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ずっと、堂々とした平日の時間が必要だったんだ。_月曜日のNew なワタシ10_September

このnoteは、自由な創作活動を生み出すスタジオ、神奈川県横浜市天王町駅の高架下にある「PILE -A collaborative studio-」 で、創作を生み出す「心」を創る企画として毎月コラムを発行いたします。


撮影:ともまつりか

担当はHIPHOP、コンテンポラリーダンサー・振付家として現役で活動しているasamicro(アサミクロ)


ずっと、堂々とした平日の時間が必要だったんだ。


PILE Monday Morning Drop-inでは映像も流していたりします。写真は館内の様子


 「夏休みの宿題は終わったの?」「24時間テレビは見た?」「どこか行った?」

 こんな会話が飛び交い始める頃、私はいつも思うことがあった。そして、じっとはしていられなかった。今回のコラムでは、少しだけ真面目に、9月1日に対する想いを交え、現在PILEにて月2回開催している【PILE Monday Morning Drop-in】について書いていきたいと思う。

 夏の終わりと秋の始まりに、心と身体の準備をしていけたらと考えている。

 9月1日は日本の若者の自死率が最も上がると言われてきた。女優の樹木希林さんが入院中に

「死なないで、ね…どうか、生きてください…」

 と病室の窓の外に向かって、涙を堪えながら語りかけていた。とうエピソードをテレビなどで聞いたことがある人もいるかもしれない。

  皆さんはこの言葉を知っているだろうか。

“「ありがたい」を漢字で書くと「有難い」、難が有る。難を自分の身に受けながらも、成熟していく。成熟って難がなければできないの。”

 この言葉は著者、樹木希林・内田也哉子『9月1日母からのバトン』から抜粋したもの。
 
 ここからどんな印象を感じるか、少し考えてみてほしい。

 今日は「夏休み明け」をテーマに書いていこうと思う。
 10年前と比べると教育環境はだいぶ変化した。「夏休み」という概念や、期間なども個別性が高くなり、以前よりも9月1日のみが特別に自死率が増加するという訳でもなくなってきた。だが、夏の終わりに追い詰められてしまう人たちの、声にはならない、見えないサインというのは確実に存在しているということを、忘れてはならない。

 私はこれまで、不登校や引きこもり支援の活動をされている方々や当事者、当事者のご家族の方々と話し合ってきた。また、不登校における講演会や民生委員で講演会の講師などを勤めてきた経験がある。そういった活動の中で、毎年9月1日は私にとっても大切にしたい日であり、表現者として何かしらのアクションを行ってきた日でもある。

 私は不登校を経験している。その経験から言えることは、例え学校へ通っていなかったとしても「学校が始まる」というタイミングは身構えるものであったということだ。

 多くの不登校児は、授業が行われている平日の午前中から14時ごろまでの時間、罪悪感を抱いている。家にいても、学校以外のどこかにいても、この時間は「そこにいる理由」や「そこにいても良いという権利」を考えてしまうのだ。それは低学年であっても変わらない。

 そんな風に感じる子どもたちや、取り巻く大人たちへ

「堂々とあなたも此処で仕事をしているではないか、生きているではないか」


 と言ってあげたい。

 こうしたことを背景に、PILEでも月曜朝(月曜朝は毎週の「夏休みあけ」のようなタイミングであると思う)の企画イベントとして、居場所または、避難所にもなるような空間を作っている。それが「PILE Monday Morning Drop-in」という企画である。

この企画で重要なのは、「ただ休む場」を作っているわけではないということだ。
 
 PILEは「新たな創造のための、自由な協働空間」を謳う創作スタジオ。精神科医や福祉施設とは違って、アーティストやフリーランスの方々が制作や仕事を行い、それを通してコミュニティが生まれている場所である。
 
 ゲームや読書、音楽、動画など自宅で何かに熱中して時間を過ごす人は多いと思う。こうした人たちは概して「時間を溶かしてしまった」など自己嫌悪に駆られているケースが多い。自分自身で「怠けている」と感じてしまっている者もいる。

 けれど私は決してそうではないと思う。自分自身の好きなことを大切にしているのであって、怠けているとは思わない。これは先ほどの不登校児の話にも通じると思う。

 私はこうした人たちに「自分の時間を、自分の好きなように使うということに胸をはって」と伝えたい。そしてそのための場所を、「積極的に選びたくなる場所」として作り出したいと思い、「PILE Monday Morning」を始めた。ここにいるアーティストやフリーランスの方と同じように、感性を磨き、創作ができる。決して「逃げるためだけの場所」ではない。そうした場所を作り出したいと考えている。
  
 冒頭に書いた樹木希林さんの一文を私が引用したのは「苦労を我慢すべき」ということを伝えたかったからではない。困難を感じるということは、その人が弱いからではなく、さらに成長できる伸びしろがあるという証拠なのだと思う。困難を感じるタイミングは、より良い環境や人との出会いが広がっていく、そのきっかけの時なのだと思う。

“「ありがとう」 があなたの視点を変えてくる”

 と、私は考えている。どうか自身を卑下することなく、この状況に「このやろー!ありがとー!」とでも言って、今しんどい場所にいるならば、堂々と移動をして、落ち込んでもへこたれずにいてほしい。

 ちなみに9月1日は災害の日でもある。今一度、日常生活の中で「安心」「安全」と言える居場所について、寛大に、丁寧に環境を見つめてゆきたいものだ。

 asamicro


PILE -A collaborative studio-とは


PILEは、「新たな創造のための、自由な協働空間」をコンセプトに生まれた、クリエイター向けのコワーキングスペースです。デザイナー、アーティスト、ホビークリエイターなど、様々な職種や背景を持つ方々が空間を共有しながら、自由に制作仕事や創造的な活動を行うことができます。


PILE Monday Morning Drop-in

日 時:毎月第1・第3の月曜日10:30〜13:00
   ★次回2024年 9月2日/9月30日 開催
             ※祝日の場合は翌週の月曜日へ繰越
会 場:PILE -A collaborative studio-
料金:1,000円(税込)☕️コーヒー付

同時開催中の《月曜相談》も ぜひお越しくださいね。

”他人だから話せることもある”
教育のこと、学校のこと、会社のこと、家族のはなし。

夏休みが終わり、色々な気持ちで日常と向き合う方もいると思います。毎月2回開催している、

PILE Monday Morning Drop-in

では、ひっそりと同時開催として『月曜相談』を行っています。これまで、学童・フリースクール・民生委員などで不登校や引きこもりに関する講演会にて講師経験のあるスタッフがざっくばらんにお話し相手になります。相談は無料です。※1

新しい季節にゆっくりと心と身体をクリエイションすることも必要です。お気軽にどうぞ。

参加方法:Peatix または、当日飛び込み利用可能。Peatix 9月2日分↓

Peatix 9月30日分↓


※現金はご利用頂けません。電子マネークレジットカード、交通系ICなどご利用頂けます
※1《月曜相談》は無料相談となりますが、ドロップ飲料は必要となります。

主 催:PILE -A collaborative studio-
企画・運営:asamicro
Guest珈琲:Cafe ちょこんと。


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