創作【詩】 拝啓、オブラート殿
拝啓 オブラート殿
この度はご愁傷様でございます。
弟ぎみが亡くなられたと伺いました。
心よりお悔やみ申し上げます。
ところで、
弟ぎみを殺ったのはオレです。
弟ぎみは大変艶やかな肌をしていました。
ハリと弾力と光沢のある髪をお持ちでした。
オレはその愛に包まれて、
真綿で首の締まる思いでした。
オレはなんにもオブラートに包めやしなかった。
くるしくて。
だから、あいつを殺りました。
肺に大穴あけました。
中からサーッと薬が漏れて、
それはそれは美しかったなぁ。
どうもすみません。悪しからず。
代わりと言ってはなんですが、
オレを殺るための劇薬でもいかが?
ええ? いらない?
さては手を汚したくないのですね。
オブラートのくせに。
じゃあ、ここいらで
息の根とめさせていただいて。
エイッ
敬具