Definitely日本一わかりやすいオアシス入門...Maybe
イナズマイレブンで真似できそうな技と言えばトリプルディフェンスだよね、どうも○代目です。
イナズマイレブン懐かしいですよね。僕はちょうど世代ドンピシャだったので学校でよく真似たりしてたんですけど、その頃の保健室といえばキラースライド(という名のシンプルな削り)で負傷者がごった返してましたよね。平成10〜15年生まれの皆さんならピンと来るはずです。冒頭で触れたトリプルディフェンスという技なんですけど、ゴールキーパーの円堂守の背中をディフェンダーの栗松と壁山が支えて守るっていう技で、初代イナズマイレブンのキャッチ技の中でも一番TPの消費が大きい技だったりします。この技、さっきも言った通り壁山くんが必要なわけで、ん?壁山???壁...Wall...ハッ!!!
お前は俺にとってのWonderwallだ!、でお馴染みイギリスを代表するロックバンド、オアシスが15年ぶりに復活を宣言しましたね!
筆者も昔は近所の床屋で95年のグラストンベリーの時のリアムギャラガーと同じにしてくださいって注文して店員さん困らせてたギャラガーキッズだったので、まさかこうして袂を分かった兄弟がまたバンドを動かすというのは非常に感慨深い次第でございます。
しかもしかももう既に申し込んだ方もいると思うんですけど、来年の10月に日本公演も決定ということで、日本含め世界中でオアシスに注目が集まっている次第でございます。
とはいえ、もうかれこれ全盛期は90年代、しかも解散から15年近く経っているということを踏まえると、改めてオアシスってどういうところが凄いんですか???っていう若いリスナーの人多いと思うんですよね。かくいう筆者もオアシスが解散した時は小学生とかで、初めて音源を購入したのも解散後にリリースされたベスト盤の「TIME FRIES」なもんですので、リアルタイムでの熱狂ぶりとかは全然わからないんですよね。
でめっちゃ前置き長くてあれなんですけど、今回この記事を書こうと思ったきっかけも、さっきあった通り来年開催の来日公演がきっかけでして。というのも今回の来日公演なんですけど一応彼女さんと行こうって約束を再結成のニュース(つまり来日公演がアナウンスされる前)時点でしてたんですけど、いざ来日公演発表されたらチケットかなり高い値段設定だったじゃないですか。それで彼女さんが「私オアシス2曲くらいしか知らないニワカなのに、この値段で行けるほど熱量が無いよ」と言われてしまいましてね笑。まぁ非常に困ったと。で今回の来日公演ってリアルタイムでしっかり追いかけてた長年のファンや僕みたいな完全後追い、さらには彼女さんのようになんとなく名前は知ってるけどとりあえず見てみたいなって人、それ全てひっくるめてガッツリ篩にかけるような値段設定になってるんで、ある意味オアシスに対する本気度を試されてる感があるかなとは思うんですよ。だがしかしここであえて筆者は言いたい!
