【10】家の中の小人たち
今まで話してきた…
『ちゃん』がケイの体を借りて、夜な夜な出てきた頃は、2017年。
ケイが小学校5年生のとき。
でも、ここからは少し、家の中の小人の紹介をしなくてはいけないので、もっとさかのぼる。
それは、2013年。ケイが1年生の時。
ケイが小学校一年生の時、この家に引っ越してきた。
ケイは、この頃、毎日、毎日。
学校帰りに
「いつもこの子、ケイを待っててくれるんだ♪」
と、テントウ虫を指にのせて帰ってきていた。
そしてある日。
家の中でテントウ虫とゴロゴロしていたケイが、
「今!白いふわっとしたのが!あれ?どこ行った!」
と何かを探していた。
「え?小人?妖精?」てふざけた私に
「うん。この家小人がいるよ。」と。
始めは、一匹(匹と数えていいのか?)二匹だったのが、日に日に増えて、ケイ曰く、今は足の踏み場もないくらい増えたらしい。(ちなみに高校生になった今も見えている)
最初は、私も半信半疑だったけれど、面白いからケイにいろいろと質問していた。
まず、見た目は、けむくじゃららしい。
その長い毛を、おしゃれに結んでいる小人もいれば、ぼさぼさでどっちが顔かわからないのもいるとか。
小人なりに、おしゃれに流行りがあるらしく、
「あ!ママ!最近の流行は、毛をリボンみたいにして、右側の毛と左側の毛を、頭のてっぺんでリボン結びするスタイルみたい!」
とか言うので、本当にいるかいないかなんて、もうどうでもよくて。
私たち家族はケイとのそういう会話が大好きだった。
そして、いろんな会話から、次第に私は、その小人がこの家の中のエネルギーと関係しているということに気付いていった。