【9】エネルギー
こうして朝、旦那が会社へ、ナッツが学校に行った後。
中学校をお休みしているアカルンとケイが過ごす時間が多くなっていた。
ケイは相変わらず夜、向こうの世界でいろんなことをしているらしく、日中眠ることが多かった。
すると…
あるときから、『ちゃん』が昼間も現れるようになった。
ケイが寝たら、嬉しそうにすぐやってきた。
満面の笑みで「ママ♪ 」と私に会えた嬉しさと、大好きオーラを出しながらハグしてくる、ケイの顔をした遠い星の小人くんは、とってもかわいくて。
「あら♪ ちゃん♪ 今日も来たの?」
と嬉しくなるのだが、あまりに日常化してくると特別扱いすることもなくなり、私のかわりに相手をしてくれるアカルンがいて、本当に助かった。
心配はしないことに決めていても、やっぱり(ケイ、寝てばかりいて運動不足なんじゃ?)とまた私は心配をし始めていた。
そこで、『ちゃん』に「ね。アカルンと公園に行ってみる?」と誘ってみた。
『ちゃん』は、驚くほど運動神経抜群で(ケイよりもずっと)、家の中でも飛び回っていた。
あっちの星の身軽な意識のままだからか、たまにびっくりするようなジャンプ力で私たちを驚かせた。
だから、公園でその調子で飛び回ってくれれば、ケイの運動不足解消になるのではと思った。
「お外!」と、『ちゃん』の表情に、好奇心いっぱいなのが見て取れたが、
「でもね。お外は危ないから出ちゃいけないんだ。」
と『ちゃん』は言った。
「え?アカルンが一緒に行ってくれるよ?」と言ったのだが
「ううん。ダメ。エネルギーがね。いろんなエネルギーがあるところには、やっぱり危なくて行ったらダメなんだ。」と。
『ちゃん』との会話には、「エネルギー」という言葉がよく出てきた。
目に見える物質よりもエネルギーに意識を向けていたし、それに関しての方が詳しかった。
「こっちにね。来るときの門番との約束なんだ。」
と『ちゃん』が言った。
「門番!?」また面白そうな話!とわくわくする自分と少し怖い自分と。
「怖くないよ。優しいし、面白いし♪
いっつもね、ちゃんが地球に行くの知ってるくせに、わざと違う質問ばっかりするんだよ?
だから、『ううん違う!』って何度も首を振らないといけないんだ。
そして、『地球に行くの?』って質問がやっときた時、あわてて『うん!』て間違わないようにうなずかないといけないんだから!♪」
とケラケラ笑いながら『ちゃん』が教えてくれた。
なるほど!
『ちゃん』が現れるときはいつも、まずケイが寝て。
指が動き出しー
その後何かの呪文のように小人語が口からもれて…
その後、ケイの首、大丈夫?て思うくらい、
『ちゃん』はいつも首をブンブンふるのだった。
そして、コクリとうなずいた後に目を開ける。
あれは、門番とのやりとりだったのね!?
と納得して…ほんと面白いなぁと思った。
「門番がこっちに来るのを許してくれてるのは、この家の中が安全だから。だってこの家は、ずっと小人(ケイだけが見えるエネルギー体)が住んでるでしょ?小人が住めてるってことは安全だよ。だから、そこならいいよってことで来れてるんだ。」
!?
「え!ちゃんにも見えるの?ケイの見てる小人が!
ケイが、この家には小人がいるって前から言ってるんだけど、それがちゃんにも見えるの?」と聞くと
「うん!!いーーーっぱい♪」とちゃんはニヤリとしながら答えた。
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