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うちにも来た!なお話
家族がコロナ陽性になり、私は濃厚接触者になった。
◇◆◇◆◇◆◇
ゴホッ、ゴホッ。ゴホゴホ、ゴフッ。
隣の部屋で寝ている次男の咳と「うーん」といううめき声に、目が覚めた。
早朝4時半ごろだったと思う。
咳も出てるし、この見た目は発熱に違いないだろう。
38.4℃。
本人は「さっきまでお布団に潜っていたからじゃない?」と可愛い言い訳。
熱は昼過ぎには39℃を越え上がり続けた。
咳の音が気になる。
小児喘息治療歴のある次男。
治療は2歳から6歳で卒業したのだが、風邪をひくといつも咳だけが長く残ってしまう。
コンコンという浅い咳ではなく、今回は重めの音。
まだヒューヒューゼーゼーではないけれど、聴診器で聴いてもらった方が安心と、かかりつけ小児科に予約を入れた。
胸の音は大丈夫と言われ、先生から
「抗原検査しておく?どうします?」のひと言。
学校で流行っているので、いちおうお願いします、と気軽に受けた。
待機室に通されてまもなく、私だけが呼ばれた。
「陽性です」
「"コロナ発生届け"をクリニックから保健所に出すので、保健所から連絡がいくはずです。それを待って、保健所の指示に従ってください」
は?
え??うちの子、よよよよよ陽性!
一回目のワクチン打っていたけど……と混乱する頭の中。
「ぼく、コロナになっちゃったの?」
次男の顔がくもり、「どうしよう!」と不安な表情。
とりあえず、外に出よう。
小児科を出て、外の空気をマスク越しにいっぱい吸い込む。次男の顔を見て話す。
「あのね、いまの検査で、コロナだって分かったの。いま分かったのは良いことなんだよ。これであとはお家で治るのを待てばいいの。ちゃんと治るからね。ただ、誰かにうつしてはいけないから、これからどこにも寄らないでまっすぐお家に帰るよ。あと学校もお休みしなきゃならない。いい?」
「うん。いいよ、今日コンビニでアイス買わなくてもいい。食べる気なくなっちゃった……あー、コロナかぁー!嫌だなぁ!ぼく、ついてないよー」
その日は休日だったこともあり、夫も長男も家にいた。
二世帯住宅で、居住スペースは違うが玄関と階段を共有している私の母と弟も、その日は家にいた。
全員に、次男が陽性だったこと、自分達は濃厚接触者だという行動をとって欲しいと伝える。
各方面に連絡が済み、その日は何をどうしたらいいのか分からないまま、保健所の連絡をひたすら待った。
陽性判明後、次男の熱はほぼ39℃台だった。
頓服のカロナール(解熱鎮痛剤)が効くのは1時間半程度。
薬は時間をあけて飲まねばならないし、1日にそう何回も飲めない。
部屋を分けてはいたのだが、真夜中に次男の叫び声が聞こえたので駆けつけた。
暗い部屋のなかを、次男がウロウロしている。
とっさに、熱せん妄かな?と思った。
(うちの兄弟、特に兄は、高熱を出すとよく「せん妄」が出る子だった)
名前を呼んで「一緒に寝よう、こっちにおいで」と肩を抱くと「お母さん、お母さん」と目を見開いて、どこかに向かってぶつぶつ話しかけている。
お茶をちょっと飲もうと勧めると、すなおにコップ一杯を飲み干す。
もう大丈夫、ずっと一緒にいるから大丈夫、熱い身体を寝ながら抱きしめていると、熱が上がる時ブルブルッと小刻みに痙攣する。その繰り返しを数回。
それでもすやすや寝息を立てはじめたので、良かったとひと安心。
ああ、私、マスクするの、忘れた……しまった…と思ったけれど、もう、この抱き合った体制では無理。
そして咳も浴びてしまっているし、仕方ない……とあきらめる。眠れないけど、眠い。
二日ほどこのドキドキな夜を過ごす(二日目は発熱の苦しさと咳で何度も目覚める)と、熱が急に下がり出した。
解熱後、咳だけの症状で、全体的に落ちつき出した。
◇◆◇◆◇◆◇
「子どもは軽い」
と聞いてはいたが、そんな事はないと感じた。
軽い症状の子もいれば、そうではない子もいる。
うちは小学4年生だか、乳幼児だったら、もっともっと心配だっただろう。
さいわい次男は、発熱中に水分も摂れて食欲もあった。
今は高熱ゾーンを走り抜けるしかないとあきらめて、「身体が楽な時は好きなことを好きなだけしていいよ」と話し、彼はずっと好きなオンラインゲームをしていた。
罹患したママ友からのLINEで、やはり39℃くらいが一日二日は出たと聞いていたのも、私の中では安心材料だった。
彼女達からの
「東京都の"うちさぽ"に申し込んだ?ウェブで出来るからした方がいいよ。自宅療養者への配食サービスだし、パルスオキシメーターも借りられるんだよ!」
のアドバイスに従い、申し込んだら届いたもの。
なんとこれで一人分。
ありがたい。
ありがたくて、感激。
「発症」を0日として、翌日を1日目とカウント。
濃厚接触者は7日間自宅待機で外出禁止なので、(発症者は10日間)冷蔵庫の今ある食材で家族4人分をまわしていかねばならない。
一日中、ごはんのことを考えて暮らしている。
そんな中で届いた宝の山。
さらには、いつも利用している週一回の生協の宅配も届いたので、食べものは何とかなりそうと目処がついた。
家族で感染者が出たら……を思い浮かべてはいたけれど、現実には思っていたことが何ひとつ出来てない。
急なことで、やることが溢れていて、なかなか徹底して出来ない。
これらが全部、めんどくさがりで不器用な自分の言い訳なのも分かっている。
夜な夜な「ワクチン3回接種 防御率」など検索している私がいる。
罹っているかも…という不安が常にある。無症状なだけかもしれない。私も夫も長男も。
今のところ、濃厚接触者である家族に体調の変化は出ていない。
待機が終わる日までこのままいけるのだろうか。
そう願いたい。
◇◆◇◆◇◆◇
ここに書いたことは私のその時の判断なので、ご家庭内の感染予防については、参考にはなさらないでください。
私も出来るだけ気をつけてはいるのですが、実際には無理なことが多いです。
手を洗うこと、部屋の換気をすることは気にかけています。(前々からそうですが)
「アイスを食べたい」「おやつ頂戴」という時、何もなかったので、リンゴジュース(ブリックパック容器のジュースをダース購入していた)を器に入れ、冷凍庫で冷やし、シャーベットにして出したら、子ども達に大好評でした。
いま大変な状況の方々が、少しでも楽になっていきますよう祈っています。
お読みいただきありがとうございました。
見出し画像は「みんなのフォトギャラリー」よりおじいちゃんさんの作品「巣」をお借りしました。ありがとうございました。