オアシスは全然ニワカでも楽しめるよ!ってことを。
そう!今回のこの記事はこれからオアシス聴いてみるよ!って人も、オアシス全然知らないけどとりあえずライブ申し込んじゃった!って人も、筆者みたいにほぼほぼ1stと2ndしか聴いてないのにファンの顔してるファッキンニワカ野郎でも、気軽にオアシスを楽しもうよって感じでオアシスの良いところをさっくり紹介しよう!っていうゆるゆる記事なわけなんすよ。
ざっくりオアシスの詳細
じゃ簡単にオアシスというバンドの紹介なんですが、具体的な時系列とかはwikiとかで見ればあれなんで簡単なプロフィールについて紹介します。
91年にリアムギャラガーというフリーターがマンチェスターで活動してたアマチュアバンドを乗っ取りオアシスという名前に改名するところから始まり、その後兄のノエルギャラガーがリーダーとしてまたしてもバンドを乗っ取るというところから本格的に活動が始まります。
94年に「Supersonic」でデビューするやいなや、曲の良さと口の悪さで一気にスターダムに。紆余曲折を得ながらも、最終的にリアムが兄弟喧嘩の最中ノエルのギターを叩き割るという暴挙に出たことで、ノエルがLook Back In Anger(脱退)してしまい2009年に解散。デビューからの解散まで15年とM-1グランプリにギリ参加できるぐらいの期間活動してたわけですが、それまでの間イギリスの国民的ロックバンドとして常にトップに君臨し続けたわけでございます。
日本でも頻繁にCMとかで使われてて、特に有名なのはこの「Whatever」ですね。眉毛が繋がってるふてぶてしいボーカルと、眉毛が繋がってるポテト一気喰いしてるギターの男がいますね。おおかたこの二人だけ覚えていれば大丈夫です。
あと有名なのはこの曲ですね。一聴しただけでわかる名曲の佇まいといいますか、僕もそうなんですけど初めて聴いた時からうわっこれ名曲やん...っていう、万人が納得できる名曲ってこういうこと言うんですよね。ミニストップのソフトクリームと一緒です。うわっこれ絶対美味しいやつやんって感情と一緒です。
ではメンバー紹介もしたいと思います。
・ノエルギャラガー
ギャラガー兄弟の眉毛が太い方です。リードギターと作詞作曲担当、ボーカルも時々します。「Don't Look Back In Anger」はノエルがボーカルですね。オアシスのブレインといっても過言ではなく、彼がバンドの決定権を握っています。
イギリスを代表するメロディメイカーとして知られており、シンプルかつわかりやすいメロディを武器にオアシスをメガバンドに導きました。あとこれはめちゃくちゃ見落とされがちなんですけど、個人的には過小評価されてるギタリストの一人だと思ってて。確かに技術面で見れば物足りなさを感じる人はいると思うんですけど、やっぱり彼自身曲も作れてボーカルもできる人なのでいいギターソロを作れるんですよね。伸びやかでブルージーなギターソロこそ、オアシスが世界屈指のギターロックたる所以でもあります。
またオアシスといえば非常に暴言に定評(?)があるバンドでございまして、名だたる暴言の中でも特に炎上したものは大体ノエル発信なんですけど、口の悪さに隠れがちですが性格は内向的で割とナイーブな気質なのかなと思います。ただそんなナイーブな気質が楽曲にも反映されてるのも、オアシスが万人に受け入れられやすい要因なのかもしれませんね。
・リアムギャラガー
ギャラガー兄弟の眉毛が太い方です。オアシスのフロントマン、武器はタンバリンとTwitterです。オアシス成功の要因はノエルギャラガーの楽曲の魅力以上に、フロントマンとしての彼のロックスター然とした立ち振る舞いと声の良さにあるといっても間違いないです。
"ジョンレノンとジョンライドンを足して2で割った声質"という、いわばイギリスの労働者階級出身の名ボーカルから引き合いに出されるようなシャープかつ鋭い声質が持ち味です。この声こそがノエルの紡ぐメロディアスな楽曲の魅力をさらに増幅させるというか、楽曲により壮大さを付加させるのです。一方で米津玄師がリアムの歌い方はボイトレで教わったことと真逆のやっちゃいけない歌い方をしてると評されるように、いわば吐き捨てるように叫ぶ感じの歌い方なので事実活動後期になるほど自分のクビを絞めるハメになるんですけど、この明快なスタイルが逆に歌いやすさを演出しており、オアシスのライブ特有のオーディエンスの大合唱を生み出しているのかもしれません。
