文責:佐藤賢紀、高野一弘 前回の「インド現地法人への出向制度の整備(上)-税務上の留意点について-」に続き、グローバル展開する日系企業が注目する、インドへの従業員派遣制度(スキーム)の整備について取り上げます。本稿では、税務や法的書面の準備により、出向者と企業の安定した関係性を確保する方法について説明します。 1.はじめにグローバルに展開している日系企業においては、海外の子会社や関連会社に、日本本社や他拠点の従業員を出向させることも多いでしょう。前回の「インド現地法人への
文責:佐藤賢紀、高野一弘 日系企業のインド進出は増加傾向にありますが、インドの税務における留意点には深刻なものが多々あります。特にPE(恒久的施設)課税とGST(物品・サービス税)課税について、厳格な規制が定められています。本稿では、特にPE課税リスクに対処するための重要なポイントを解説します。海外出向時の税務問題に不安を感じる方々に必読の内容です。 1.はじめにグローバルに展開している日系企業においては、海外の子会社や関連会社に、日本本社や他拠点の従業員を出向させること
文責:久保光太郎 2024年4~ 6月に行われたインド総選挙の結果を受け、連立与党となったモディ政権が、3期目にどのような法政策で臨むのか。本稿では、日本企業にとっての注目点を専門家の視点から解き明かします。 1.政治情勢の確認2024年4~6月に行われたインド総選挙の結果を受け、BJP(インド人民党)主導の連立政権が従来の路線を維持できるかどうかについて、多くの憶測が飛び交っています。特に、高い失業率とインフレに直面する中で、今後もこれまでと同様の経済成長の維持が可能な
文責:高野一弘 AsiaWise Group税理士高野一弘が、矢野綾佳税理士事務所の税理士矢野綾佳先生とともに、2024年4月号より、月刊国際税務において、「日系企業が直面する国際的な人材活用とその実践的課題」と題した連載を開始しました。本稿は、第1回「中国・インドへの人材派遣と税務課題」を転載したものです。 米中対立やブレグジット、さらにはグローバルサウスの台頭などの事象が象徴するように、世界は多極化が進んでおり、国際関係は以前にも増して複雑で予測が難しい状況にあります
文責:久保光太郎 イスラエルに投資している日本企業として、最近の紛争状況の中で自社の投資についてどう判断するか、再検討が必要になっています。 1.リスクの洗い出し一般的に、紛争地域への投資においては、以下のようなリスクが想定されます。 駐在員、現地従業員等の生命・身体的安全に対するリスク 投資・債権回収リスク 投資先のビジネス価値の毀損リスク 投資先の技術が不適切な相手方に移転されるリスク 政府による経済制裁や資産徴用といったレギュレーションによる企業活動への悪
文責:高野一弘 2022年5月、インド最高裁判所は、出向者の雇用主は国外グループ会社であり、国外グループ会社がインド法人に人材サービスを提供していると認定し、当該人材サービスはGSTの課税対象と結論付けました。しかし、多くのインド進出多国籍企業は、この認定は実態にそぐわないとし、GST課税に反発しています。この問題について最近の状況をアップデートします。 1.はじめに駐在員の出向負担金(給与)に対する物品・サービス税(Goods and Services Tax:GST)
文責:久保光太郎 インド政府は、インドにおける半導体およびディスプレイ製造のエコシステム開発のために「セミコン・インディア・プログラム(Semicon India Programme)」を立ち上げ、インド国内での半導体製造エコシステムの構築を強力に推進しています。 1.はじめにインド政府は、インドにおける半導体およびディスプレイ製造のエコシステム開発のために「セミコン・インディア・プログラム(Semicon India Programme)」を立ち上げ、インド国内での半導
文責:高野一弘、久保光太郎、山﨑耕平 AsiaWise Groupでは、2022年4月号より、月刊国際税務において、「バーチャル組織の実践課題」と題した連載を開始しました。本稿は、第6回(最終回)「5年後の組織考察」(月刊国際税務 2023年4月号)を転載したものです。 1.はじめに経済のグローバル化及びデジタル技術の発展により徐々に導入、発展してきた「バーチャル組織」ですが、コロナ禍による強制的な移動制限の激震により、この3年余りの間で急激に浸透しました。ここで、バーチ
