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【本に寄せて】殺人出産(村田紗耶香・講談社文庫)

いくらか過保護気味の私としては、この本をR-18とさせていただきたい。
もし私が過保護じゃなかったとしても、R-15で。
そのくらい衝撃的な本だった。

厚さ8mmの薄い文庫本に、4つの話が入っている。
だからあっさり読める。

でも内容はちっともあっさりしていない。
倫理観を揺さぶられるストーリーばかりが、4連続である。

特に表題作の「殺人出産」の衝撃といったらない。
よくこういう発想がわくもんだ・・・と思いながら読んだ。

と同時に、こういうことは現実には絶対起こらないな、とも思った。

しかし2話目、3話目と読み進めていくうちに、「何が常識か?」「倫理とは何か?」という思いを深めていくことになった。

作者の村田紗耶香は「コンビニ人間」で芥川賞を取って話題になった。
私も「コンビニ人間」は読んだのだが、残念ながらあまり印象に残っていない。

もし同じような人がいたとしたら、『村田紗耶香は「コンビニ人間」だけで説明できる作家ではないよ』と言いたい。

表題作の「殺人出産」の他、「トリプル」「清潔な結婚」「余命」の計4話。

次々に常識をひっくり返される。
そして自分の倫理観を疑い始めること、請け合い。

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あさのしずく
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