オアシスの中でもお騒がせ担当としてわがままな末っ子ポジションのリアムですが、性格は内向的なノエルとは真逆で馬鹿正直なアッパーな気質があります。彼の底抜けない自信溢れる堂々した姿こそ、多くのリスナーに勇気を与えたのも事実で、現在でもカルチャーアイコンとしてリスペクトを集める要因でもあります。
・その他メンバー
正直、ギャラガー兄弟以外のメンバーはいてもいなくてもって感じなので、ここでは一応正規メンバーとして加入してた人だけざっくり紹介しますん。
・ボーンヘッド
ギャラガー兄弟の飲み友。オアシスの元になったバンドは彼が結成したのだが、結果ギャラガー兄弟に乗っ取られるハメに。リアムとは親友、そのリアムと5歳離れてるノエルとも歳が近いので、なにかと揉めがちなギャラガー兄弟の繋ぎ役的な人。99年に脱退。
・ギグジー
あまりにも喋らなすぎて情報が少なすぎる初代ベース担当。「Don't Look Back In Anger」のボーカルをどっちが歌うかで揉めてたギャラガー兄弟を、クリケットのバットでボコボコにしたという武闘派エピソードがある人。99年脱退。
・トニーマッキャロル
ドラム下手すぎてMVで生き埋めにされた初代ドラマー。この人に関しては嘘かホントかレベルでわからないいじめられエピソードが多いのだが、割と本人にも落ち度があるっぽいのでなんとも言えねぇ...。95年脱退。
・アランホワイト
同姓同名のドラマーがイエスにいる人。オアシスのドラムといえばこの人っていう意見が多く、手数の多いきめ細かなスタイルが印象的。バンドの練習をすっぽかしてデートに行ってたのがばれてクビになったらしい。2004年脱退。
・アンディベル
オアシスの二代目ベースなんだけど、この人に関してはあのシューゲイザー御三家のライドのフロントマンって印象が強いっすよね。あんなバリバリ良い曲作ってガンガンギター鳴らして歌ってた人が、ギャラガー兄弟を前にしたら後ろでひっそりとベース弾いてるだけになるなんて...。
・ゲムアーチャー
ボーンヘッドの後釜なのだが、いかんせんこの人に関しては特筆するほどエピソードが出てこねえ。ベジタリアンなのにめっちゃ胸筋あるってことくらいしかわからん。
オアシスの魅力とは?
ではここからはオアシスの魅力について迫っていく、いや、むしろオアシスってこんな感じで楽しめるバンドよっていうのを知ってもらうコーナーになってます。
[魅力その1]超王道、だがそれが良い
オアシスの曲はわかりやすいくらい超王道のロックです。
良いメロディと良いバンドアンサンブルと良いボーカル、ほんとにこれだけなんです。
ギター初心者とかでコード弾きから始めた人ならわかると思うんですけど、オアシスの曲って結構簡単に弾けるコードだけで構成されてるし、テンポもゆったりしてるんでめっちゃ弾きやすいんでよね。
このわかりやすさともったりした感じが嫌いな人はやっぱり一定数いるというか、もっと面白いことやってくれよ的なとこはあると思うんですけど、筆者から言わせればオアシスって刺身みたいなもんで、味付けとか一切なしで素材の一発勝負的な良さが魅力だと思うんですよ。
プレスリーから始まりビートルズによってよりアートとして拡張をし続けたロックの世界において、やっぱり個性をつけるためにはそれなりに小細工とかアイデアを捻ったりする必要があると思うんですよ。でもオアシス見てくださいよ、リアムの声とノエルのわかりやすいメロディだけですよ?清々しいまでにどストレートなのに時代を制した、いや、逆により複雑になる大衆音楽の世界でここまで明確にわかりやすくストレートな曲をやる存在がいなかったし、それは今見ても唯一無二。だから今でも多くの人々に聴かれてるんだと思われます。
[魅力その2]ニワカでも許されるバンド
皆さん、特定のアーティストのファンだと公言する時、そのアーティストの作品を全部網羅してないとファンって言っちゃいけないんじゃね?って思ったことありません?