AsiaWise Groupでは、2023年度の新たなメンバー募集のために、採用ページをアップデートしました。有資格者はもちろんですが、その枠にとらわれず、Professionalとして協働できる仲間を募集しております。本年中に1~2名程度の採用を考えております。ご興味がある方、あるいは、周囲にAsiaWiseに合いそうな方がいらっしゃいましたら、是非、下記をご一読、あるいはご紹介頂ければ幸いです。 https://www.asiawise.legal/recruit (1
文責:高野一弘、久保光太郎、山﨑耕平 AsiaWise Groupでは、2022年4月号より、月刊国際税務において、「バーチャル組織の実践課題」と題した連載を開始しました。本稿は、第5回「バーチャル組織を活用したグローバル人材管理/人材登用」(月刊国際税務 2022年12月号)を転載したものです。 1.はじめに事業活動が国際化した現在、限られた経営資源、特に人的資源については、グループ内で有効に活用することが強く求められています。少子化、日本市場の相対的位置付けの低下など
文責:高野一弘、久保光太郎、山﨑耕平 AsiaWise Groupでは、2022年4月号より、月刊国際税務において、「バーチャル組織の実践課題」と題した連載を開始しました。本稿は、第4回「バーチャル組織を活用したIP管理とグローバル人材プールを活用した内部監査」(月刊国際税務 2022年11月号)を転載したものです。 1. はじめに事業活動のグローバル化によって、国内外を問わず、世界の拠点間で人材、資産の最適配置に向けた施策がますます重要となっています。 筆者らは、グル
(文責:佐藤 賢紀・新田 荘作) 2022年11月22日(火)に、JETRO ニューデリー事務所主催のウェブセミナー「インド製造業における法務実務セミナー~製造拠点の設立・運営・撤退の論点~」に行われ、AsiaWiseから、久保、佐藤、新田及びインド現地弁護士のNitinが登壇いたしました。 インドにおいては、自動車や電機メーカー等をはじめ、製造業の日系企業が数多く進出しているところ、工場等の製造拠点に関しては、オフィス等とは異なる法律問題が生じえます。今年に入り、日系企
文責:弁護士 阿部信一郎、弁護士 谷昌幸 1.はじめに2022年11月8日、FTX の運営する取引所からの暗号資産及び金銭の引き出しが停止した。また、同年11月11日、FTXグループ各社は、米国連邦倒産法のチャプター11の手続きを申請した。グローバルにサービスを提供していたFTXの多額の債務超過が報じられているところであるが、日本で業務を行なっていたFTX Japan株式会社(以下「FTX JP」という。)については、資金決済法上の義務に従い、顧客からの預かり分以上の金銭及
文責:張楚然 はじめに近時の米中関係は、人権、軍事、セキュリティ問題をめぐって激しく変動しており、緊迫状態になっています。この状況の中、10月16日、中国共産党第20回全国代表大会(以下、「第20回大会」という)が開催され、経済安全保障分野の動向についてもこれまで以上に注目されています。本稿では、中国における経済安全保障体制を踏まえ、近時の経済安全保障関連法令の動向について紹介いたします。 一、中国における経済安全保障の位置付け第20回大会において、習近平国家主席は、経済
AsiaWise法律事務所は、2022年10月27日(木)に、企業不正対応についての勉強会を株式会社Fronteo、AsiaWise Group共催にて、オンラインウェビナーで開催いたしました。 本勉強会では「アジアを始めとする海外の不正案件の特徴 調査の実務及び予防策」と題して、第一部(アジアにおける不正案件の特徴・トレンド)をAsiaWise法律事務所の久保光太郎より、第二部(不正が見つかった場合の調査実務のポイント)を同法律事務所の佐藤賢紀より、第三部(転ばぬ先の杖と
文責:新田 荘作 AsiaWise法律事務所は、2022年10月20日(木)に、従前より定期的に行ってきたインド法務勉強会(タージ・マハルの会)をオンラインとフィジカル参加の両方を含めたハイブリット方式で開催いたしました。 本勉強会ではAsiaWise法律事務所の久保光太郎より、「よくわかるインドの裁判・弁護士制度の基本編」と題して、インドにおいて紛争に巻き込まれた場合に必要となる手続、報酬及び期間の目安、インド特有の弁護士制度であるシニア・カウンセル制度の概要、インドに