パネトーネのお話
春の終わりから、パン屋でパートをしている。
クリームパン、カレーパン、あらびきソーセージパン、レーズンチーズ、サンドイッチ、メロンパン、ハンバーガー、あんぱんなど馴染み深いパンの他に、イタリアパンも扱っている。
12月は繁忙期。「パネトーネ」を求めるお客さんが連日訪れるからだ。
「パネトーネ」はイタリアの伝統的な発酵菓子パン。クリスマスのお菓子として愛されている。
日本ではまだ、パネトーネは耳慣れないかと思う。
ドイツの「シュトーレン」なら分かる、食べたことがあるという方はおられるだろう。
パネトーネは、パネトーネ種という天然酵母から作られる。一般に、パンにはイースト※を用いることが多いと思うが、パネトーネはパネトーネ種なのが特徴。
そしてうちのお店のパン(パネトーネでなくとも)にはパネトーネ種が使われている。パネトーネ種はイーストよりも日持ちすると言われている。
パネトーネの材料は、小麦粉、卵、バター、砂糖、ドライフルーツなど。
お店によって入っているものが違うのだと聞いた。
うちの店は、レーズン、オレンジピール、シトロン※※が入っている。
完成まで何日もかかるため、大量生産が出来ない。(うちの店の場合は、である。工場で大量生産というメーカーもある)
パネトーネを作るには技術が必要で、うちの店のシェフは、イタリアでパネトーネ職人の認定を受けている。
店のパネトーネは3種類あり、「トラディショナーレ」、「チョコレートとオレンジ」、「りんごくるみジンジャー」。
りんごくるみジンジャーは、シェフがイタリアのパネトーネコンテストで受賞したもの。
「パネトーネを食べてみたい!」と同じ家に住む母が言ってくれた。母は、私のパート先のパン屋に、よく買いに来てくれるお客さん。
母と私の二世帯とで半分こにしようと、パネトーネを1つ、購入した。
(パネトーネは、なかなかのお値段なのだ……)
プレーンな「トラディショナーレ」か、大人な響きの「チョコレートとオレンジ」か。
「りんごくるみジンジャーにしよう」と意見が一致した。
11月に予約を入れて(パネトーネは数に限りがあるので、購入前に予約がおすすめ。来店しても無い可能性も)待つこと数週間……
写真で大きさが伝わりづらいかと思うが、16センチくらいのドーム状のもの。
ちなみにこのリボンとタグは、スタッフ(私も)が店頭でつけている。
この布袋と赤い紙袋は、パネトーネ購入の時の袋。(通常のパンは紙袋にお入れしている)
これは出来てから2週間くらい経ったものだと思う。確かそれくらい。
出来立てのパネトーネは、表面がふわふわしているのだが、カットする時、これはそうではなかったから。
パネトーネは、カットしなければ1か月持つ。
カットした場合は1週間以内に召し上がって欲しい。その際、冷蔵庫には入れないこと。入れるとパサパサになってしまう。
もし、パサッとしているなと感じたら、レンジで数十秒温めると、中のバターが滲み出て、しっとりするそうだ。
どんな味なのか。
期待に胸ふくらませ、ひと口。
美味しい!
すごく美味しい!!うわー!美味しい。(語彙力の無さよ………)
生地が美味しい。
ほのかな甘酸っぱさ(乳酸菌の感じ)とバターのコク、りんご、甘さが控えめなのもいい。
ベタついた甘さはいっさい無く、いろいろな味がする。中に入っているものの味、まろやかで、でも主張がある。ひと口、またひと口と進んでしまう。
表面の皮(皮って言っていいのだろうか?)の部分の食感と、内側のスポンジ部分のしっとり感がとてもいい。
「ジンジャーと言っても、強くはないです」とスタッフから聞いていたとおり。
止まらない。もっと食べたい。
気がつくと2切れ、食べてしまった。
しまった、夫と息子達の分が無くなってしまう……あと5切れあるので、それで許してもらおう。
美味しい。
こんなに美味しかったのかと、店で販売していたパネトーネ達を改めて思い出す。
美味しく召し上がってもらっているのだろうなぁ。
どんな味?とお客さんに問われたら、もっている言葉で力説しよう。自信を持っておすすめしよう。
息子達と夫も絶賛だった。
残念ながら、もう、無い。
カットして1日で完食。
半分に分けた母と弟の方も同じく、すでになかった。あっという間に食べてしまったとのこと。
他の味も食べてみたいよね、どうしようかねと検討中。
悩みながら、クリスマスを迎えたい。
#美味しかったお菓子
【12/11追記】
コノエミズさんの"パネトーネ"の noteです。
すごく素敵なので、ぜひご覧ください。
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もつにこみさんのアドベントカレンダー企画に参加しています。
明日12/11は、
ももまろ うめこ˚✧₊⁎ ‧˚₊*̥(∗︎*⁰͈꒨⁰͈)‧˚₊*̥⁎⁺˳✧さんです。
ももまろさん、よろしくお願いいたします。