例えばニルヴァーナなんかだと有名な「Nevermindr」はめっちゃ好きだし、カートかっこいいからファンって言いたいけど、他の熱心なファンみたいに最高傑作は「In Utero」だろ!って言えるほど「In Utero」暗くて好きじゃないし、かといってデビュー作も荒っぽくて好きじゃないしな...あれ俺もしかしてニワカ???みたいな感じのやつです。ニワカ乙wwwって言われて馬鹿にされるの、やっぱ気分良くないじゃんね。
ただオアシスってそういうニワカな人にも寛容なバンドだと思ってて。というのもこのバンドって「Definetely Maybe」と「(What's The Story?) Morning Glory」っていう、ロック史に残る不屈な名盤を最初の2枚で作っちゃったのもあって、人気な曲大体この2枚に集中してるんですよね。
実際解散後のノエルとリアムのソロも、オアシスの曲やるってなったら大体この2枚からの曲だし、再結成発表の公式Twitterの動画もこの2枚からの選曲なんで、バンド側もこの2枚で充分だべってスタンスなんですよね。
あと魅力その1でも書いたんですけど、オアシスの楽曲って超王道が売りではあるんですけど、やっぱり時代の流れ的にレディオヘッドみたいなオアシスと真逆のアプローチのアイデア勝負のバンドが台頭したのもあって、3作目以降は拡張と実験を繰り返したっていう歴史がありまして。で結果的に駄作とまでは言わねえけど傑作とは言えねえなっていうアルバムを量産するバンドになったのは事実でして、曲単位で見れば良い曲は相変わらずあるけどアルバムで見ると1作目と2作目の呪縛と葛藤していた歴史があります。
そんなわけなので1作目と2作目はもうみんなが大好きな名盤という共通認識があり、3作目以降は個人の判断に任せるって感じなので、1作目と2作目、あとその時期のB面曲を集めた「Masterplan」ってアルバムだけ抑えておけば、堂々と胸を張ってファンです!って言えるバンドだと思います。
[魅力その3]着飾らない、庶民派ロックスターとしての魅力
オアシスが今でも愛される理由の一つが、その音楽性と同時にファッションアイコンとしても魅力があるってところが大きいと思います。(特にリアム)
特に90年代の彼らはほぼ普段着でステージに上がって大観衆沸かせてって感じで、ほんとに近所の兄ちゃんたちがロックスターになった的な憧れと同時に親しみやすさがあったのも魅力だと思うんですよ。
だってこのゆるゆる私服でもこんだけオラつけられるのオアシスだけでしょ?ノエルなんてこんなガンつけてんのに、謎Vネックのトレーナーからチラ見えするインナーのびろびろ具合見てるとなんか怖さ半減というか、親近感わきわきって感じですよね。
モッズコート、ネルシャツ、ニット、ジャージみたいなザ定番アイテムや、UMBROのシャカシャカみたいなトレードマーク的なアイテムもいいですね。結構真似しやすいというか、割と今でも通用しそうなスタイルなのも魅力的です。最近だと古着界隈でヴィンテージのサッカーユニフォームが人気アイテムになってて、特にギャラガー兄弟の着ていたマンチェスターシティの90年代のユニフォームなんかは、シティ自体が弱小だったこともありあまり市場に出回ってなかったことも災いして1着9万とかで売られてたりすることがありますね。オアシスの来日公演s席三人分の値段です。(逆にシティのライバルのユナイテッドは全盛期だったこともあり、古着屋とかでも比較的安値で出回ってる印象)
カジュアルな90年代と一転して、2000年代になるとスタイリッシュなモッズファッションへと切り替わる感じも年相応な感じでいいですね。
デビュー曲の「Supersonic」の最初のリリックが"俺は俺自身でいる必要がある"と高らかに宣言してるだけあって、ありのままであり続ける=それがかっこいいをブレずにやってる(音楽面ではちょっとブレるが)ところこそ彼らの魅力でもあります。
再結成と同時に発表された最新のアー写、二人のおっさんが立ってるだけなのに、これがオアシスと言われると妙な説得感が生まれるのも彼らのブレない姿勢が今も根付いてる証拠だと思います。
