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坂本沙季

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坂本沙季15.私たちは10月になった

坂本沙季15.私たちは10月になった

金木犀の香りがすると、高校の正門入ったところにあった大きな金木犀の木を思い出す。
あとは、実家の近くの道に沿って植えられていたやつ。

秋のほんの1週間とかしか咲かなくて、香りがするときにしかその木を金木犀だと意識しない。

楽しそうにしている場面が一つあるだけで、その外にあるものがなかったことみたいにされる。外側を意識しない。
良い人だったのにとか、普通の人だったのにとか、そういう言葉が聞こえる

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坂本沙季⑦まるいと言われてきた世界

坂本沙季⑦まるいと言われてきた世界

まるい世界の話をされてきた。

この"まるい"というのは、平和的な意味を含み、みんな助け合うべきだ、みんな支え合うべきだ、というようなことだと考えている。

小学生のころ、夏休みはたくさんの宿題が出ていた。私は大抵、最初のやる気で得意なことだけをやり、それ以外を最後の一週間くらいでやっていた。特に大変だったのは自由研究だった。
好きなことはたくさんあった。
けれど、作りたいものはいつも何もなかった

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