アッシュという犬がいました
我が家には5年前までアッシュと
名付けた犬がいました。
ご飯とおやつと散歩は大好きだけど、
飼い主との交流は好きじゃない。
用事が済んだら、あとはお構いなく。
そんなネコみたいな子でした。
散歩はどこまででも行きたがりました。
「ここ来たことあるんか」というくらい
初めての道でもどこへでも。
「なんか急用でもあるんか」というくらい
前へ前へと脇目も振らずに。
ひたすら家と反対の方向へ、歩く歩く。
じーやとの散歩は遠くまで歩けるけど、
ばーやとの散歩は近場ばかりと
いうこともよく心得ていました。
時々立ち止まっては「ブログネタ
ブログネタ」と言いながら
ばーやが撮影する間、文句も言わずに
よくじっとつき合ってくれました。
そんなアッシュに、1度だけ声を
荒げたことがありました。
忘れもしない、2016年の春。
散歩がてらバス停までじーやを
迎えに行った時のことです。
道の向こうからじーやが乗ってるで
あろうバスが近づいてくるのを待つ間、
全然こっちを見てくれないアッシュに
イラッとした声で「こっち
見てよ!」と言ったのです。
言った瞬間後悔したのを、
今でも思い出します。
吠える時は叱ったこともあったけど、
自分勝手な理由で声を荒げたのは
記憶してる限りその時だけでしたが、
バチが当たったのか桜と一緒に
アッシュを写せたのは、
この年が最後になりました。
ショードッグには小柄過ぎと
いうことでブリーダーさんが
オーナーを募集しているのを
偶然ネットで見つけて
一目惚れした子は、賢くて、
毛量の多いふわふわさんで、
辛抱強くて、空気を読んで、
自我を持った、穏やかで優しくて、
かわいいキレイな犬でした。
お世話係という意味から
オットをじーや、私をばーやと
夫婦で呼び合う家で12年近く
一緒に過ごしてくれた犬は、
家族ともペットとも違いました。
初めて犬を飼う夫婦に、いわば
「犬」という生き物を身を持って
学習させてくれた、
先生のような存在でした。
一緒に散歩したことも、
後悔したことも、
喪った時泣き過ぎて
頭痛がしたことも・・・
今年もまた、思い出が
より強くなる季節になりました。