簡単アルバムレビュー
ここのチャプターではオアシスの各アルバムの簡単なレビューをするのだが、基本的にはこのバンドに関しては初期の2作とB面集の「Masterplan」は大体の主要曲は事足ります。とはいえ全作品ある程度把握はしておきたいよねって人のためにも、一応全アルバムの簡単な概要を紹介します。アルバム数もそこまで多くはないんで一通り聴けるとは思うんですけど、決して全部が全部傑作では無くある程度ダルいな笑って思わせる瞬間も多いバンドなので、そこも踏まえて各作品を楽しんでいただければと思う。
それではこれぞ必聴というものから。
まずはUKロック史を代表する超名盤「(What's The Story) Morning Glory」だ。何年か前にYouTuberのみのミュージックがやってた視聴者投票の洋楽アルバムランキングでも1位の作品で、日本の洋楽リスナー全体でもこの作品をフェイバリットに上げるくらい人気のある作品だ。
前作「Definitely Maybe」でのサイケ・シューゲイザー感が抜けたことで、良い意味でブラッシュアップされた王道ギターロックな作風という感じで、アコースティック系の楽曲も増えたこと、またドラムも手数の多いアランホワイトに変わったことで、全体的に洗練されたスタイリッシュな気すら感じさせる。
またアルバムの構成力という点でも秀逸なのが本作の魅力で「Hello」、「Roll with It」の明快なナンバーで始まり、「Wonderwall」、「Don't Look Back In Anger」、「Hey Now」というセンチなナンバーでしっとりさせ、「Some Might Say」でパッキリと決め、「Cast No Shadow」、「She's Electric」で軽快にさせてからの「Morning Glory」で一気にぶち上げて「Champagne Supernova」で締めるという流れは圧巻。全曲名曲の文句無しの名盤とはまさにこの作品のことです。
続いて時代は前後しますが、彼らの原点にして頂点なデビューアルバム「Definitely Maybe」。先ほど紹介した「Morning Glory」なんかと並んで代表作と称される作品ですが、ギターバンドとしてのオアシスが好きって人なんかはどっちかというと今作をフェイバリットにあげる印象があります。
ブラーの「Parklife」と並んでブリットポップの時代の幕開けの象徴的な作品と題されることが多いが、ブリットポップ以前に流行ったマッドチェスターとシューゲイザーの残り香が作品全体にまだあり、特に顕著なのはギターサウンドの独特のサイケ的なゆらめき具合が本作の特徴だろう。
また今作のみドラムをトニーマッキャロルが担当してるのだが、このトニーのドラムというのが本当に単調といいいますか、オアシスがリズムアプローチの面で退屈なバンドとも罵られる所以が全部詰まったプレイをしているわけで。だが逆にこののっぺりさが独特の風味になってるといいますか、むしろトニーのドラムに注視しなくていい分、今作の持ち味であるギターサウンドのかっこよさが伝わってくるのではとも思います。
続いてはオリジナルアルバムでは無いのだが、いわゆるオアシス全盛期の90年代に発表されたシングルのカップリングのうち人気なものを集めたB面集「The Masterplan」だ。
とにかく聴いてもらえばわかるのだが、カップリングとして終わらすには勿体無いレベルの名曲ばかりの作品である。ライブでは定番曲の「Acquisce」や「Talk Tonight」をはじめ、「Fade Away」、「Rockin' Chair」、「Stay Young」などなど、普通にシングルの表題曲として発表しても売れるでしょレベルの曲ばかりである。いかに当時のノエルギャラガーがソングライティング面で絶好調(とはいえオアシスの主要な楽曲はデビュー前の時点で完成していたという噂もあるのだが)だったかがわかる一枚となっている。
