どこかで間違えたんだと思う。何年前の選択肢か分からないけど、ひとつの小さな選択肢、それをとちったんだと思う。人生は選択肢の連続、それは間違いじゃない。ただ成功か失敗の2択という考え方が間違いであると、今の俺はそう理解している。失敗と失敗の2択。それとも失敗がいくつかある状況。それが人生。いや、俺の人生。この場合在り来りな確率の収束などありえない。何億かそれ以上の確率でふと現れる成功の選択肢。それを踏み抜かなければならない状況。俺は踏み抜けないと思う。どこかで失敗してそのままズ
日本人なら1度は手にしたことがあるであろう一円玉。その価値は文字通り1円にしかならない。しかし『一円玉を笑うものは一円玉に泣く』という言葉があるように捉え方は様々で、人によってはとても大切に扱うのだろうなと思う。しかし一般的な認識の一円玉の『価値』とはあくまで貨幣であるということにしかほとんど考えられていない。そこで一円玉に別側面の価値をつけてみる。例えば特に汚れや傷などない綺麗な状態の一円玉を自分の中で他とは違う特別なものとして扱う。支払いに使わない。税金などによって生まれ
彼は何故死なないの? 顔の右側が剥がれ落ちる夢を見た。血は出ないが気持ちは悪い。動画をリツイートした。それを見たこともないアカウントがリツイートした。そのアカウントには母親らしき人間を介護する日々がツイートされていた。だが1番最近のツイートは3つほどしかされていなかった。「母親の事を殺めてしまった」この内容が1つ、「あぁ」とだけふたつ、そして最後、「彼は何故死なないの?」と。まるで本人とは思えない口調。なにか、人格なのか、それとも本人自身の精神なのか。どうも、入れ替わってし
街からさほど離れていない山の上に『〇〇じぞう』という場所があってそこに車で何人かで向かった。昼間だった。入口まで来ると神社とかでみるような木でできている漆塗りの赤い柵が並んだカーブがあって等間隔で両端にノボリがたっていてそこにも『〇〇じぞう』と書いてある。入口に着くと柵で囲まれた場所が出てきて、右手に新しそうな寺のような建物。目の前にも柵で囲まれた場所があってどうやらそこは墓場らしかった。しかし普通の墓場ではなく所狭しと並んだ墓にはそれぞれバルーンのようなものが浮かんでいて、
日記 今日は朝から目覚め方が良くなかった。まるで深い眠りに落ちようとすると、途端に引き上げられるような、そんな眠りだった。目覚ましの嫌な音が枕元で鳴り響き引き上げられたままの私の意識はそのまま現へと再度引き上げられる。というより起き上がり方で言えば思いっきり引っ張りあげられるような、そんな目覚めだった。そのまま嫌に出来の悪い心臓が朝に似つかわしくないほどの速度を持ってありふれた日常を進め始める。毎朝の日課であるコーヒーを入れ、そのまま昨晩用意しておいた冷食の入った弁当に白米