毛は切っても伸びるからねーって、確かにそうですが
頭皮トラブルで伸びなくなったらどうしますか?

髪を作物に捉えたとして頭皮は大地なんです
アースなんですよ

そこに何を付けるのか
どうやってアースの正常性を保つのかが重要なのに
皆、頭皮に甘えちゃってちっとも大事にしようとしていない
頭皮の細胞が髪作ってるんです!!

これは頭皮と言うアースを守る戦い
寝る前に何かわからないオイルを付けた
それが頭皮に付いた

朝からヘアアイロンをしてスプレーかけた
それが頭皮に付いた

お仕事して雨が降ってきた
それが頭皮に付いた

新しいシャンプーはシットリする洗浄力が低いシャンプー
それが頭皮に付いた

頭皮に付いた、頭皮に付いた、頭皮に付いた
大地が弱る、弱った大地が作物を作る、その作物は弱ってる

そんな事を僕は頭皮にさせたくないから言いたいことがあります
「毎日やるシャンプーをなめるな」と

問題なのはシャンプー剤ではなくケアの仕方なんです

まずはしっかりとお湯で今日の汚れを流しましょう
水は万能です、色々と落としてくれるし、それが温かい(お湯)なのであれば脂も溶かしてくれます

本当にしっかりやってみて下さい
シャンプーの泡立ちが変わってきますので

そして、しっかりと揉むように頭皮を洗ってください
泡が無くなるまでがベスト
泡って汚れを包んでくれるんです

そこまで出来たらメチャクチャ流してください!
気になる人はもう一回シャンプーしたほうが良い
でも、本気で流してください!

歯を磨いた後くらい!!トイレに行った後くらい!!
シャンプーって髪を守る為の大事な行為なんです

頭皮を守る事が髪を作る土台を作る
だから頭皮環境を最善にする為に洗い方を工夫して欲しい

強いて言うならばお勧めのシャンプーは
ヘアケア発想のシャンプーよりはスキンケア発想のシャンプーの方が頭皮には良いので弱酸性で在りながら、それなりの洗浄力があるもの。
様々な「櫛通りが良くなるもの」の成分が天然成分であるもの。

がおススメなのですが前述したように各メーカーさん様々な努力をしてシャンプーを作っているので、匂いやメーカーやキャッチフレーズで自分が「好きだ」って思ったら、どんなシャンプーを使ったって良いんです

大事なことはシャンプーを「髪を守るための大事な行為」と思っていただくこと
決して「ただ、洗うだけ」のものではないという事を理解して頂くと幸いです
シャンプーにとって大事なことは「商品」だけではなく「個人の扱い方」だという事です

自分の髪を大事にしたい方に捧げます
最後まで長い文章をありがとうございました


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