ここまでがオアシスというバンドを攻略する上で必聴の作品なのだが、上述したように基本的にオアシスはこの3枚、つまり94〜96年の時期に活動のピークを迎えてしまったということになる。この事実に関してはもうしょうがないというか、本人たちも認めている事実なので笑。
ただ以降の作品もダメダメだったかというと、駄作まではいかないけど良作止まりのアルバムが多いという印象。というのもやっぱりノエルのソングライティングの良さでなんとかある程度のクオリティを担保出来てたというのが実情で、しかもそこにノエル以外のメンバー、特にリアムも良い曲を書けるようになったというところも見どころではあるわけです。ただ一方でライブに関しては過重労働と不摂生が祟ってリアムの喉のコンディションの波が激しくなり、後期になればなるほどゲロ声とも揶揄されるレベルに。
では以降の作品についてもさらっと触れていこうと思う。
長えよでお馴染み3作目の「Be Here Now」。頑なに今作を傑作というファンも一定数いるくらい、やはり90年代のオアシスマジックは健在な作品で、「Stand By Me」、「Don't Go Away」、「All Around The World」と名曲は多いのも事実。しかし今作を駄作と評する人も多いのも事実で、やはり今作のウィークポイントとなるのが"長い"という事実。曲が長い、特にアウトロがだらだらしてて長いし歯切れの悪いものが多い。初期2作でもちょいちょい垣間見えてたノエルギャラガーさんの悪いところが今作では遺憾無く発揮されており、まず一曲目の時点で終わりが見えないレベルでアウトロがタラタラしててもうなんだかって感じ。しかも時代はレディヘの「OK Computer」のヒットもありブリットポップブーム自体が終わりの中で、このダラダラした楽曲群がいかにも祭り終わりの未練タラタラ感を表現してて、そういったのもあってノエル本人も駄作認定されてるものの、一曲一曲はやっぱり良いっていうのが今作の印象。
冒頭のタイトルトラックだけ未だに擦られがち〜でお馴染み4作目です。今作はリリース前にボーンヘッドとギグジーが脱退ということで、二人の担当箇所を全部ノエルさんの方で録り直すことになった一枚でもある。「Be Here Now」が前作「Morning Glory」からの延長線的な作風になってしまったことの反省として、今作は珍しく(?)オアシスとしては新しい試みやってみよう!という実験精神があるのだが、でもだからといってサイケやろう!ってのはなんか違うぜ〜って感じで。この後ストロークスとかがミニマルな音でガレージロックリバイバルやること考えると、ゴリゴリサンプリングやって気だるいサイケはやっぱ違うよなと笑。確かに「Who Feels Love ?」とかリアムのボーカル生かしててカッコいいけど、やっぱりノエルさんのダラダラ癖みたいなのは治ってないのも事実で。今回の記事書くにあたって久しぶりに聴き直したけどさ、昔はなんでこれがベスト盤の隠しトラックなんだよって思ってた「Sunday Morning Call」がこのダラついたサイケアルバムの清涼剤になるんだって改めて気付かされたよ。
オアシスのディスコグラフィの中でも一番説明が難しい5作目。というのもオアシスの楽曲作りの面でも一番行き詰まりがあった時期というか、明らかに90年代の輝かしいオアシスサウンドが、ガレージロックリバイバルのざらついたミニマルな質感の時代風情と明らかにマッチしてないことのギャップに苦しんでる痕跡が見えるというか、オアシスというビッグバンドが00年代をどうサバイブしていくかが今作のテーマなんです。エンディング何種類もあるでお馴染みの映画の主題歌「Stop Crying Your Heart Out」、今でもノエルのソロライブでも定番の「Little By Little」とかあるんだけど、グーグードールズみたいなスタジアム映えするセンチなバンドにもなれないし、かといってリバティーンズみたいなざらついたガレージロックもできないし、そんな時代の狭間でうごめくバンドの過渡期の作品。
