今や預金金利も上昇してる?元本割れしない金融商品を探してみた。
ついに普通預金の金利も上昇するようになり、『金利ある世界』という言葉も、なんだかなじんできつつある気がしています。
資産運用というと、株式や投資信託のイメージが強いですが、定期預金や国内債券といった存在も忘れてはいけないのかもしれません。
なぜなら、これらの金融商品には、なんといっても「元本割れしない」という、大きな魅力があるからです。
《元本割れしない運用商品には、何がある?》
①定期預金
元本割れしない金融商品というと、真っ先に思いつくのが『定期預金』です。
ペイオフなどの制限はあるものの、一般的には預け入れた銀行等がたとえ破綻することになったとしても、元本とその利息までが、ある意味国によって保護されている金融商品です。
定期預金の中でも、インターネットを使ったネット銀行の金利は、そのほかの銀行と比べても高めに設定されている傾向があり、定期預金に預けるのならネット銀行を利用するの方が有利なところは、金利ある世界になっても、低金利時代と同じのようです。
ネット銀行の金利が有利になる理由は、店舗などを持たないことで、コストを下げることができるからだと言われています。
窓口で相談できる人がいないといったデメリットはありますが、自分で考えながら口座を使いこなすことが出来る人などでは、ネット銀行を活用するケースが増えています。
また最近では、個人だけでなく中小企業の中でも、メガバンクや地方銀行といった今まで使っていた銀行だけでなく、振込手数料などが安いネット銀行も活用するケースも増えてきていると感じています。
ここ最近の定期預金の金利動向は、メガバンクや地方銀行などでも金利を引き上げる方向に動いてきていますが、やはりネット銀行の金利がトップに並び、中には0.5%を超えるようなものも出てきています。
また各社で口座開設などのキャンペーンを行い、通常の定期預金の金利からさらに金利を引き上げているところも増えています。
たとえば、オリックス銀行では、新規口座開設者への優遇金利として、1%をつけているものもあるようです。
②個人向け国債
定期預金よりもより安心な、元本割れしない金融商品として、個人向け国債があります。
その名の通り、個人向けに販売される日本の国債です。当然国のお墨付きなので、元本割れはないと言い切ったとしてもおかしなことではないと言えます。
ただ、あえて不安材料を挙げるのであれば、日本国の格付けは、格付け機関のS&PによるとA+となっており、最高位のAAAではないことがあげられます。
個人向け国債は、定期預金と同様に、一度買ったら満期になって償還されるまで放置するだけという簡単な運用ができます。また、放置している期間は利子を受け取ることが出来、この利子が個人向け国債を買った人の利益となります。
また、毎月発行されているので、購入できるタイミングが多いことも利点の一つだと言えます。
商品としては、3年物と5年物、そして10年物の3つのタイプがあります。
3年と5年は利子が購入時の金利で固定されている固定金利ですが、10年だけ変動金利になっています。
今後金利が上昇すると考えるなら、変動金利の10年物を選ぶのがよく、金利が下がると予想するなら、固定金利で償還期間が長いものを選ぶというのが、債券に投資をする際の基本の考え方になっています。
個人向け国債の購入は、銀行窓口や証券口座などで購入することができます。もちろんネット証券口座で購入することもでき、実際には、ネット証券口座で個人向け国債を買っているケースが多いのではないかと思われます。
③社債や地方債
社債とは会社が発行している債券、地方債とは地方自治体が発行してる債券になります。
債券を購入して、満期まで保有し、その間決められた利子をもらうというのは、定期預金や個人向け国債などと同じですが、元金を国が保証しているわけではないため、デフォルト(倒産など)の信用リスクがあり、国債などと比べると金利が高くなっていることが多い商品です。
ネット証券などで見かけることが多いのが、ソフトバンクグループの社債ではないかと思います。その名の通り、ソフトバンクグループにお金を貸す債券のことです。
やはり国よりも信用リスクが高いと見られているためか、金利が1%を超えているものも見られます。ちなみに、ソフトバンクグループのS&Pの格付けは、BB+になっています。
社債の場合、個人向け国債と違って、いつ発行されるのかわからないところがあり、買いたいときに買えないこともあります。
また国債よりも発行額が小さいために、あっという間に売り切れることもあるので、買いたいときには前もって準備しておいた方がいいと思われます。
《中途解約や早期償還のリスク?》
定期預金や個人向け国債を、満期前に現金化したい?
定期預金や個人向け国債といった商品は、満期まで所有するという運用の仕方が基本になりますが、満期が来ないと現金化できないのかというとそういう事もありません。
解約や中途換金をすることで、一定のペナルティが用意されていることが多いのですが、そのペナルティを受け入れることで、満期前に現金化することもできます。
また、ペナルティといっても元本割れになるケースはほとんどなく、主に利息分がなくなるといったペナルティがほとんどのようです。
例)個人向け国債の中途換金の例
「変動10年」、「固定5年」、「固定3年」の換金金額の計算式は次のとおりです。
(1) 第3期利子支払日以降に換金する場合
額面金額+経過利子相当額-直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685
(2) 第2期利子支払日から第3期利子支払日前までの間に換金する場合
額面金額+経過利子相当額-〔直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685(-初回の利子 の調整額(税引前)相当額)〕
(3) 初回の利子支払日から第2期利子支払日前までの間に換金する場合
額面金額+経過利子相当額-〔初回の利子(税引前)相当額×0.79685+経過利子相当額(-初 回の利子の調整額(税引前)相当額)〕
(4) 初回の利子支払日前に換金する場合
額面金額+経過利子相当額-〔経過利子相当額(-初回の利子の調整額(税引前)相当額)
計算式は複雑なようにも感じますが、要は換金前1年間の利息がなかったことになるというイメージになります。
換金額自体は額面(当初の投資額)を割る可能性がありますが、それまでに受け取っている利息を含めれば、元本割れはしないことになっています。
社債などの現金化
定期預金や個人向け国債など商品自体に解約や中途換金の仕組みが備わっているものもあれば、社債など解約や中途換金ができない債券もあります。
この解約や中途換金が出来ない債券を、満期が来る前に現金化するための方法としては、『売却』という方法があります。
債券にも株式市場のようなマーケットが存在し、証券会社を通して売却することができる債券もあります。
ただし、売却の場合には、当然ながら買った時の価格以上で売れるとは限らないので、元本割れのリスクは、高くなります。
債券の売却では、市場の金利が上がると、債券の価格は下落し、市場の金利が下がると債券の価格が上がるようになります。
つまり、市場金利が上がる中では、社債などの中途換金ができない債券を買ってしまうと、債券価格が下落して元本割れとなるリスクが高くなります。
そのため、社債などの債券投資の場合には、市場の金利の動向を気にすることになります。