ノエルさん、人入れ替わりましたか???ってぐらいソングライティングの癖に変化が見られる6作目。というのもこの時期ガレージロックもちょっと一周し、コーラルみたいな昔のリバプールサウンドを思わせるバンドだったり、エイミーワインハウスみたいなヴィンテージソウル的な作風が流行ったりとかして、もうすぐロンドンオリンピックもあるし古き良きイギリスに立ち返ろうや的なノリが多分国内であったっぽくて。オアシスもそんな気質に立ち返って楽曲もメランコリックでダークなものがグッと増えたことで、00年代のオアシスのスタイルを定義することが出来たわけですよ。思えばノエルの脱オアシス的なソロでのスタイルも今作から見えてきて、一方でリアムもモッズ系のアパレルブランド立ち上げたりしてて、この時点で両者の歩みは別の方向を向いてたのかもしれないね。
蟹〜カマ〜蟹〜カマ〜ツナぁぁぁぁあああ。現時点でラストとなってる7作目。今までのディスコグラフィを思えば一番攻めた内容というか、あの実験的だと言われてる4作目ですらまだ従来のオアシス的ロックンロールの軸は失われてなかったのに、今作に関しては完全に00年代のインディーロック的なノリにシフトしてるんですよね。90年代の輝かしい原石のようなロックを奏でてた彼らが、00年代に突入すると同時に従来のイメージから脱却しようとサイケやったり、ガレージロックやったり、ダークなゴシックに寄ったりと紆余曲折を経て、それらの全てを折衷した新基軸を打ち出したわけで、そんな中での解散だったので当時のファンのその先を見てみたかったという気持ちわからなくもない。。。
これからのオアシスに期待してること
さてそんなわけでいよいよ来年から再結成行脚で、世界各地でオアシス旋風が来るとは思うんですけど、それに先立ち色々噂が立ってますね。
後追いですけどそれなりにオアシスに愛着持ってる筆者が願う、これからのオアシスに対して期待してることについていくつか記したいと思います。
まず現時点でラインナップに関しては色々言われてますが、筆者としてはボーンヘッドには是非とも参加してほしいと思ってます。メンバー紹介のとこにもある通り、ギターの実力はさておきギャラガー兄弟の間を取り持てる数少ない人物なわけで、ただでさえ喧嘩しないでなんて言われてるギャラガー兄弟のことを考えればもしかしたら一番必要不可欠な存在なんですよね。
懸念としてはボーンヘッド最近あんま健康状態のとこで良い話を聞かない(気がする)ので長期のツアー出れるの?ってところと、今ノエルのバックでやってるゲムはどうすんの?ってとこですよね。
個人的にはそういったところも加味して再結成オアシスについてはこのメンツが良いんじゃないかと思ってて、
まずギャラガー兄弟は大前提いなきゃダメなんで、今後二人のマネジメントをしていくという意味でもボーンヘッドは必要です。ただそれだとギターの実力の部分(最近ノエルのギターが怪しいので)や、ノエルのバックも長年勤めてたゲムに申し訳ないんで彼も参加です。ベースについては消息不明のギグジーは論外として、今再結成ライドが順調なアンディがオアシスの合流するメリットがあんまり感じられないので元メンバーからの採用は無し。リアム曰く新しい顔ぶれもあるだろうというツイートを信頼してみるとして、ノエルのバックだったラッセルかリアムのバックだったドリューのどちらかが来ると予想。ドラムはアランが復帰を仄めかす感じの発言をしてたので彼が来ると思いますが、正直これもノエルのバックでリアムとビーディアイをやってたクリスシャーロックの可能性もあるかなと。まぁ正直ギャラガー兄弟いれば誰が来ようと成り立つバンドなので、そこはまぁ来年蓋を開けるまで楽しみにしてましょう。
続いて気になる新作についてですが、こちらについてはおおかた準備期間をそれなりに設けてるんであり得るのかなと思います。
ただ!仮に新作が出来たとしても、その出来についてはあんま期待してはいないのが正直なところです。
理由としてはもう二人のソロ追っかけてる人ならわかると思うんですけど、今のリアムともノエルではやってることが全然違うんですよね。
リアムについてはビーディアイで下手げにブレたことはしないという教訓を学んだのが功を奏してか、あくまでも自分の強み=ボーカルの部分を最大限活かせる楽曲ということで、コッテコテのUKロックを中心と作風になっています。やはり今回の再結成に関して多くのオアシスファンが期待値高くしてる要因って、今のリアムがあの頃のオアシスがやってたようなラッドロック(野郎のロックみたいな意味合いっすね)的なアプローチでスタジアムクラスの人気を維持してるとこが大きいんだと思います。
リアムがオアシスっぽい感じに回帰してくのとは逆で、ノエル兄さんの場合はオアシス後期でも見せ始めてきた脱オアシス的な作風をより邁進させていってる印象はあります。なんで従来のオアシス(特に90年代ごろ)をイメージしてる人からすると、どんどん作風がかけ離れてる印象があります。
僕が懸念してるところとしてはやはりオアシスのブレインってノエルではあるので、今の彼がリアムをボーカルにという前提でオアシスの曲を書けるのか???っていう疑問です。
あとこれも忘れちゃいけないんですけど、直近で二人が出してる最新アルバムがこぞって微妙な出来栄えなんすよね笑。
ノエルの最新作の「Council Skies」、前作の「Holly Mountain」が割と冒険的な作風でノエルの個性みたいなのが確立してて良いと思ってたのに、こんなジョニーマーの毒にも草にもならないようなソロアルバムの二番煎じみたいな作品出すなよってのが最初聴いた印象で笑。なんかスマホ版ウイイレのBGMで流れてる名前も知らない洋楽みたいな音楽っぽくないですか?
そしてリアムがストーンローゼスのジョンスクワイアと組んだアルバムですね。なんで今更ジョンスクワイア???ってのもあるし、あとシンプル曲がつまんないですよね。この二人なら作りそうだなぁっていう想像の範囲内で終わってるというか、これ聴いて改めてビーディアイの1作目が良かったってのがわかったよ。
とまぁそんなわけでライブはリアムもノエルも好調なんですけど、肝心のスタジオワークのところは???って状態なので、仮に新作作るとしたらこうして欲しいなと思うところはあります。
まずはノエル兄さんが我を見せないとこ。この人は隙あらばアウトロクソ長くしたり、メランコリックな感じにしようとするので、もう割り切ってギターロックど直球な作風に徹して作ってください。大丈夫、今のリアムはちゃんと手洗いも出来るプロ意識の高いロッカーだからさ。
んでスタッフ陣についても基本的にはリアムのソロ作ってるメンツ、つまりグレッグカースティンとかあそこら辺の陣容は参加して欲しいってのはありますね。いかにあの頃のオアシスに近い、素直なロックを展開できるかが鍵なので。
それ以外で外部のメンツで呼ぶなら
現役スタジアムロックバンドの大手フーファイターズのデイブなんかもありだと思います。彼についてはリアムと一緒に作った「Everything Electric」が良かったんで、やはり同じスタジアム級のバンドマンで今なんだかんだあって暇そうにしてるデイブの手を借りれば良いものが出来そうな気がします。
あとは意外な人選ですが、最近ノエル兄さんから「間抜け面のクソ野郎」の称号をいただいたThe 1975のマッティとかね。元はといえば彼が去年オアシス再結成しろみたいな発言言い出したのも、今回の再結成に繋がった可能性もなきにしろあらずなわけで、現役のUKロックのトップかつプロデュース能力も高くマンチェスターの後輩って点も含めて意外と適任な人材かもしれませんね。
最後に
この記事を書いてる時点で一般発売もほぼ即完で終わり、もうオアシスを見る機会を失ってしまったと思い込んでるこれからオアシス好きになるかもしれないあなたへ。
多分一年後のライブなんでそれなりにリセール出ると思うから、転売に手出さなくて良いと思うよ!
ってことだけは伝えたい。
最後に個人的に好きなオアシスの15曲をまとめたプレイリストだけ貼っときます。
みんな一緒にオアシス楽しんでこ〜。